マツモト建築芸術祭
Photo: Kisa Toyoshima

マツモト建築芸術祭でしかできない6のこと

街歩きしながら探るアートと名建築、今年の見どころは?

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
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2022年に始まった「マツモト建築芸術祭」は、「割烹 松本館」をはじめ有形文化財にも登録された建築と現代アート作品が楽しめる芸術祭だ。

第1回では、県内外から約6万5000人が来場。2023年は2月4日(土)〜26日(日)の会期を設け、共通パス(税込み1,000円、中学生以下は無料)で巡る有料エリア11カ所と、無料会場を8カ所設置。そのほかトークイベントやライブパフォーマンスなども予定している。

マツモト建築芸術祭の魅力は「街歩き」しながらアートや建築に触れられること。歩いて回っても1日あれば全ての会場を観ることができる。時間に余裕があれば、一巡してから気に入った展示をじっくり観る、という鑑賞方法もいいだろう。本記事では見どころとおすすめの展示をピックアップした。

展望台で悩みを晴らす。

マツモト建築芸術祭
Photo: Kisa Toyoshima

松本市役所本庁舎 展望室×中島崇

選ばれた会場の一つは、なんと市役所。市民が行き来する市役所の階段を登ると、すぐ近くの松本城を見下ろし、山々を一望できる展望台が設置されている。

作家の中島崇は、この展望台で「悩み」や「モヤモヤ」をモチーフにした作品を展示。「暗雲立ち込める空間の先に町や山々を一望できる展望台」という特別な場所では、悩み解決の糸口が見つかるかもしれない。

茶室の新たな息吹を感じる。

マツモト建築芸術祭
Photo: Kisa Toyoshima

池上百竹亭 茶室×ステファニー・クエール

日本の伝統を伝える「池上百竹亭 茶室」は、文化人として活躍した呉服卸商の長男・池上喜作の邸宅の一部だ。英国・マン島出身のアーティスト、ステファニー・クエールは、四季の移ろいや侘び寂びを感じるこの空間に新たな息吹をもたらした。閑静な茶室の戸を開くとそこには……?

巨大なダチョウに囲まれる。

マツモト建築芸術祭
Photo: Kisa Toyoshima

割烹 松本館×福井江太郎

昨年、メイン会場として話題を呼んだ「割烹 松本館」は、1890(明治23)年創業の老舗料亭。大広間「鳳凰の間」は太田南海が設計監修した結婚披露宴のための大広間で、すみずみまで美しい細工が施されている。

今回展示されたのは福井江太郎による巨大な作品群。高い天井にも届くほどの大きなダチョウの群れの中で、作品に込められた思いを感じてみては。

建物の細部に見とれる。

マツモト建築芸術祭
Photo: Kisa Toyoshima
マツモト建築芸術祭
Photo: Kisa Toyoshima

展示作品も良いが、鑑賞の際は建物の細部まで探ってみよう。昭和初期、大正、明治時代まで時代をさかのぼる名建築には、現在ではみられない貴重な細工が施されている。

マツモト建築芸術祭
Photo: Kisa Toyoshima
マツモト建築芸術祭
Photo: Kisa Toyoshima

過去と現在を行き来する。

マツモト建築芸術祭
Photo: Kisa Toyoshima

旧油三洋裁店×ヨーガン・アクセルバル、amachi.(吉本天地)

「旧油三洋裁店」は、昭和初期に建てられた2階建ての建築物。壁には「油三洋裁店」「一級技能士」などの文字が残り、衣服の仕立て業を営む場所であったことがわかる。

ファッションブランドのamachi.と写真家のヨーガン・アクセルバルによるコラボレーションは、洋裁店ならではの景色を生かした空間展示。そこにかつていた人の息遣いまで感じられる空間を作り上げた。 

日常のオアシスに触れる。

マツモト建築芸術祭
Photo: Kisa Toyoshima

下町会館×青木悠太朗

「下町会館」(旧青柳化粧品店)は、大正ロマンの雰囲気漂う上土通りに面した木造3階建ての看板建築。展示作家は「日常の中のコミュニケーションにおけるズレや誤解」「偶然出会った状況」などをモチーフに制作を行う彫刻家の青木悠太朗だ。

松本在住という、作家の母の友人がくれた「贈り物の思い出」を元にした作品「マツモト」は思わず触れたくなるフォルム。ユニークでどこか温かみを感じる彫刻作品を楽しんでほしい。

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