グリッチコーヒー
Photo: Keisuke Tanigawa

シングルオリジン文化をけん引する「グリッチコーヒー」が銀座にオープン

フルーティーな浅いりコーヒーが主役のコーヒーカクテルを提供

編集:
Genya Aoki
テキスト:
Tomomi Nakamura
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2023年4月6日、神保町で人気を博したグリッチコーヒー アンド ロースターズ(GLITCH COFFEE & ROASTERS)」の4店舗目となる新店「グリッチコーヒー ギンザ(GLITCH COFFEE GINZA)」が銀座にオープンした。同ブランドでは、産地や生産者の個性が現れる、浅いりのシングルオリジンコーヒーのみを提供。銀座店では、さらに元バーテンダーのバリスタが考案した「シングルオリジン コーヒーカクテル」も楽しめる。

グリッチコーヒー
Photo: Keisuke Tanigawa

ブラックを基調としたシックな外観の店舗に一歩足を踏み入れると、バリスタを囲むコの字型のカウンター席と15種以上のコーヒー豆がずらりと並ぶ。

グリッチコーヒー
Photo: Keisuke Tanigawa

まず豆の種類をセレクトしてから、カフェラテやエスプレッソといったドリンクの種類を選ぶというオーダー方式は同店ならでは。店頭ではバリスタが一つ一つ丁寧に豆の解説をしてくれるので、初心者でも安心して選べる。

グリッチコーヒー
Photo: Keisuke Tanigawa

最新の精製方法を採用した「イノベーション」、希少価値の高い「ハード トゥーファインド」、世界大会に出場した豆を集めた「コンペティション」と独自のカテゴリー分けがなされている。難しいと敬遠されがちなコーヒー豆の種類をより分かりやすく理解してもらうために、考案されたものだという。気になるカテゴリからお気に入りのコーヒーを探してみよう。

グリッチコーヒー
Photo: Keisuke Tanigawa

アンティークの家具を取り入れたテーブル席も設置されているので、奥でゆったりくつろぐのもいいだろう。壁にはストーリー性のあるオリジナルの浮世絵が設置してあり、洋の空間の中に日本らしさが垣間見れるのも面白い。英国の老舗メーカー「タンノイ(TANNOY)」のスピーカーからは、店主がセレクトしたジャンルレスな80年代の音楽が流れ、心地よい空気を醸し出している。

「シングルオリジン×浅いり」に込められた個の魅力の最大化

グリッチコーヒー
Photo: Keisuke Tanigawa

オーストラリアの最年少世界バリスタチャンピオン、ポール・バゼットの元で焙煎(ばいせん)に携わったオーナーの鈴木清和は、2015年に1店舗目の「グリッチコーヒー アンド ロースターズ」を神保町に開店。サードウェーブコーヒーの波が訪れていた当時、日本進出した海外のロースターのみに注目する国内の風潮に違和感を感じていたという。

「ブル―ボトルコーヒーの創業者が丁寧に抽出を行う日本の喫茶店に影響を受けたというのは有名な話ですが、古くからある喫茶店文化は、実は海外の人たちから見てとてもクールなものなんですよね。各店に個性的なマスターがいて、こだわりのハンドドリップでゆっくりコーヒーを提供する。これは日本が誇るべき特有の価値なんだと、ロサンゼルスでコーヒーを学んでいた時に悟りました。僕自身がその素晴らしさを広めていかないとと思い、思いついたのが質の高いシングルオリジンコーヒーを厳選し、ハンドドリップで提供するコーヒー店だったんです」(鈴木)

グリッチコーヒー
Photo: Keisuke Tanigawa

焙煎を浅いりだけに限定している点にも大きな意味があるという。「コーヒーは大きく浅いり、中り、深りという種類に大別できますが、焙煎時間を長くするにつれて味が変化します。その時間が最も長い深りは、実は豆本来の味を感じにくいものなんですよね。グリッチコーヒーでは豆個性を感じてもらうために浅りだけを採用しています」

グリッチコーヒー
Photo: Keisuke Tanigawa

加えてブレンドコーヒーを提供しないのは、関わる生産者一人一人や産地の魅力をしっかり伝えたいからだという。「数種類の農園の豆を合わせた時点でコーヒーの味が変わってしまうし、生産者の名前が認知されにくくなってしまう。僕たちの店では、どのエリアのどんな生産者が作ったコーヒーなのか、それはどういったフレーバーなのか。明記したカードを添えることで、自然と認知が広まるような工夫を施しています」

グリッチコーヒー
Photo: Keisuke Tanigawa

初めて同店を訪れた人は、飲み比べができる「コーヒーフライト」(選べる2種のコーヒーの価格から300円引き)をオーダーしてみよう。伝統的なウォッシュド製法で作られたトマトのような酸味を感じる「キアマイナ」から、ストロベリー香が心地よく、世界大会でも注目を集めた「エルパライソ」まで、取材日も多彩なテイストが楽しめた。ぜひそれぞれの味と香りを比較する楽しさを味わってみてほしい。

グリッチコーヒー
Photo: Keisuke Tanigawa

銀座店限定のドリンクを味わうなら、元バーテンダーのバリスタが考案した「シングルオリジン コーヒーカクテル」(日替わりのコーヒーにより価格変動)がおすすめだ。フルーティーな浅りコーヒーが主役になるよう計算されたオリジナルカクテルは、コーヒーの風味と調和した果実味の強いウイスキーを採用。軽やかな飲み口で酸味が強く、さっぱりとした味わいが魅力だ。添えられたコーヒー豆の香ばしい風味が絶妙なアクセントとなっている。 

グリッチコーヒー
Photo: Keisuke Tanigawa

同店はオフィス街のサラリーマンも多く訪れる一方、ゲストの半分程度は海外の観光客が占めるという。「今までのコンセプトを大切にしながらも銀座ならではの色を出し、日本から世界に向けて価値ある農園の魅力を伝えていきたい」と鈴木は語る。今後は、月1回で新しいコーヒーカクテルを発信していく取り組みもスタートするそうだ。多くの人を魅了し続けるグリッチコーヒーにこれからも目が離せない。

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