中銀カプセルタワービル
1972年竣工当時のオリジナルの内装を残したカプセル

中銀カプセルタワービル解体後の活用を模索するプロジェクトが始動

美術館への寄贈やクラウドファンディングも

テキスト:
Time Out editors
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銀座の歴史的な建造物と言えば、メタボリズム建築の代表作として知られる中銀カプセルタワービル(1972年完成)を挙げる人も多いだろう。同ビルは解体が決まっているが、中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトが解体後のカプセルを取り外して再活用するプランを進めている。これは、建物をそのままの姿で保存するのではなく、「メタボリズムのコンセプトを引き継ぎ、次に繋げる」という設計思想を継承する計画だ。

中銀カプセルタワービル
中銀カプセルタワービル

同プロジェクトは2014年、ビルの保存を目指すオーナーらを中心に結成。同ビルの建て替えかカプセルの交換かを巡る議論は数十年にわたり続いてきたが、2021年3月には管理組合で敷地売却が決議され、現在は住人の退去と区分所有のカプセル売却が進んでいる。

うした状況を受け、同プロジェクトは売却、解体後も後世にメタボリズムを継承できるように協議し、最大139のカプセル取得で合意、今回の計画に結び付いた形だ。なお、カプセル改修には黒川紀章建築都市設計事務所が協力する。

中銀カプセルタワービル
埼玉県立近代美術館に展示されるカプセル(『中銀カプセルタワービル 銀座の白い箱舟』より)

同プロジェクトでは、再生したカプセルの一部は美術館や博物館に寄贈される。カプセルはポンピドゥー・センターをはじめ、国内外の美術館からカプセル譲渡の依頼があったものの、予備があるわけではなく断ってきた。しかし、今回は取り外されたカプセルが再生され、国内外の美術館や博物館での展示によりメタボリズムの思想を伝えていくことを目指す。

中銀カプセルタワービル
「泊まれるカプセル」マンスリーカプセルの住人

またプロジェクトでは、2018年からカプセルに1カ月間の宿泊できる『マンスリーカプセル』を運営、約2年半で延べ200人以上が利用してきた。解体後は、宿泊しなければ分からないカプセルの魅力を伝えるために『泊まれるカプセル』を全国展開する。現在、商業施設や宿泊施設を中心に展開先が検討されているという。

中銀カプセルタワービル
実測調査風景
中銀カプセルタワービル
実測図

さらに、現在の同ビルを記録する書籍『中銀カプセルタワーの記録(仮)』が草思社から2022年2月を目標に出版予定だ。書籍のために、すでに同ビルの140カプセル中50以上のカプセルの撮影を終了したほか、大学の建築系研究室の協力で実測調査も進めている。

中銀カプセルタワービル
2020年にクラウドファンディングで資金を調達して出版した『中銀カプセルスタイル』表紙

こうしたプロジェクトを支えるため、7月2日からはモーションギャラリーの公式ウェブサイトでクラウドファンディングもスタート。集まった資金は美術館などに寄贈するカプセルの改修費に充当、リターンには改修後のカプセル宿泊や『中銀カプセルタワービルの記録(仮)』などが用意される。

クラウドファンディングの詳細はこちら

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