アポテオーズ
画像提供:Plan・Do・See

虎ノ門に5年連続一つ星シェフによるガストロノミー「アポテオーズ」が誕生

フレンチの技術×日本の風土を生かした食材で五感を満たす革新的な一皿

編集:
Genya Aoki
テキスト:
Tomomi Nakamura
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2023年11月21日(火)、「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」の「トウキョウ ノード(TOKYO NODE)」内に、 フレンチガストロノミー「アポテオーズ(apothéose)」がオープンする。地上250メートルの場所に位置するレストランで、眼下には東京のきらめく夜景と空の大パノラマが広がる、絶好のロケーションだ。

アポテオーズ
Photo:Tomomi Nakamura

シェフを担うのは、成澤由浩率いる小田原の「ラ・ナプール(La Napoule)」やパリ2区にあるフレンチレストラン「オ・ボン・アクイユ(Au bon accueil)」をはじめ、数々の名店を経て、フレンチレストラン「エール(ERH)」で5年連続ミシュラン・ガイド一つ星を獲得し続けてきた北村啓太である。

アポテオーズ
画像提供:株式会社Plan・Do・See

北村は今回の開店を機に、フランスでともに過ごしたシェフパティシエの宮本景世やスーシェフの渡邊亮介、ソムリエ兼客室責任者のベルトランド・ヴェルディエ(Bertrand Verdier)とともに、15年の時を経て母国である日本に帰国。彼が最も大切にしてきたことは、日本各地を自分の足で巡り、五感で素材の魅力を感じることだった。

「生産者の声に耳を傾ける中で強く感じたのは、日本ならではの丁寧で繊細な手作業によって、魅力的で高品質な食材が生まれるということでした。食材に込められた思いを受け継ぎ、世界中のゲストへの伝え手として常識を打ち破る料理を発信していきたいです」(北村)

アポテオーズ
Photo: Tomomi Nakamuraソファが配されたティースペース

同店に到着するとまず目に入るのが、コースの前にティータイムが楽しめるスペースである。「山の湧き水が流れる音」や「竹林をかき分ける音」など、自然が感じられる音色がゲストを出迎えてくれる。これは北村が食材選びの旅で出逢った88個の「音」の素材を、サウンドデザインチームのSOUND CoUTUREがデザインしたものだ。

「ゲストを自然の音色と茶でお迎えし、まずはリラックスしてもらう。その後レストランへお通しすることで、まるで誰かの自宅へ招かれたような温かな気持ちを味わってほしいです」と、北村は語る。

アポテオーズ
画像提供:「アポテオーズ」PR事務局

ライトやテーブルなどのデザインは、世界一のレストランといわれる「ノーマ(NOMA)」の内装やインスタレーションも手がけたSPACE COPENHAGENが担当。ナチュラルな色使いと曲線で構成された店内空間は、洗練された雰囲気がありながらも温かみを感じる。

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Photo: Tomomi Nakamura

メニューは、日々変化し続けるディナーコース「Menu apogée(メニュー アポジー)」 (2万5,000円、以下全て税込み、別途サービス料)のみ。さらに、アルコールペアリングを1万5,000円で追加できる。

生産者が作り出す最高の食材を前に、今この瞬間にしかできない表現を実現するため、コースは毎日微調整され、レシピも変化し続ける。時にはスタイルが一変することもあるが、根幹にある思想はいつも「おいしさに真摯(しんし)に向き合い続ける」ことだという。

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Photo: Tomomi Nakamura

例えば「カリフラワーのタルト」は、流木と花のフォルムをしたユニークな器に乗って提供され、訪れたゲストを驚かせてくれる。カリフラワーに火入れした落花生を合わせ、スパイスやディルを施したタルトは、オリエンタルなスパイスやハーブの香りと、野菜と落花生の絶妙な食感が五感で堪能できる逸品だ。

隣に添えられた「タマネギのパイ」は、キャラメリゼすることで香ばしさと甘みを引き出した柔らかいタマネギと、パイのサクサク食感によるコントラストが楽しめるフィンガーフードである。

アポテオーズ
Photo: Tomomi Nakamura

鮮やかなブルーの器で登場する「ラビオリ」は、静岡の「天城軍鶏」とビーツが生地のベースになっており、コリっとした歯応えや肉からあふれ出るうまみを感じることができる。

そこに米のブイヨンとニラオイルを合わせたスープをかければ、さらに滋味深い味わいに。ラビオリで包まれた「オータムポエム」といわれる菜の花の辛みと甘みも心地よいアクセントとなっている。

アポテオーズ
Photo: Tomomi Nakamura

「レギューム アシェット」は、化学的な肥料や農薬に頼らない農法を利用した北海道「佐々木ファーム」の季節の野菜15種と、ハーブ14種をシェリービネガーとともに一皿で味わえるメニューだ。少量の水と油を加えてふたをし、蒸し煮にする「エチュベ」という調理法で火入れした野菜たちは、素材本来の甘みやうまみがグッと増しているのが実感できるだろう。 

「本当においしいもの、本物の豊かさとは何なのか。日本という風土の奥に潜んでいる答えを追い求めながら、私たちの表現の場である一皿一皿に託していきたいと考えています」と北村は言う。「最高の称賛」や「フィナーレ」を意味する店名通り、今後は日本はもちろん、世界で称賛されるレストランへと進化していくに違いない。

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