ブルペン
Photo: Keisuke Tanigawa

野球がコンセプトの個性派立ち食い寿司、ブルペンが荏原にオープン

業界人や著名人の舌をうならせる名店、鮨りんだやらんまるの系列店

編集:
Time Out Tokyo Editors
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2021年10月1日、品川区荏原の中原街道沿いに野球がテーマの立ち食い寿司、ブルペンが開店した。高級店さながらのネタを提供しつつも、カジュアルに寿司楽しめることを重視している。業界人、著名人の舌をうならせる名店、鮨りんだやらんまるを担うショートストップの新店だ。オープンから1カ月もたたずに口コミで話題を集め、現在は午前3部、午後3部の入れ替え制で営業を行う人気ぶりである。

ブルペン
Photo: Keisuke Tanigawa看板メニューの『ダンクおまかせ』(7,000円)

インダストリアルなモルタルの壁が目を引く同店は、ネオ居酒屋風のおしゃれな外観で気軽に入りやすい雰囲気がうれしい。キャッチ―な店名は、野球で投手がウォームアップのために投球練習をする場所である「ブルぺン」に由来している。「ブルペンで投手が肩を温めるように、ここで若い職人たちが仕込みから寿司を握り込む技までを習得し、さらに上の舞台へと進んでほしい」という思いをもとに今の店名に落ち着いたのだそう。

ブルペン
Photo: Keisuke Tanigawa

野球のユニフォームを意識したスタッフの装いも何ともユニーク。活気のある雰囲気は、年功序列の業界のイメージを覆す若手育成を重視した文化が反映されているようだ。

とはいえ、寿司に一切の妥協はない。ネタは9割を豊洲市場で仕入れ、その時入った最も良質な素材をよりすぐっている。料理はその日の仕入れで変わる握り寿司(300円から)やおつまみ(500円から)、握り寿司のコースは、寿司11貫に椀物が付いた『ブルペンおまかせ』(4,000円)と同じ品数で大将の佐々木男駆(だんく)がおすすめを厳選した『ダンクおまかせ』(7,000円)の2種が楽しめる。

ブルペン
Photo: Keisuke Tanigawa

ここを訪れたら必ず食べておきたいのが、看板メニューの『ダンクおまかせ』。目利きした鮮魚を使った11貫の寿司の盛り合わせは手頃な料金でありながら上質な素材と丁寧に仕上げた本物志向の寿司が堪能できる。

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『まぐろ』(Photo: Keisuke Tanigawa)

中でも、ふわりとした口当たりに感動するのが、三厩(みんまや)から取り寄せた『まぐろ』だ。銀座の高級寿司店をはじめ、全国から注文が殺到するやま幸から仕入れた霜降りの素材は、舌の上でとろけて消える至福の食感。筋と筋の間に包丁を入れ、薄切りにすることでさらに極上の舌触りに仕上がるという。

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『車海老』(Photo: Keisuke Tanigawa)

大分の別府湾の車海老は、中に仕込んだ黄身酢おぼろがアクセントになった逸品。酢の酸っぱさと卵黄の甘みが程よいうま味となり、素材の味を引き立てている。プリっとした歯応えにも魅了されること間違いなしだ。

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『小肌』(Photo: Keisuke Tanigawa)

鮮度が命で板前の腕が問われるという『小肌(こはだ)』も注目したいメニューの一つ。酢で締め、2日寝かせることで発色を際立たせたという素材の下に赤酢のガリを忍ばせることで、後引く酸味が際立つ逸品に。柔らかで、うま味たっぷりの身もじっくりと味わってみてほしい。

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Photo: Keisuke Tanigawa

ドリンクは冷茶、宇和島のこうの果樹園の『みかんジュース』などのソフトドリンクのほか、ビール、レモンサワー、ハイボールといったアルコール類をラインアップ。美しい猪口(ちょこ)で味わえる日本酒は見逃せない。

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野球のベースをモチーフにした看板(Photo: Keisuke Tanigawa)

大将の佐々木は、魚屋の祖父のもと、幼い頃から魚好きとして育った。日本料理店で7年経験を積み、ショートストップですし職人として2年修行した後に今の座を射止めたという。

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Photo: Keisuke Tanigawa

「気軽に入れる鮨屋」を目指す同店は、20代から60代まで幅広い客層の支持を集めるが、老舗(しにせ)の名店顔負けのネタを提供しつつ、若手が第一線で活躍する躍動感のある雰囲気を併せ持つ点は、ほかの店にはない唯一無二の魅力だ。普段は回転寿司を食べる人も、高級寿司は食べ尽したという人もきっと満足できるだろう。営業は入れ替え制なので、訪れる際は注意してほしい。 

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テキスト:中村友美

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