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本物に出合う専門店、ビリヤニ大澤が神田にオープン

「ふわパラ」のビリヤニを炊きたてで味わう

Hisato Hayashi
編集:
Hisato Hayashi
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ビリヤニ大澤
ビリヤニ大澤(Photo: Shintaro Kumihashi)
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注目されつつも、なかなかブームの波が来ないビリヤニ。ただ、その認知度は確実にここ数年で格段に上がっていて、特化したレシピ本が刊行されるなど、大波がそこまで押し寄せている。

2021825日に、満を持して神田にオープンしたのがビリヤニ大澤。出店のためのクラウドファンディングはわずか2日間で達成し、最終的には1,300万円を超えるなど、目標をはるかに上回る支援を集めたビリヤニ専門店だ。 

ビリヤニ大澤
Photo: Shintaro Kumihashi

ただの話題店という認識でとどめておくには、あまりにもったいない。オーナーシェフ、大澤のビリヤニへの愛情はとてつもなく大きく、提供するビリヤニへのこだわりも生半可ではない。一つの手間も惜しむことなく作られる一皿は、間違いなく今食べるべきである。

ビリヤニ大澤ができるまで

大澤は学生時代にインドで出合ったビリヤニに魅了され、2012年にビリヤニを作るためのスペース、ビリヤニハウスを発足。それ以来、さまざまな食材でビリヤニをとにかく作りまくり、独自のビリヤニ道を歩んできた。

ビリヤニ大澤
Photo: Shintaro Kumihashi

今でいう間借り店のスタイルとして、ビリヤニマサラという屋号でビリヤニをふるまうこともあったが、当時まだビリヤニの知名度が高くなかったこともあり大きく発展することはなかった。大量調理がおいしさの秘訣(ひけつ)であるビリヤニの特性もあり、最高の状態のビリヤニをふるまうにはビリヤニハウスがベストだと感じ、さらにその道を極めていく。

しかしコロナ禍で、大量調理=大勢で集まって食べるスタイルが難しくなり、ビリヤニハウスをはじめ活動の多くは停滞気味に。失意にくれ、一時期は鬱(うつ)にもなったほどだという。

だが、これが転機となる。「自分にはビリヤニしかない」という思いに改めて気付き、この状況でも最高のビリヤニを作る方法を模索した末にたどり着いたのがビリヤニ大澤である。

一切妥協のないビリヤニへのこだわり

こうしてオープンが決まったビリヤニ大澤。冒頭でも書いたように、開店資金を募るクライドファンディングで1,300万円超の支援が集まった。これまでの大澤が全てをかけてビリヤニを作り続けてきたからにほかならない。

ビリヤニ大澤
Photo: Shintaro Kumihashi

ビリヤニはもちろん一級品で、メニューは基本的にマトンビリヤニ(レギュラーサイズ1,800円、フルサイズ2,500円)のみ。ビリヤニを作る工程は大きく分けて6つ。①マトンのコンフィ、②フライドオニオン、③スパイスの調合と炒め、④①~③を合わせてベース作り、⑤バスマティライスの準備、⑥ベースとライスを合わせて炊く。

ビリヤニ大澤
Photo: Shintaro Kumihashi

この積み重ねでビリヤニの完成度が決まってくるが、「おいしくするためにできることは全てやる」という徹底っぷりで、手間を、本当に一切惜しまないのが大澤流だ。

無限に食べられるビリヤニ

マトンは肉の硬さに合わせ煮込み、フライドオニオンは120度を保ちながら炒めてうま味、酸味、甘みのバランスを整える。炒めて香りとうま味を最大化したスパイスミックス、それらを合わせてさらに火入れをしたグレイビー(ソース)とえりすぐりのバスマティライスを鍋に入れ、徹底的な温度管理のもと至高のビリヤニを炊き上げる。

ビリヤニ大澤
Photo: Shintaro Kumihashi

大澤が考える理想は、「無限に食べられるビリヤニ」だ。口の中でとろけるふわふわでパラパラな食感。見た目に美しいグラデーションは味のグラデーションでもあり、米自体の味わい、スパイスの香り、グレイビーや肉のうま味、一口ごとにそれぞれの風味を楽しめる。そして何より炊き立てという最高の状態である。

ビリヤニ大澤
Photo: Shintaro Kumihashi

ライタ(ヨーグルト)とコーラのペアリングもこれ以上にないほど絶妙で、あっという間に一皿を平らげてしまう。そして、無限に食べていたいという気持ちになっている。

「マニアにだけウケても仕方ない。初めての人もマニアも現地人も、誰が食べてもおいしい料理を作っている」というの思いを、大澤はこの一皿に体現している。一口食べれば、誰もがビリヤニの魅力に取りつかれることだろう。

ビリヤニ大澤
Photo: Shintaro Kumihashi

ビリヤニだけと向き合う

店内の造りも大澤流。最高のビリヤニのための設計になっている。入店は炊き上がりの45分前から。コの字型のカウンター席に着くと、ガラス張りのキッチンで全神経をビリヤニに注ぐ大澤の調理の様子が見え、そこで炊き上がりを待つ。

ビリヤニ大澤
Photo: Shintaro Kumihashi

炊き上がれば目の前ですぐさま盛り付け。そして運ばれたら話をする暇はなく、目の前のビリヤニに100パーセントの意識を持って向き合いながら食す時間はなんとも贅沢だ。

ビリヤニ大澤
Photo: Shintaro Kumihashi

予約は1週間前から

来店のためには予約が必要。予約サイトに毎日20時、7日後の予約が公開される。席数は10席で、ランチとディナーそれぞれ1回ずつ20人前のビリヤニを炊き、2巡に分けて提供される。

1巡目は炊き立て、2巡目は炊き立てではないがおかわりもしながらゆっくりと食べられる。また、基本的にはマトンビリヤニのみだが、仕入れ状況によってはアナグマやオマールエビが提供される日もあるそう。 

ビリヤニ大澤
入り口にその日の提供メニューが記される(Photo: Shintaro Kumihashi)

なにはともあれ、いち料理としてのポテンシャルの高さを知ることができ、ビリヤニ観を一新してくれる最高峰のビリヤニを一度は口にしてもらいたい。

ビリヤニ大澤の詳細はこちら

テキスト:組橋信太朗

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