天王洲エリアで、国内のアートシーンを盛り上げるイベント「TENNOZ ART WEEK」が今年も開催される。会場は、「寺田倉庫 G3-6F 」「テラダ アート コンプレックス」「ワット ミュージアム」「ピグモン トーキョー」「ワット カフェ」「ボンデッドギャラリー」の6カ所。2025年9月11日(木)から9月15日(月・祝)まで、エリア全体でアートと出合える。
見どころの一つは、アーティストのナイル・ケティング(Nile Koetting)によるパフォーマティブインスタレーション作品『Blossoms – fulfilment』だ。寺田倉庫の環境に呼応して展開する同作は、サイトスペシフィックの要素を持つ没入型の作品。パフォーマンス・映像・サウンドといった多様なマテリアルを組み合わせて空間全体を異世界に変容させるケティングは、鑑賞する行為そのものをメタ的に問い直す。
また、写実的な表現を用いて絵画の表面の裏側を描き出すことを探究する画家・諏訪敦による、約3年ぶりの大規模個展「諏訪敦|きみはうつくしい」にも注目したい。コロナ禍以降「人間を描きたいという気持ちを失ってしまった」と語る諏訪がアトリエで描き続けてきた「人型」の静物画を通して、彼の人間観が浮かび上がるだろう。
体験イベントも企画されている。東洋美術の伝統的な画材を用いて、江戸時代の絵師の技法が体験できるワークショップは、伝統への理解を深める絶好の機会となるだろう。
そのほか、TERRADA ART COMPLEXに入居するギャラリーとパートナーギャラリーによるグループ展や、新進気鋭の作家3人による展覧会、キュレーターに板橋令子を迎えた約15人のアーティストによる展覧会も開催される。
若手から、伝統的な技法を受け継ぐ作家まで、ジャンルも世代も超えた多彩な表現が一堂に会する5日間。アートに染まる天王洲に、足を運んでみては。
※時間・料金はイベントにより異なる