『HER』
『HER』

セクマイ女性のためのソーシャルアプリ「HER」が日本初上陸

LGBTQ+のつながる場を提供、カントリーマネージャーにインタビュー

編集:
Hayashi Hisato
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『HER』は、世界で800万人以上ものセクシュアルマイノリティー女性(以下、セクマイ女性)のユーザー数を誇る、世界最大級のソーシャルアプリだ。2015年、サンフランシスコを本社に徐々に拡大していき、現在では113カ国で展開されている。

そして、ついに日本語版に対応した『HER』が日本に上陸し、2021年8月25日より正式にローンチされた。国内のトランスジェンダー、Xジェンダー、レズビアン、バイセクシュアルなどのセクマイ女性から今後も期待されるであろうアプリ『HER』について、日本のカントリーマネジャーの仁上祥子に語ってもらった。

Photo: 仁上祥子
Photo: 仁上祥子

マッチングアプリではなくソーシャルアプリとしての役目

ーアプリ『HER』について教えてください。

セクマイ女性専用のソーシャルアプリとして、『HER』をローンチしました。「マッチングアプリ」と呼ばない理由は、日本ではカミングアウトしていない人が多く、そもそもセクマイ当事者と出会うのが困難であることからです。デート目的だけでなく、友達やコミュニティーの人たちともつながる場所を提供する重要性を実感しています。

なので、プロフィール欄では「新しい友だち」「1人との恋愛関係」「複数との恋愛関係」「カジュアルな関係」など、恋愛の在り方にも考慮した上で、どのような目的でアプリを使いたいかを選択できます。「まだ分からない」「言わないでおく」という選択肢もあるので、とりあえずアプリを入れてみただけの人でも安心してご利用いただけます。

『HER』
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誰も除外されない居場所作りを

ープロフィールではジェンダーやセクシュアリティーなど、さまざまな項目があるように感じました。

『HER』はアイデンティティーの選択肢を増やすことで、誰もが除外されないセーフスペースを目指しています。その中でも、ジェンダー、セクシュアリティー、ジェンダープロナウン(代名詞)の項目が多いことは、『HER』ならではの特徴です。私は日本語版アプリの和訳をしたのですが、女/男だけでなく、なるべく性別を感じさせないニュートラルかつ日本人になじみやすい言葉選びにも気をつけました。

また、セーフスペースとしての役割を担うため、セキュリティー面にも特化しています。やはり、セクマイ女性がセクマイ女性とのコネクションを求めてアプリを利用してくれていることがほとんどなので、本人確認のマーク表示、顔の見えるプロフィール画像の設定、通報機能を導入するなど、偽のプロフィールを減らすことに徹底しています。

数年前だとセクマイはインターネットの掲示板などで出会うことが多い印象でしたが、最近はより明るみに出る機会が増えたのかなと。匿名で顔の見えない相手と会話していた時代から、相手を見てどういう人なのかを知った上で会話ができるようになった今、業界的にも変化しているのだと実感しています。

『HER』
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ありのままの自分を好きになるきっかけを与えたい

ーアプリを通して、日本のセクマイコミュニティーにどうアプローチしていきたいですか?

日本はほかの国と比べてマーケットが少し特殊であり、『HER』公式Twitterはメインアカウントのほかに、日本版を展開しています。アメリカでは「out and proud」といって、「このままの私が誇らしい」というセクマイ当事者が多いのに対し、日本ではクローゼットの状態、いわゆる「セクシュアリティーについてオープンにならなくてもいいんだ」と、隠す傾向にあります。

例えば彼女を彼氏と置き換えて話したり、同性の恋人がいることを言えない人は多く、まだまだ偽造しなければ守られない社会であると実感しています。周りに批判されたことのある当事者も多いですが、『HER』を通して当事者同士が会って自分に自信がついたり、ありのままの自分を好きになる人が増えることを望んでいます。そして、私たちの目指すセーフスペースとして、安心して自分と向き合える人が増えらたうれしいです。

『HER』の詳細はこちら

テキスト:Honoka Yan

モデル、ダンサー、ライター、記者、LGBTQ当事者。タブーについて発信する日本のクィアマガジン『purple millennium』編集長を務める。『THE OTHER』発売中。Instagram:@honokayan

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