マスクなしで3000人、リバプールで密なパーティーが開催

政府調査の一環で、The Blessed Madonnaやスヴェン・フェイトがプレイ

Huw Oliver
テキスト:
Huw Oliver
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DJが音を奏で始めると鳥肌が立つのが感じられた。ヴェニュー全体が恍惚とした光に包まれる中、そこにいる誰もが笑顔を浮かべている。1年間隔離生活を強いられていた観客は、この懐かしい一体感を再び共有することを喜び合い、気持ちのいい時間を一緒に体感したのだった。

2021年4月30日と5月1日の2日間に渡って行われた『The First Dance』は2020年3月以降、イギリスで初めて合法的に開催された大規模なDJイベントだ。リバプールの巨大ウェアハウスに3000人を動員した同イベントのラインアップには、The Blessed Madonnaやスヴェン・フェイト(Sven Vath)、Jayda G、ファットボーイスリムといった大御所DJが名を連ねた。

Photograph: Shutterstock
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マスク着用なしでイベントが開催されたわけ

会場に集まったクラバーたちはマスク捨て、思い思いに音楽に身を委ねた。ハグやキスをする人の姿もあったほどだ。8時間に渡って繰り広げられたレイヴは、クラブ本来の形をそのまま再現し大盛況の内に終了した。とは言っても、ソーシャルディスタンスやマスク着用なしという条件でイベントの開催が可能となったのには、理由がある。

今回のパーティーは、政府の協力を経て開催された試験イベント。参加者全員が前日に「急速ラテラルフローテスト(抗体検出検査)」を受ける必要があり、陰性になった人のみが入場できるという条件が設けられていたのだ。また、5日目には参加者全員がPCR検査を受けるよう促されているという。さらに、クラブ内でのウイルス感染を分析するため、人の動きや空気の質を常にモニターに検出。

これらはイギリス内の新型コロナウイルス対策全面解除に向けた「イベント調査プログラム」の一環として行われた。実験の結果によっては大規模イベントの再開が検討される見込みだ。

Circus club night in Liverpool
Photograph: Jody Hartley

 印象的な名曲がプレイされた

始終、高揚感と感動に包まれたこのイベントで特に印象的だったのは、Jayda Gがパンデミック中にリリースした『Both of Us』をプレイした瞬間だろう。この曲は、クラブ文化とそれを象徴するものへの聖歌のような一曲だ。そして、この夜をオーガナイズした地元リバプールのDJ、プロモーターのユセフのセットも素晴らしいものだった。レーザーがヴェニュー全体を照らし、紙吹雪が空中を舞う中プレイされたのは、Ultra Natéの『Free』。「You're free to do what you want to do(あなたは、やりたいことを自由にできる」という不朽のフックが、忘れられない夜を彩った。

今回のテストイベントの結果次第で、2021年6月21日にウイルス対策全面解除を予定するイギリスの他地域でも、同規模のイベントの開催が可能になるかもしれない。音楽とダンスにより、人々がまた元気付けられる日は近づいてきているようだ。 

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