カルロバッツ
Photo:Soreto Takagi店主の大谷尚輝

欧州の野球場発「日本人選手が作るクロアチア風カレー」の店が調布にオープン

クロアチアの最もポピュラーな調味料「ベゲタ」を合わせたスパイスカレー

Soreto Takagi
編集:
Genya Aoki
寄稿:
Soreto Takagi
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2023年2月7日、調布駅東口から徒歩3分にある「調布百店街」を入ってすぐの場所に「クロアチア風カレー」を提供する間借りカレー店「カルロバッツ(Karlovac)」がオープンした。

カルロバッツ
Photo: Soreto Takagi同店を示すものは小さな立て看板のみなので、見逃さず

クロアチアといえば海岸線が長く続く東欧の一つで、シーフードのほか、隣国のハンガリーやオーストリアの影響で肉料理も盛んな国だが、正直なところカレーのイメージはない。クロアチア風カレーとは一体どんな味なのか、確かめてみたくなった。

カルロバッツ
Photo: Soreto Takagi「クロアチア風カレー(チーズ、温玉付き)」

そのためにはまず、同店の店主である大谷尚輝をひもとく必要がある。大谷は2013年から海外6カ国で野球に関わり、クロアチアの野球リーグで活躍した唯一の日本人だ。

「もともとカレー好きだった」と語る大谷は、現地の食材を使ったカレーを作っては友人に振る舞っていた。そのカレーは次第に評判となりポーランド、クロアチアの野球場で日本人選手が作るカレーとして販売され、完売するほどの売れ行きだったそう。その経験から「日本でもこのカレーを出してみよう」と独学で作り上げたのが、カルロバッツの自信の一皿である。

カルロバッツ
Photo: Soreto Takagi

大谷が手がけるクロアチア風カレーのうまみの基礎となっているのは「ベゲタ」だ。クロアチアの家庭では日本の醤油のように使われている調味料の一つで、6種の野菜、塩や香辛料などが含まれている。例えるなら、アウトドア調味料で話題となった「ほりにし」のスパイスとコンソメが合わさったものに近いといえばイメージしやすいだろうか。

カルロバッツ
Photo: Soreto Takagi

カレーのソースは粘度が高く、まるでミートソースのような質感。ポーランドやクロアチアの現地でも食べやすいように意識したという点もこのカレーの特徴だ。

特に大事にしているのはタマネギを炒める過程だという。水を使わずに湿っぽくなるまで炒め続け、コリアンダーをはじめとする6種類のスパイスが入っているカレーは濃厚な甘さ、うまみを印象づけた後に、苦みを伴ったスパイシーなアクセントが面白いコントラストを生んでいる。まさにクロアチア風カレーといっていいだろう。

カルロバッツ
Photo: Soreto Takagi日曜日はバーとしても営業。クロアチアはもちろん、セルビア、スロベニアなどのワインやクラフトビールを取り揃えている

現在はバーを間借りしたランチ営業のみではあるが、今後は調布駅前のショッピングセンター「トリエ京王調布」でカレー弁当の出店やUber Eatsのデリバリーにも対応するようだ。元野球選手が作るクロアチア風カレーはオープンして間もないにもかかわらず、すでに調布では静かに話題となっている。「この店をきっかけに、少しでもクロアチアについて興味を持ってもらえたらうれしいです」と大谷は意気込む。

木〜土曜日の11〜17時と日曜日の18〜24時は「おつまみ野球Bar」として営業している。「クロアチア風カレー」が気になったグルメな人は、ぜひ足を運んでみてほしい。

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