イラスト:オートモアイ
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日本食が食べたくなる映画10選

『タンポポ』『かもめ食堂』『二郎は鮨の夢を見る』など日本食が食べたくなる映画

Mari Hiratsuka
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Mari Hiratsuka
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寿司やラーメン、カレー、ぜんざいなど日本食はバラエティ豊か。ここでは、空腹感を刺激する映画10作品を紹介する。

2018年1月タイムアウトマガジンから転載、2022年4月15日更新

二郎は鮨の夢を見る(2011年)
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二郎は鮨の夢を見る(2011年)

ミシュラン史上最高齢の三つ星シェフ、小野二郎の人生と仕事を映し出すドキュメンタリー。小野が店主を務める寿司店すきやばし次郎は、カウンター10席のみの高級店だ。

訪れる客に最高のクオリティで寿司を味わってもらいたいという、小野の想いが、丁寧な食材の扱い方や日々の探究心から伝わってくる。カウンターから出される寿司ひとつひとつが宝石のように輝き、映画を観終わった頃には、二郎の寿司を味わうことを夢見る様になるだろう。

海街diary(2015年)
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海街diary(2015年)

映画『海街diary』には、家族や愛、食事、死など、人生のすべてが詰まっている。脚本と監督を務めたのは是枝裕和。何気ないが力強い瞬間に満ちた、魅力的な作品だ。

特に印象深いのは、姉妹が『シラスサンドウィッチ』『アジフライ』『ちくわカレー』など海の幸を食べるシーンである。姉妹の絆の温かみを感じると同時に、なんだか腹も空いてくる。

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かもめ食堂(2006年)
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かもめ食堂(2006年)

日本映画としては初めて、フィンランドで全編撮影された、『かもめ食堂』。本作では、主人公のサチエと地元の人々との心温まる交流を描いている。自身の店で日本人のソウルフード、おにぎりを看板メニューにするのだが、なかなか上手くいかずに奮闘する姿がユーモラスに描かれる。

実際のカフェは、今でもフィンランドの人気観光スポットだ。

家族ゲーム(1983年)
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家族ゲーム(1983年)

森田芳光の代表作『家族ゲーム』は、仕事や学業での成功へのとらわれに対する風刺が利いた映画だ。不条理なユーモアが交じり合い、劇中では家族の食事が不快で、居心地の悪い時間として描かれる。

家族4人が細長いテーブルに横並びに座って、音を立てながら食事をするシーンは、1980年代の家族のフラストレーションを雄弁に物語っている。

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秋刀魚の味(1962年)
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秋刀魚の味(1962年)

小津安二郎の遺作『秋刀魚の味』は、妻に先立たれた初老のサラリーマンと、婚期を迎える娘の心情を繊細に描いた作品。小津作品には常に印象に残る食事シーンが登場するが、本作も例外ではない。

大衆食堂で食事をする場面や、トンカツを食べながら結婚の話をする場面は微笑を誘う。最も胸を打つのは、主人公が京都の夏の風物詩、ハモを初めて口にする場面である。

タンポポ(1985年)
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タンポポ(1985年)

ラーメン、オムライス、チャーハン、北京ダック。伊丹十三の名作コメディ『タンポポ』に次々と登場する料理は、空腹感を誘う。本作は、山崎努が演じるトラック運転手ゴローが傾きかけたラーメン店の再建を手伝う物語だ。食べ物にまつわるサブストーリーが多数詰め込まれており、日本人の食に対する考え方を風刺し、食と性の関係までも描き出している。

ホームレスの男が夜中にレストランに忍び込んでオムライスを作るシーンでは、伊丹本人がレシピを提案。この『タンポポ・オムライス』は、日本橋のたいめいけんで味わうことができる。

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お茶漬けの味(1952年)
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お茶漬けの味(1952年)

映画『麦秋』に続いて小津安二郎が監督した作品。本作では、関心事やライフスタイルが合わない、夫と妻の報われない思いと和解を描いている。妻の妙子はお茶漬けを「庶民の食事」と言い、夫の茂吉が『お茶漬け』を食べることを嫌っていたが、茂吉が海外出張に行ってしまったことで、妙子はやっと茂吉の大切さに気づく。

日本に戻ってきた茂吉と、2人でお茶漬けを食べるシーンから、夫婦は気取らずに打ち解け合うものということが伝わってくる。

74歳のペリカンはパンを売る。(2017年)
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74歳のペリカンはパンを売る。(2017年)

2017年8月にカフェがオープンしたことでも話題の、浅草で70年以上営業する老舗パン屋ペリカンのドキュメンタリー。地元の人々から愛される同店の、昔ながらの職人魂を保とうとする努力を映し出す。2代目の時代からシンプルな食パンとロールパンを販売しており、その味は一貫して変わっていない。

郷愁を誘うパンを、スタイリストの伊藤まさこは絶賛し「日本人が作る日本人のためのパン」だと語る。パン作りの背景を知っていくにつれ、翌朝は早起きしてあの行列に並びたくなるだろう。

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めがね(2007年)
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めがね(2007年)

日々の喧騒(けんそう)から離れてから離れて、肩の力を抜きたいと思ったことはないだろうか。荻上直子(『かもめ食堂』監督) の『めがね』は、鹿児島県与論島が舞台。都会の暮らしに疲れ、「どこか携帯の電波の入らないところへ行きたくなった」タエコを描く。

かき氷を乗せた沖縄風のぜんざいを海辺で食べるシーンや、民宿の宿泊客が1つのテーブルを囲んで朝食を楽しむシーンなど、人とともに味わうごはんの温かさを再確認できる。

南極料理人(2009)
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南極料理人(2009)

海上保安官出身の西村淳のエッセイ『面白南極料理人』を原作とする映画。インスタントラーメンがなくなり悲しむ隊員のために、限られた食材でラーメンを作ったり、伊勢エビをアバンギャルドに調理したりと、料理人の西村が奮闘する様子が描かれる。

次々に登場するユニークな料理に、思わず笑顔がこぼれるだろう。

映画をもっと楽しむなら

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東京の映画館には、おいしい料理が味わえるレストランが併設されたものも多い。ここでは、日替わりシェフの味が楽しめる店や、阿佐ヶ谷のフレンチレストランなど、映画を見るかどうかに関わらず訪れたい店を紹介する。

鑑賞後にゆっくり食事をしながら余韻に浸るのもよし、上映前に軽く食事を済ますのもいいだろう。

一度は行きたいミニシアター5選
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  • インディペンデント系映画館

作品ありきで近所の上映館を探す。目当ての作品を観終えたら、劇場を後にする。そういう使い方もいいが、映画館だってDJバーやブックカフェのように、なんとなく居座ってみたり、訪れること自体を目的にしたり、仲間と入り浸る口実に使えてもいいはずだ。 

本記事では、東京近郊に点在する個性際立つミニシアター5軒を紹介。いずれも、プログラムから上映スタイル、内装まで、独自の営業方針でメッセージを発し、映画を通した人々の交流空間として、新しい映画鑑賞の形を提示している劇場だ。地元住民でない限り行きつけにするには少々遠方だが、小旅行の目的地と思って訪ねてみれば、すてきな出会いが待っているに違いない。

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波の音のBGM、燃えるような夕焼けを眺めながら待ちわびる開幕のブザー、街明かりを背景に観る作品など、野外映画は屋内の映画館とはまた違った映画体験がある。一度は観た作品であっても、全く違う感動が待っていることだろう。

4月中旬からゴールデンウイークにかけて、さまざまな場所で野外映画が上映されている。ここでは、東京近郊に絞って紹介する。ぜひ一度新しい映画体験をしてみてほしい。

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