ニューヨークのクイーンズ区アストリアで大規模再開発が実現か

Shaye Weaver
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Shaye Weaver
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駐車場や倉庫、工場などが立ち並ぶ、ニューヨークのクイーンズ区アストリア地区。この地区の一画が将来、アートとカルチャーの中心地になる可能性がでてきた。約20億ドル(約2,150億円)をかけ、新しいショップやレストラン、数千室ある新しいアパートを備えた複合施設を作る再開発計画が進んでいるのだ。

場所は、セサミストリートの撮影スタジオとして知られるカウフマン・スタジオや映像博物館の周辺。35thと36thアベニューの間、37thから43rdストリートまでの5ブロックだ。この再開発は4社による共同プロジェクトで、不動産デベロッパーのシルバースタイン・プロパティーズ、ベッドロック・リアルエステート・パートナーズ、ODAアーキテクチャー、カウフマン・アストリア・スタジオが協力している。

Patchによると、現在の製造業エリアになっているゾーニングの変更が、市議会と都市計画局により承認されれば、2023年に建設が開始される可能性があるという。再開発が完了後、このエリアはイノベーションQNS(Innovation QNS)と呼ばれ、以下のような機能を持つ予定だ。

・オープンスペース
・アートとカルチャーの交流拠点
・「質の高い」街並み
・小学校(検討段階)
・ショップ、レストラン
・エンターテイメント
・ウェルネスサービス
・2700室におよぶ、さまざまな階層向けのアパート(約700室は恒久的に低価格の部屋、高齢者向けの部屋となる)

クリエーティブ系のスタートアップ、中小企業、非営利団体向けのスペース

・最新設備を備えた映画館
・フルサービスの食料品店

プロジェクトチームによると、イノベーションQNSは単に多くの住宅を提供するだけでなく、良い時代を経験してきたアストリアの一部を若返らせ、何千もの雇用をもたらすプロジェクトになるだろうと述べている。建設中は約3700人、完成後の常時雇用は1700人以上が見込まれ、プロジェクトが創出する雇用は、合計で約5400人にもなる。

また、イノベーションQNSでは、年間5000万ドルの新たな地元支出を創出。スタートアップ、アーティスト、メーカー、非営利団体に貸し出すスペースの価格は、相場より安くなる予定。職業訓練、STEM教育、生涯学習プログラムなどの教育プログラムも提供する。建設期間中は1億1900万ドル、開業後は年間1800万ドルの税収に貢献できるという。

全てが計画通りにいけば、イノベーションQNSは2025年までにオープンする。

シルバースタイン・プロパティーズの会長兼創業者であるラリー・シルバースタインは、「素晴らしいパートナーや地元の関係者と協力し、アストリアを生活の質を向上させる場所として再活性化できる機会にとても興奮しています。これは、この地域に新しく訪れ、買い物を楽しみ、学び、暮らす人たちのためだけではなく、現在周辺に住んでいる全ての人のためのプロジェクトなのです。人々が切実に仕事を必要としている今、このプロジェクトはアストリアとニューヨーク市にとって非常に重要な刺激になるでしょう」と述べた。

また「アストリアは、ニューヨークをいつも定義してきた大胆さと決意を体現している街です。私たちは、決意と野心と創意工夫をもってこの新たな時を迎え、これまで以上に強くなっていきます」と続けている。

クイーンズ商工会議所の会長であるトム・グレッシュは、「提案にある大規模な民間の投資で、経験豊かなこのプロジェクトチームが、クイーンズの住民にも利益をもたらす。私たちのコミュニティーがこの危機からこれまで以上に強く立ち上がるため、スタインウェイ・ストリート沿いにある西クイーンズの経済を活性するこの取り組みを全ての人に応援してほしいと思います」と語った。

原文はこちら

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