Photo:Mari Hiratsuka
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野沢温泉でしかできない10のこと

温泉台所やグルメ、岡本太郎など野沢の魅力を紹介

作成者: Mari Hiratsuka
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監修:八尾良太郎

冬の間は日本でも有数の豪雪地としても知られている野沢温泉村。大雪に覆われるこの地に湧き立つ豊かな温泉を発見したのは、聖武天皇(724~748年)時代の僧、行基であるという説がある。また、修行中の山伏が見つけたという諸説もあるが、いずれにせよ、いにしえの時代から温泉地として知られてきたことは間違いない。野沢の温泉は村民の生活と深く関わりながら、地域の共有財産として大切に守られてきたものなのだ。

村を歩いていると感じるのは、どこにいても聞こえる水の音。おいしい湧き水を飲むことができ、13カ所の外湯や伝統的な日本旅館が並ぶ。外湯ご利用の際はお賽銭を入れるのも野沢温泉ならではの文化。近年は若い世代がスタートさせたおしゃれなショップ、移住してきた外国人たちによる国際的な文化の融合などにより、この地に新しい風が吹き込まれている。

大きなチェーン系のホテルやコンビニなどもなく、独特な雰囲気があるのもまた魅力だ。地元民が通う食堂などローカルな店が多く、リゾート価格ではない良心的かつクオリティーの高い食事が楽しめるのも人気の理由。ここでは国内外の旅行客から人気の秘境、野沢温泉でしかできないことを紹介する。

Photo:野沢温泉観光協会/大湯
Photo:野沢温泉観光協会/大湯
Photo:野沢温泉観光協会/大湯

1. まずは13カ所の外湯をめぐる。

野沢温泉での醍醐味(だいごみ)は、何と言っても天然温泉を13カ所の外湯で楽しめることだろう。香りや色、効能はさまざまで、飽きることなく温泉を巡り、心身ともリフレッシュすることができる。

江戸時代から「湯仲間」という制度によって守られてきた野沢温泉村の外湯は、村の人たちの共有財産だ。全て天然温泉100%のかけ流しで、各地域の住民により管理がきちんとなされている。

野沢温泉の外湯はどれも高温。その中でも比較的湯温が低いのが熊の手洗湯だ。ベビーベッドも常設されており、赤ちゃんや子ども連れでも入りやすい。名前の由来はその昔、傷を負った熊がこの温泉で傷を癒したという伝説によるという。効能として、美肌の効果もあるということから女性客の利用も多い。

野沢温泉村の13カ所の外湯には、シャワーなどは付いていない。露天風呂やシャワーブースのある設備の整った温泉に入りたいなら麻釜温泉公園 ふるさとの湯がおすすめ。一般500円、小学生以下300円と有料だが、日帰り温泉をたっぷり楽しむことができるだろう。

シンボル的な存在の「大湯」

大湯(Photo:Mari Hiratsuka)

野沢温泉街の中心にある大湯は村のシンボル的存在で、古くから伝わる温泉文化を感じられる美しい湯屋建築が魅力。人気のフォトスポットにもなっている。

大湯の中には「ぬる湯」と「あつ湯」という2種類の湯船がある。ぬる湯の湯温もかなり熱く、入浴の際は地元の人に相談しながら加水して入ることをおすすめする。

熊の手洗湯
長野県下高井郡野沢温泉村豊郷8955、0269-85-3155(野沢温泉観光協会)
5時00分~23時00分(12~3月は6~23時)
長野県下高井郡野沢温泉村豊郷8734、0269-85-3700
10時00分~20時00分(入館は19時30分まで)/定休日は木曜
大湯
長野県下高井郡野沢温泉村豊郷9328、0269-85-3155(野沢温泉観光協会)
5時00分~23時00分 (12~3月は6~23時)
Photo:野沢温泉観光協会/麻釜
Photo:野沢温泉観光協会/麻釜
Photo:野沢温泉観光協会/麻釜

2. 村人の温泉台所で料理する。

野沢温泉村にある30余りの源泉の一つで、100度近い熱湯を常に湧出している。それぞれの湯釜は大釜、丸釜、ゆで釜、竹のし釜、下釜と名付けられており、その壮大さやアイコニックさも含め野沢温泉村のランドマークの一つ。

麻釜(おがま)という名は、伐り取った麻を湯だまりに浸し、後で皮をむいたという歴史が由来だという。現在でも、住民が特産品のアケビのつるを釜にひたす光景が見かけられる。

温泉に浸すと堅い皮もするりとむけるのは不思議なこと。このような温泉の利用方法も、昔の人々の生活の知恵と言えるだろう。麻釜は「野沢温泉の台所」と称され、地元の人たちがここで山菜や卵をゆでるのに使用している。

定期的に掃除をし、住民が交代できちんと管理を行っていることからも、今でも温泉が生活と密着していることが分かる。このように、温泉を日常生活に取り入れている場所は世界的にも珍しいことだ。

野沢温泉を訪れたなら、ぜひ温泉卵作りにチャレンジしてみてほしい。温泉卵は、卵白と卵黄の熱凝固する際の温度差を利用して作られ、通常の半熟卵とは逆に、卵黄よりも卵白が柔らかい状態なのが特徴だ。70度くらいの温度まで加熱すると、卵黄だけが固まり温泉卵が出来上がる。

麻釜
長野県下高井郡野沢温泉村豊郷8712-1

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AC Photo
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3. 野沢菜を思う存分味わう。

野沢温泉は長野の郷土食、野沢菜漬けの発祥地だ。歴史をたどること約250年。野沢菜の原種を生産する健命寺の口伝によると、当時の8代目住職の晃天園瑞和尚が京都から持ち帰った天王寺蕪の種を、この地で栽培をしたことが始まりだという。

和尚は種を寺の裏の畑にまいたが、株が小さく葉柄が大きい天王寺蕪とは全く違ったものが育ってしまった。寒冷地のこの地で突然変異を起こしたこの蕪こそが、野沢菜のルーツなのだ。 

野沢菜は、株の付け根から拳1、2握りの葉柄の部分がおいしいと言われている。ポピュラーなのはダントツで塩漬けとしょうゆ漬け。野沢菜漬は土産としても人気だが、店によっては味付けも違うので、好みの野沢菜を発見するのも楽しみの一つだろう。

普段は捨ててしまっていた野沢菜の蕪の酢漬けを味わえるレストラン、七良兵衛珈琲も人気ヴェニューの一つなので、足を運んでみるといい。

七良兵衛珈琲
長野県下高井郡野沢温泉村豊郷9254、0269-67-0397

おぼろ月夜の館
おぼろ月夜の館
おぼろ月夜の館

4. 岡本太郎作品と出会う。

野沢温泉村の観光宣伝のイメージロゴとして使われ、一際目を引く「湯」の文字は、『太陽の塔』で知られる岡本太郎がデザインしたものだ。岡本はスキー好きとしても知られ、この地をよく訪れていたという。

生前、46歳から始めたスキーの魅力について「どんな急斜面でも直滑降で滑るのがスキーの醍醐味だ」と語り、この地と深くゆかりがあったことから、野沢温泉村初の名誉村民にもなっている。

温泉村役場前の『野沢の乙女』像のほか、おぼろ月夜の館 斑山文庫にある、「湯」「遊」「火祭り」の書、など、村内では複数の岡本作品と出会うことができる。

商店で販売している『湯タオル』(Photo:Mari Hiratsuka)

村の名所にある集印めぐりをして、10個以上のスタンプを集めると岡本太デザインの『湯タオル』がもらえるので、ぜひ挑戦してみてほしい。集印スポットは27箇所、専用の集印帳は300円。詳細はこちら。 

おぼろ月夜の館 斑山文庫
長野県下高井郡野沢温泉村豊郷9549-6、0269-85-3839
9時00分~17時00分/休館日は月曜

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5. 神社と祭り文化に触れる。

湯沢神社と灯籠祭り

麻釜から少し離れた森の中にある急な100段ほどの石段を登ると、湯沢神社の本殿が現れる。杉の老木に囲まれた境内は質素だが品があり、寺社観光ファンにも人気。境内には「お宮の大欅」と呼ばれる樹齢1000年を超す巨欅(おおけやき)や、松尾芭蕉句碑などの石碑が立ち並ぶ。

湯沢神社の例祭は毎年9月に開催され、灯籠行列や獅子舞など神様たちの行列を関学できる。なかでも天狗の面を被った猿田彦神の舞いは圧巻だ。村中に露店が並び、夜空には豪華な花火が打ち上げられる。

国の重要無形民俗文化財の道祖神祭り

野沢温泉村を歩いていると多く目にするのが、木彫りの道祖神だ。この道祖神は災厄の進入を防ぐ神とされ、村境や民家の入り口などにまつられている。古来より毎年1月13日から15日にわたって開催される道祖神祭りは日本の三大火祭りの一つ。

「火の攻防戦」は迫力満点で、世界でも珍しい全村一致団結の信仰的行事だ。1993年に国の重要無形民俗文化財に指定されている。

湯沢神社
長野県下高井郡野沢温泉村豊郷9620

Photo by Stanley Cheung on Unsplash
Photo by Stanley Cheung on Unsplash
Photo by Stanley Cheung on Unsplash

6. パウダースノーを楽しむ。

野沢温泉スキー場はレベルに合わせた36の豊富なコースがあり、初心者でも気軽にスキーやスノーボードが楽しめる。標高1650メートルの山頂は「JAPOW」と称されるふわふわのパウダースノーが積もることで有名だ。

標高1450メートルから山の尾根を一気に滑り降りることができる全長4.5キロの「スカイラインコース」は見晴らしも良く、信州の美しい景色をパノラマで見ることができる。

国内ではとても珍しい山の形状により、標高が高い位置にあるビギナーコースも人気。例年12月中旬から5月のゴールデンウィークまでの長い期間、最高の雪質が保たれ、大人から子どもまでウインタースポーツを楽しめる数少ないスキー場の一つだ。 

野沢温泉スキー場
長野県下高井郡野沢温泉村豊郷7653、0269-85-3166
11〜5月、8時30分~17時00

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サンアントン
サンアントン
サンアントン

7. グルメタウンならではのメニューを堪能する。

野沢には、モダンダイニングから伝統的な郷土料理までさまざまな食文化が集結している。サンアントンは、元アルペンスキー日本チャンピオン片桐健策が手掛けるレストラン。地元の食材を堪能できる絶品ディナーは予約が取れないほど人気の店だ。カフェも併設しており、土産としてジャムやリンゴジュース、オリジナルグッズの販売もしている。

野沢温泉村出身のオーナー河野克幸と、パティシエの平原孝将による野沢温泉の今の魅力を伝える名店が七良兵衛珈琲だ。こだわりのコーヒーはもちろん、地元の畑で作っている旬で新鮮な野菜を使った料理に、肉料理や魚など栄養バランス良く味わえるのも人気の理由。

野沢温泉村で行列ができる名店といえば新屋看板メニューの『やきとり丼』(800円)はタレの味が染み込んだジューシーな鶏肉がたっぷりの乗った食べ応えのある一品だ。味噌汁と信州名物の野沢菜がセットになって、ボリュームも値段にも満足すること間違いなし。

この地に惚れ込んだオーストラリア人がオープンさせた店も話題を呼んでいる。日本とメルボルンのスタイルをかけあわせたハンバーガーが味わえる元気バーガーや、同じくオーストラリア人がオープンさせたも新しくできたハイエンドなスポット。

宿泊施設としての機能も果たす狸は、1階にカフェレストラン、2階に鉄板焼き、地下にはバーも併設されており、外国人客や地元の若者でにぎわう。

そのほか、絶品イタリアンに定評があるトラットリア ビバッコ(Bivacco)では、上質なワインや絶品の手打ちパスタが楽しめる。ウインタースポーツを満喫した後の一杯がたまらないクラフトビールバー、ザ・クラフト・ルームなどの人気店もおすすめだ。 

トラットリア ビバッコ(Photo:Mari Hiratsuka)

8. スキーの歴史と文化を学ぶ。

1923(大正12)年から続く野沢温泉スキー倶楽部は、過去に16人ものオリンピック代表選手を輩出した。若いうちから世界の各地でさまざまな経験を積んだスキーヤーやスノーボーダーたちが再び野沢温泉村に戻り、この村の文化をさらに進化させているという「人づくり」も魅力の一つ。

日本で唯一のスキー博物館は、日本そして世界のスキーの歴史が分かる珍しいスキー博物館だ。スキーの発祥から今日までの貴重な資料が展示されている。長野冬季オリンピック、パラリンピック関連の資料も閲覧することが可能。

日本スキー博物館
長野県下高井郡野沢温泉村豊郷8270、0269-85-3418
10時00分~16時00分(12月~3月は10時30分~15時)/休館日は木曜

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野沢温泉ロッヂ
野沢温泉ロッヂ
野沢温泉ロッヂ

9. 吉阪隆正の名建築に泊まる。

1969年に建てられた野沢温泉ロッヂは名建築家、吉阪隆正が設計したアイコニックな建築物だ。リノベーションされる前は野沢温泉スキー倶楽部やスキー技術研究のために使用されてきたが、2016年に宿泊施設として生まれ変わった。

現存する吉阪隆正の建築が減少しているなか、貴重なこのロッヂは、ウインタースポーツファンだけでなく、建築好きにも注目されている。

野沢温泉ロッヂ

宿泊者はキッチン付きのコンドミニアムタイプから、2階建てベッドの部屋まで様々な部屋を選択できるのも魅力。家族や友人たちと雪に覆われたゲレンデを眺めたり、新長坂ゴンドラまで徒歩1分の好立地と冬場は人気の宿となっている。

野沢温泉ロッヂ
長野県下高井郡野沢温泉村大字豊郷7812、0269-85-3121

TREE CAMP
TREE CAMP
TREE CAMP

10. 自給自足のキャンプ体験をする。

「さあ、人生を耕そう。」をテーマに2020年から始まった野沢グリーンフィールドは、野沢温泉村の森に位置する贅沢なキャンプ場だ。食とエネルギーを学ぶ自給自足キャンプを展開しており、この村にしかない農村暮らしの素晴らしさを体験できる。

スキー場は夏には畑になり、宿を経営する地域の人々のほとんどが、近くに畑を持ちながら食を自給し、冬の保存食づくりに勤しんで生活している。雪国として知られる野沢温泉村だが、雪のないシーズンにこそ、この村の循環型の暮らしを体験できるチャンスがあると言えるだろう。

1日1組限定の『ツリーキャンプ』は、木々に囲まれたプライベートな空間に宿泊ができる、特別感満載のプラン。無農薬の野菜畑が隣接しており、夏場は収穫した野菜をバーベキューで味わうこともできる。

野沢グリーンフィールド
長野県下高井郡野沢温泉村豊郷9254、090-4161-3134

監修

八尾良太郎

1979年東京生まれ。幼少から新潟県妙高高原関温泉でアルペンスキーを始め、15歳からアメリカ ヴァーモント州にあるストラットンマウンテンスクールにアルペンスキー留学する。広告代理店、外資系クリエイティブエージェンシー、日本コカ コーラ クリエイティブエクセレンス、アメアスポーツ、Netflixを経て現在は全日本スキー連盟 SNOW JAPANクリエイティブディレクター、Antinol/ Lyprinol CMO、野沢温泉ロッヂ運営など、コミュニケーションストラテジー、クリエーティブを中心に担当。

野沢温泉で行われた『LIFE FIRMING CAMP』でも、地元LIFE FIRMERとしてコーディネーターを務める。

公式ウェブサイトはこちら

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