ロンドン交通局が電動トラム型バスを導入へ

2023年から一部路線で試験運行スタート

Chris Waywell
テキスト:
Chris Waywell
翻訳:
Time Out Tokyo Editors
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昔々ロンドンにはトラム(路面電車)があった。最初は馬で引っ張られ、やがて電力で走るようになったが、次第に「クール」なものではなくなり、ロンドン議会により高額な費用で段階的に廃止され、1952年には消滅。その後、人々の地上での移動はディーゼルエンジンのバスに置き換わったが、それが大気汚染や道路渋滞の一因となってしまった。

近年ではトラムの良さが見直され、2000年には南ロンドンでトラムが復活したが、今度は、トラムの利便性とバスの無軌道な利便性を併せ持つ、新しい公共交通車両が誕生しようとしている。

この車両は、スペインのエンジニアリング会社Irizarが製造する「ieTram」。路面電車の車両のような形状で、高い天井、大きな窓、内部を分断する要素が最小限に抑えられているのが特徴だ。自転車や歩行者にとってより安全なように、カバー付きの車輪で道路を走る。そして何より、ieTramは電気自動車であり、排ガスを出さないというのが素晴らしい。

このかなり未来的かつ環境に優しい車両が導入されるのは、2023年から。まずは、20台がロンドン南部のルート358(交通マニアや地元の人ならクリスタル・パレスからオーピントンまでといえば分かるだろうか)を走る予定だ。路線の両端の停留所には、電気を補充するための充電ステーションが設置される。ロンドン交通局(TfL)によると、この試みが成功すれば、首都圏のより多くのバス路線でieTramが導入される見込みだという。

2022年初めに天窓、携帯電話ホルダー、USBポートを備えた「おしゃれな」新型63型バスがお目見えしたというニュースがあったが、このieTram導入はそれに続くロンドンのバスファンにとっての朗報といえる。ただ、バスとトラムの融合だからといって、我々がこの新車両を「トラス」とは呼ぶことはない。

あとは、厄介な車やAmazonの配達バン、がれきを満載したトラックなどを道路から排除することだけだ。多少のストライキはしょうがない。それが実現すれば、これらの新車両とともに、ロンドン公共交通の黄金時代が幕開けするといえるだろう。

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