Leighton House, LGBT landmarks
Will Pryce

ロンドンのLGBTQ+スポット10選

歴史的な場所やクィアカルチャーをたたえるヴェニューを巡ろう

テキスト:
Amy Smith
翻訳:
Time Out Tokyo Editors
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ダイアナ妃がフレディ・マーキュリーと「ロイヤル ボクスホール タバーン」でクラブ遊びをしたこと、あるいは、「ハイベリー フィールズ」で初めて同性愛者の権利に関する抗議デモが行われたことを知っているだろうか?

ロンドンにはクィアのバー、クラブ、ナイトクラブ、そのほかのスペースが豊富にある。それゆえに、魅力的なクィアの歴史も築いてきた。だからこそ、この街のLGBTQ+シーンは世界でも最も素晴らしいものの一つになったといえる。

この街において平等の権利をめぐる歴史的な戦いの重要な場所や、クィアカルチャーをたたえる現在のホットスポットを巡り、興味深いLGBTQ+の物語に触れてみるのはどうだろうか。

Hampstead Ponds
© tatzlum.photo

ハムステッド ヒースの池

「ハムステッド ヒース」にある男性専用、もしくは女性専用の池は、昔からナンパの名所として知られてきた。公園全体も(あらゆるタイプのセクシュアリティーにおいて)「相手を見つける場所」として知られている。その評判のおかげで、かなり刺激的な体験ができるだろう。とはいえ、基本的にこの場所の雰囲気は友好的でプラトニックなものだといえる。

Virginia Woolf’s homes
Pete Spiro/Shutterstock.com

ヴァージニア・ウルフが住んだ家々

20世紀初頭にロンドン中心部のブルームズベリーを拠点として活動した高名で画期的な作家、ヴァージニア・ウルフ。ヴィタ・サックヴィル=ウェストと10年にわたる交際を楽しんだ彼女は、生涯を通してロンドンの多くの邸宅で暮らした。

ウルフをしのぶには、ハイド・パーク・ゲート22番地(22 Hyde Park Gate)にある幼少期の家や、学生時代に滞在していたフィッツロイ・スクエア29番地(29 Fitzroy Square)の家を訪れよう。タヴィストック・スクエア52番地(52 Tavistock Square)にあったウルフの旧宅は第二次世界大戦中のドイツによる空襲で被害を受けたが、その後ブロンズの胸像が置かれ、彼女は「不朽の人」となった。

Alan Turing Statue, Paddington
Julian Walker/Flickr

アラン・チューリング像

アラン・チューリングは並外れた頭脳の持ち主で、彼の数学の才能は第二次世界大戦中にナチスが使用した暗号を解読する原動力となった。その生涯を記念して、生家に近いパディントンのセント・メアリー・テラス(St Mary’s Terrace)の南端に彼をモチーフにした鉄の像が建てられている。

彼は1952年に重大なわいせつ行為で有罪判決を受けて化学的去勢を受けたが、同じ年に自殺。その後、王室から恩赦を受けている。

The Grapes
The Grapes

ザ グレイプス

イーストロンドンのライムハウスにあるパブ。イギリスの宝ともいえる俳優のイアン・マッケレンは、この美しく狭い店のオーナーの一人である。彼は店の近くに住んでいたので、ここで有名な「俳優」と会うことも難しくなかったというわけだ。

このパブ自体は500年近く営業しており、チャールズ・ディケンズの「わが友よ」にも登場する不朽の名店として知られる。店にディケンズの全集が揃っているので、一杯やりながらその魅力に浸ることもできる。

The Arab Hall at Leighton House
Will Pryce

レイトンハウスのアラブホール

ゲイの男性はインテリアデザインに目がない、という飽き飽きしたステレオタイプの元祖は、フレデリック・レイトン(レイトン卿)かもしれない。この19世紀の芸術家でありコレクターであった彼は、中東の宝物コレクションを自宅に飾っていた。それらは現在は一般公開されている。

芸術界で知られた人物であるにもかかわらず、彼は私的なことは秘密にしていた。プライベートの書簡においてでさえ、彼はセクシュアリティーについては何も語っていない。

Islington South Library
Islington South Library

イズリントン サウス図書館

ジョー・オートンは1960年代の演劇界の「アンファン・テリブル」と呼ばれ、その辛辣(しんらつ)な茶番劇でもてはやされた。しかし、彼と恋人のケネス・ハリウェルは地元の図書館の本を汚したことで悪名高い人物となってしまった。

彼らが暮らしたノエル・ロードのアパート近くにある小さな図書館を訪ねてみるといい。2人はそこで、どちらかといえば辛口の本を借り、そこに無礼な言葉やいたずらなコラージュを書き加えた。ジョーとケネスはこの悪ふざけのために、6カ月間服役した。実際の本の表紙は「イズリントン ローカル ヒストリー センター」で見ることができる。

Admiral Duncan
Camden Fringe/Flickr

アドミラル ダンカン

このフレンドリーで居心地の良いソーホーの名店は、1832年に開店したこの地域で最も古いゲイパブの一つだが、大きく報道されたイギリス最悪の同性愛嫌悪の攻撃の現場としても知られている。1999年4月にネオナチのデイヴィッド・コープランドがくぎ爆弾を仕掛け、3人が死亡、70人が負傷したのだ。

追悼のため、バーにはシャンデリアがつるされ、近くのセント・アンズ・ガーデンにはプレートが掲げられている。このテロ事件は決して忘れ去られてはいない。しかし普段、人々はこの店のオープンドアポリシー、安っぽいジュークボックス、週末のキャバレーイベントに引かれて訪れることが多いようだ。

Highbury Fields
John Levin/Flickr

ハイベリー・フィールズ

1970年11月、警察のおとり捜査に巻き込まれたルイス・イークスの逮捕を受けて、ハイベリー・フィールズで史上初の同性愛者の権利に関する抗議活動が行われた。

ゲイ解放戦線のメンバー100人以上が聖火集会を開催。この抗議行動が、現在イギリス全土で行われている多くのプライドマーチに直接つながったと広く認識されている。

Oscar Wilde statue
Oscar Wilde statue

オスカー・ワイルド像

ストランド大通りから数メートルのところに、ゲイの象徴であり優れたウィットの持ち主であったオスカー・ワイルドを華麗に表現したがある。シアターランドの端であるその立地は、完璧だといえる。というのも、彼の生涯はその文学的才能によって受け入れられたと同時に、彼はその生き方に目をつけられ(当時はゲイであることが違法だった)、法律によって見捨てられたからである。彼は結局、2年間服役し、3年間亡命した。

この像の唯一の欠点は、ワイルドが花こう岩の中に沈んでいるように見えることだが、座って作者と向かい合えるのは素晴らしい。厳密には作者の膝の上に座っているような格好になるのだが……。

Heaven
Photograph: Piers Allardyce

ヘブン

この店が1979年にがオープンするまでは、ゲイのためのヴェニューは地下にあり、小さなものだった。チャリング・クロス駅の地下にある1000人収容のこの巨大なヴェニューは、当時は画期的なものだったといえる。常に大観衆が押し寄せ、ストランド大通りまで行列ができるほどだったという。

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