独立行政法人日本芸術文化振興会 日本博事務局
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食を通して日本の工藝に親しむ「Kogei Dining」が開催

日本博が主催の体験型プロジェクト熱海会場をレポート

作成者: Time Out Tokyo Editors
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2020年12月4日、日本博が手がける『工藝2020-自然と美のかたち』の関連企画として『Kogei Dining静岡県熱海市のMOA美術館で催された。本プログラムは、工藝品を鑑賞するだけでなく、食事会やトークイベントを通じて用の美」を体験できる贅沢な内容となっている。2020年は、石川県金沢市の金城樓、静岡県熱海市の2会場で開催。本記事では、熱海会場の模様をレポートする。

「ニッポンのわざをあじわう。」豪華なトークゲスト

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トークイベントは、MOA美術館館長の内田篤呉がファシリテーターを務め、漆芸家で重要無形文化財『蒔絵(まきえ)』の保持者であり、人間国宝の室瀬和美のあいさつから始まった。続いてToshi Yoroizukaオーナーシェフの鎧塚俊彦、元サッカー選手として活躍後、2020年10月には国立工芸館の名誉館長に就任した中田英寿が登壇した。

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冒頭では、2017年に製作されたドキュメンタリー『蒔絵 室瀬和美 時を超える美』を上映し、「自然に学ぶ」日本の美学について解説。鎧塚俊彦は、神奈川県小田原市に立ち上げた一夜城 Yoroizuka Farmについて展望を述べた。広大な相模湾を一望できるレストランは、パティスリー、ブーランジェリーだけでなく、畑と直売所を備えた地産地消のコラボレーションレストランとなっている。

また2009年から、全国47都道府県をめぐる旅をはじめ、日本文化を発信する事業を多数手がけてきた中田英寿は、自身が代表を務めるJAPAN CRAFT SAKE COMPANYのビジョンから、日本の自然や文化の中で育まれてきた伝統や技術を伝える重要性について語り、トークイベントを締めくくった。 

日本工芸会会員作家18人の作品展示と鑑賞会

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続いて美術館一階の会場では、工芸作家が手がけた杯やぐい呑みなどの食器を披露。さまざまな素材やテーマをもとに作家たちの解説が行われた。陶芸家で日本工芸会正会員、陶芸工房一閑主宰の望月集は、植物をモチーフに探求した作品を展示。温かで優しく、丸いフォルムのぐい呑みには、ウメやツバキの花を通して知った光や時の移ろいが表現されている。

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望月集の作品(独立行政法人日本芸術文化振興会 日本博事務局)

当日は出展作品の販売も実施。光を透過する繊細なフォルムが美しい森岡希世子の作品をはじめ、作品の一部はMOA美術館のオンラインショップ『The Kogei Shop』 から購入できる。

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器と和洋折衷のフルコース

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本イベントのラストを飾る食事会では、鎧塚俊彦によるフレンチと、MOA美術館花の茶屋料理長による和食を合作したフルコースがふるまわれた。食事会で提供される器は、室瀬和美の手がける黒漆椀(わん)や色絵精華皿や茶わんをはじめ、MOA美術館特製の光琳派蒔絵折敷や絵替蒔絵椀などの逸品。目にも舌にもおいしい食事をアシストするのは、中田英寿が自ら選んだ日本酒だ。ここでは『十四代 龍の落とし子 大極上生』『満寿泉 貴醸酒』が用意され、出展作家の作品を2種類使うことができる。

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メインディッシュは鎧塚俊彦による、小田原産の子鹿の雌だけを使った『鹿肉のロティ』や『季節の野菜とトランペット茸の軽い煮込み』など。デザートには、鎧塚俊彦自らが会場で最後の仕上げを手がけた『足柄山モンブラン』を提供。まろやかなマロンクリームと、すっきりと甘い抹茶とほうじ茶のソルベなど、軽やかな食感には各座席からも感嘆の声が上がっていた。

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Kogei Diningはトークイベントや華やかな食事を通して、工藝品を身近に感じることのできるプログラムだ。興味を持った人は、公式ウェブサイトや日本博の取り組みから、伝統工芸の世界に触れてみてほしい。

Kogei Diningの詳細はこちら

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