失望させて密を防ぐ、埼玉でヒガンバナ500万本切り払う

毎年20万人が訪れる巾着田曼珠沙華公園で満開のシーズン前に

Tabea Greuner
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Tabea Greuner
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あと2、3週間で、鮮烈な赤色が印象的なヒガンバナが満開の季節を迎える。しかし、今年に限ってはそれらを楽しむことはかなわないだろう。新型コロナウイルス感染症の影響で、この花にまつわる多くのイベントや祭事が中止となった。埼玉県の県営権現堂公園巾着田曼珠沙華(きんちゃくだまんじゅしゃげ)公園も例外ではない。

巾着田曼珠沙華公園は、ヒガンバナを見に集まる人が密集するのを避けるために思い切った方策を採用した。公園管理者はヒガンバナが咲く前に、その500万個ものつぼみを切り払うという手段に打って出たのだ。同公園は日本でも指折りの曼珠沙華、つまりヒガンバナの自生地の一つで、例年9月半ばから10月初めには日本全国から20万人もの来園者がある。

Red spider lilies
Photo: Shell_ghostcage/Pixabay

同公園のヒガンバナのイベント準備は、2020年7月に1000個の新たな球根が植え替えられたときにまでさかのぼる。この植え替えは、2019年の記録的な台風ハギビスで公園の一画が被害を受けたために行われたもの。しかし、日高市が園内全てのヒガンバナを切り払うことを決定したため、残念なことにこれらの新しく植え替えられた分の新芽も同様の憂き目にあった。どうか来年には、邪魔が入ることなく生育して満開の花を咲かせてほしい。

悲しい話ではあるが、来園者同士(や新型コロナウイルス感染症から)距離を保つため、花を切り落とすというのは今年に入ってから今回が初めてというわけでもない。4月には千葉県佐倉市で80万本のチューリップが処分され、福岡県八女市では人が来るのを避けるために樹齢600年超の黒木の大藤(おおふじ)の花が全て刈り込まれている。

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