日本博
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日本博を知る3のこと

全国各地で開催する多様な「日本の美」の祭典

Written by Time Out Tokyo. Paid for by 日本博
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2020年「日本の美」を体現する文化芸術の祭典『日本博』が全国各地で、進行中だ。一口に「日本の美」と言っても、古くは縄文時代の土器や土偶のようにエネルギッシュなものから、深い精神世界を感じさせる枯山水の庭園のようなものまでさまざまにあるが、『日本博』では北海道から沖縄まで各地にわたる多種多様な文化芸術にも注目している

例えば2019年に初めてアイヌ民族が先住民族であると明記した、いわゆる「アイヌ新法」が国会で成立したことは記憶に新しいが、『日本博』ではそれぞれの地域を象徴する文化を工芸や芸能、食、祭りなどを通して紹介する。ユネスコの無形文化遺産に指定された沖縄の伝統芸能、組踊(くみおどり)の公演をはじめ、アイヌ文化の魅力を伝える『アイヌ文化魅力発信プロジェクト~アイヌが歩む。アイヌと歩む。~』は、北海道で間もなくオープンするウポポイ民族象徴空間で行うという点でも見逃せない。

リㇺセ(輪舞)© 株式会社メガ・コミュニケーションズ

1. 日本博の歩み

多様な日本の文化芸術を国内外に発信

『日本博』は、文化庁および独立行政法人日本芸術文化振興会が中心となって展開する大型プロジェクトだ。日本の文化芸術の振興と「日本の美」の発信のため、2015年からさまざまな取り組みが海外で行われてきた。2016年にはイタリアでの『日本仏像展』、2018年にはフランスでの『ジャポニズム2018』2019年にはアメリカと東南アジアで『Japan 2019』が開催され、2019年からは日本の全国各地でこの『日本博』が開催されている。

総合テーマは「日本人と自然」。長い歴史のなかで日本人が育んできた自然に対する美意識に着目し、さまざまな文化芸術を紹介している。

また美術展や舞台芸術公演だけでなく、訪れた人々が参加できる体験型プログラムが充実していることも特徴。そんなプログラムの一つLiving History(生きた歴史体感プログラム)』では、縄文時代の食文化体験や、寛永時代の茶会体験など、さまざまな企画を各地の遺跡・史跡などで提供している。当時の暮らしや歴史を体験することで、文化をより深く理解することができるだろう。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」すみだ北斎美術館蔵
葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」すみだ北斎美術館蔵
葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」すみだ北斎美術館蔵

2. 「日本人と自然」特徴的な8つの分野

「メディア芸術」「食文化・自然」などから日本の美にアプローチ

「日本人と自然」という総合テーマの一例として、日本の絵画作品には、モチーフとして四季折々の自然がしばしば描かれている。

例えば印象派のクロード・モネなど西洋画家たちに大きな影響を与えた浮世絵版画にも、日本人の自然観による表現を見ることができる。葛飾北斎の『富嶽三十六景』には、日本を代表する霊山としてなじみ深い富士山が描かれ、信仰の対象でもあった富士山は、衣装や工芸品などのモチーフとしても使用されてきた。『日本博』が取り上げる「日本の美」とは、このような日本の自然観と美意識に基づいた文化芸術のことだ。

『日本博』では、それらの文化芸術を「美術・文化財」「舞台芸術」「メディア芸術」「食文化・自然」「デザイン・ファッション」「生活文化・文芸・音楽」「共生社会・多文化共生」「被災地復興」の8分野に分類し、それぞれのカテゴリーの中で、歴史的な文化財から現代アート、漫画やアニメまで幅広く扱っている。

「デザイン・ファッション」の分野で注目すべきは、2020年6月から開催される『ファッション イン ジャパン 1945-2020―流行と社会』だ。ここでは、現在の日本のファッションの土台となった明治期以降のファッションを振り返るとともに、ファッションショーなどのイベントも予定されている。また2020年7月からは、新旧国立競技場を手がけた丹下健三、そして隈研吾両名の展覧会の開催もあり、日本の近現代の建築家の軌跡をたどることができる。

「メディア芸術」の分野では、2020年7月からMANGA都市TOKYO ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮2020』を開催。2015年に開催し、タイ、ミャンマーなどの国際巡回を終えた『ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム』展の凱旋展となる。

「舞台芸術」の分野では、能や歌舞伎、舞楽などをはじめとする伝統芸能を紹介。国立文楽劇場では2020年4月中旬から『通し狂言義経千本桜』の開催を予定しており、大阪が誇る伝統芸能の人形浄瑠璃文楽なかでも人気の演目を見ることができる。

ほかにも 「食文化・自然」の分野では、上野の国立博物館で特別展『和食~日本の自然、人々の知恵~』を開催。日本の伝統的な食文化を、4Kやデジタルアートなどの映像演出を用いて伝えている。「生活文化・文芸・音楽」の分野では加賀の4つの温泉(山中、山代、片山津、あわづ)が一体となって、地域の温泉街にある寺を巡る『加賀四湯博2019』など、五感で味わうプログラムも行われていた。

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歌舞伎『菅原伝授手習鑑』―車引― 梅王丸、坂東亀蔵 撮影:木寺紀雄
歌舞伎『菅原伝授手習鑑』―車引― 梅王丸、坂東亀蔵 撮影:木寺紀雄
歌舞伎『菅原伝授手習鑑』―車引― 梅王丸、坂東亀蔵 撮影:木寺紀雄

3. 多様な文化芸術への取り組み

復興する被災地を世界に発信

最後に8つの分野の一つ「被災地復興」のプログラムを取り上げる。岩手県ではファンタスティックいわてと題して、三陸および岩手の伝統芸能の公演や、遠野物語や宮沢賢治の童話などの文芸作品をテーマにしたアニメ作品の上映を行った。

また、東京では『東京シシマイコレクション』と題し、自然と共存してきた日本の民俗芸能である獅子舞を紹介するフォーラムやイベントが開催された。東日本大震災からの復興の道程で、獅子舞・鹿踊り・虎舞などの民俗芸能は一つの役割を担っていた。伝統の力が人々を勇気づけ、心の支えであるとともに、支援を集め、復興をアピールする力を持っていたからだ。

さまざまな分野の文化芸術を取り扱う『日本博』では、このように紹介しきれないほどの催しを行っており、また今後もさまざまな企画を予定している。猛威をふるう新型コロナウイルス感染症の対策もあり、今後開催を予定するプログラムについては延期や未定のものが多いが、これまでを振り返りつつ、事態が落ち着いた暁には全国の開催地へ出かけて豊かな「日本の美」に触れてみてはいかがだろうか。

 ※各事業については、新型コロナウイルス感染症対策を受けて、中止、延期などの可能性があるため、最新情報の詳細は各公式サイトで確認をしてほしい。

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