井手上漠
Photo: Kisa Toyoshima

Z世代注目のモデル、井手上漠が初のフォトエッセイを発売

カラフルな世界を切り開く新星にインタビュー

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
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「多様性」という言葉を身近で聞くようになった現在。社会のシステムが追いついていない問題はいまだに多々あるが、少しずつ変化を感じている人も多いのではないだろうか。そんな時代を切り開くように、モデルとしてジェンダーレスに活躍する人物がいる。

井手上漠(いでがみ・ばく)は、島根県の海士町出身、2003年生まれの18歳だ。2017年に行われた第39回少年の主張全国大会では、「カラフル」を題材に自らの経験を語った作文で文部科学大臣賞を受賞。2018年には第31回『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』に出場し、Z世代を中心に注目を集めている。今回、初のフォトエッセイ『normal? 』の発売を前に、タイムアウト東京はインタビューを行った。

「全てリアルに包み隠さず書いています」

井手上漠
Photo: Kisa Toyoshima

―フォトエッセイの中身を少し読ませていただき、写真の景色や表情の美しさに引き込まれました。本についてお聞かせください。

写真パートのロケ地は出身地の海士町で、思い入れのある場所で撮っています。エッセイは自分の生い立ちや経験、感じたことを全て詰め込みました。文字にして形にできて良かったです。一生残るものとして手元に置いていただけたらと思います。

―性別と外見の一致が当然のものと考えている人が大半の世の中で、井出上さんの活動に救われる人が多くいると思います。モデルになろうと考えたきっかけはなんですか?

元々は美容師になりたいと考えていました。きっかけは海士町のお医者さんのおすすめで、ダメ元で『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』を受けたことです。ファイナリストに選ばれて「DDセルフプロデュース賞」を受賞しました。最初は私の存在が知られることが恥ずかしかったけど、SNSを通じていろんな意見を見て、それが救いになりました。私たちのようなマイノリティーが見捨てられないためにも、励みとなる存在になりたいです。

―モデルは人々の視線を受ける職業ですが、ご自身のことをどういう存在として見てほしいですか?

こういう風に見られたい、という思いは一切ないです。見る人の自由で良い。例えば私に「女になりきれない男」「オカマ」などと言ってくる人もいますが、それはそうとしか捉えられないその人の価値観です。エッセイでも書いていますが、見られ方は自由。受け止めて認め合い、尊重し合える世の中を望んでいます。

「自分の活動で新しい道を作りたい」

撮影:三宮幹史/井手上漠フォトエッセイ normal?(講談社)より
撮影:三宮幹史/井手上漠フォトエッセイ normal?(講談社)より

―活動の上でのロールモデルはいますか? また注目している同世代のアーティストを教えてください。

目標としている人はいません。自分の活動で新しい道を作りたいと考えています。同世代で注目している人はKōki,さんかな。同じ2003年生まれですが、同い年に見えなくて衝撃を受けました。輝いていてすてきだなと思います。

―今年の3月に上京されたそうですが、東京の好きな場所や行ってみたい所はありますか?

東京に住んで1カ月たちましたが、ホームシックは今のところなく楽しんでいます。行ってみたい場所は浅草の雷門かな。人力車に乗ったり占いをしてみたいです(笑)。買い物する場所は渋谷や原宿が多いですが、個性的な組み合わせや癖のあるファッションが好きなので、これからたくさんお気に入りのお店を探していきたいです。

―ありがとうございます。今後の目標と、タイムアウト東京の読者に一言をお願いします。

今後やってみたいことは役者。お芝居に挑戦してみたいです。フォトエッセイは後悔がない仕上がりになっているので、楽しみにしていてください。

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