谷中キッテ通りですべき8のこと

一味違うカフェやショップ、ギャラリーが並ぶ、下町の新名所をガイド

作成者: Kunihiro Miki |
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テキスト:藤間紗花
写真:柴崎まどか

新旧さまざまな店が軒を連ねる谷根千エリア。東京の下町を感じられるその風情から、近年では外国人観光客からの人気も高いエリアだ。三崎坂と三浦坂という2つの坂に挟まれた通りが「谷中キッテ通り」と新たに命名されたのは、2017年のこと。

それまでは名もない通りだったものの、さまざまなジャンルの魅力的な店が並んでいることから、店主たちが結束し、人々に親しまれる愛称名を考えることになったという。キッテ通りという名の由来は、通りのシンボルである谷中郵便局にちなみ、人と人を結びつける切手と、多くの人々に遊びに「来て」ほしいという思いを掛け合わせたもの。

「好きこそものの上手なれ」という言葉があるが、キッテ通りに並ぶのは、オーナーのこだわりと「好き」が反映された店ばかり。さまざまなジャンルに特化したプロフェッショナルが、ディープな世界へとあなたを案内してくれる。

レストラン, カフェ・喫茶店

放鳥ルームで癒される。

谷中

鳥のいるカフェ

キッテ通りを歩いているときに鳥の声が聴こえてきたのなら、それはここにいるカフェの元気な鳥たちの鳴き声に違いない。

鳥のいるカフェはその名の通り、フクロウやミミズク、オウムやインコなどの、さまざまな鳥たちに会えるコンセプトカフェ。時間無制限で鳥たちとの触れ合いと、おいしいコーヒーや紅茶、アルコールが楽しめる。

テーブル席からガラス越しに見られる放鳥ルームには、実際に足を踏み入れることも可能。眠たそうにうっとりとまどろむ鳥もいれば、元気に羽ばたいて人々の頭や肩に止まる鳥もいる。自然体でくつろぐ鳥たちの姿に、誰もが魅了されることだろう。 また、1回の来店につき1回のみ、テーブルに鳥たちを呼んで10分程度遊べるサービスもあり。優しく頭をなでたり、おやつを食べさせたり、お気に入りの鳥と心ゆくまで戯れよう。

柴崎まどか
レストラン, カフェ・喫茶店

COUZT SHINBUNを読む。

谷中

コーツトカフェ プラス ショップ

根津駅方面からキッテ通りに入ると、すぐ見えてくるのは青いひさしがまぶしいコーツトカフェ プラス ショップ(COUZT CAFE + SHOP)。こだわりのコーヒーとフードが味わえる、観光客にも近隣に住む常連客にも愛されるカフェだ。

フードメニューには平日夜限定のものもあり、定番メニューのほかに黒板メニューも登場する。金曜の夜限定メニューである逸品『イベリコ豚ローストポーク 焼き立て 厚切り』を求めて足を運ぶ人も少なくない。さらにカフェメニューだけでなく、移り変わる店内の展示や、時折開催されるイベントを楽しみに訪れる人も多い。

今年オープン10周年を迎えた同店では、5年前から毎年『COUZT SHINBUN』を刊行しており、店内のインテリアやメニューの紹介のみならず、谷根千エリアについての情報など幅広く紹介している。また、キッテ通りが命名される以前に「名もない通り」として同所に並ぶ店舗を取り上げたこともあり、後にキッテ通りの店主たちを結ぶきっかけにもなったという。

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柴崎まどか
ショッピング, 書店

猫と北欧に詳しくなる。

谷中

ひるねこBOOKS

「昼寝をする猫のような、のんびりとした心豊かな暮らし」をモットーに、2016年にオープンした書店

オーナー自身がかつて児童書出版社に勤めていた経緯もあり、店内には児童向けの絵本や、オーナーが愛してやまない猫や北欧の本が多く置かれているものの、より多くの人に足を運んでもらいたいという思いから、小説やエッセイ、雑誌や図鑑まで、幅広いラインナップが並んでいる。

古本の買い取りも行っており、近所の人々から提供されるさまざまなジャンルの本が、より一層店内に彩りを与えている。

本のほかにも、北欧雑貨の販売やアートの展示も随時行われている。開催中の展示についてや、毎月の営業情報は事前にSNSでチェックすることをおすすめする。

柴崎まどか
レストラン, カフェ・喫茶店

継承されしスイーツを味わう。

谷中

サクセション

キッテ通りのシンボルである谷中郵便局ほど近く。ガラス張りの店内が異国情緒を感じさせるサクセション(Succession)は、北海道産小麦を使った焼き菓子やパンが味わえるベイクショップ。テイクアウトだけでなく、イートインでカフェタイムを楽しむこともできる。

店名のサクセション(継承)は、「焼き菓子の技術を継承させたい」という思いから付けられたのだそう。徹底的に素材にこだわり、製作工程にも一切手を抜かず作られた焼き菓子は、シンプルでありながらどれも本格的な味が楽しめる。

天然酵母パンを使った『ペッパーハムとカマンベールチーズのチャバッタサンド』は、チーズのコクとモチモチのパンがベストマッチ。デザートには、さっぱりとしたラムレーズンクリームが、バターの味わい豊かなサブレに挟まれた『ラムレーズンサンド』も外せない。

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柴崎まどか
ショッピング, ヴィンテージショップ・古物商

幸福のツバメアイテムを手に入れる。

谷中

ツバメハウス

ツバメハウスは、キッテ通りのほど近く、三崎坂通り沿いに店を構えるビスケット(Biscuit)の姉妹店。店内には、ヨーロッパから輸入した服や雑貨を中心に、メンズ・レディース・キッズと幅広いラインナップが並ぶ。新品のパリッとしたシャツもあれば、ヨーロッパの国々で見つけたビンテージや、アフリカンファブリックを使ったバッグや小物もあり、見ているうちに時が経つのも忘れてしまいそうだ。

古くから商売繁盛や幸福のシンボルとして愛されてきたツバメ。オーナーもかねてツバメモチーフを好んでおり、店内に飾られている小物の中には、オープン以前から所有していたものもあるという。ここで見つけたかわいいアイテムは、きっとあなたの暮らしの中に幸福を運び込んでくれるはずだ。

Gallery Necomachi
柴崎まどか
アート

猫ブーム発祥の地を訪ねる。

谷中

ギャラリー猫町

谷中のキッテ通りを一歩進み、ひっそりとした住宅街を抜けると、猫の像が鎮座するギャラリー猫町の入り口へとたどり着く。写真、絵画、陶芸、彫刻など、幅広い芸術品の展示を行っているものの、扱うモチーフは「猫」オンリーという個性的なギャラリーだ。

同ギャラリーがオープンしたのは今から20年前のこと。住宅街の一軒家をそのまま利用し、生活雑貨でも現代美術でもない「猫的生活美術」をテーマに掲げたギャラリーは、当時多くの人々に衝撃を与えたに違いない。しかしその美しいたたずまいと猫への愛はじわじわと人気を集め、その後、谷根千エリアに巻き起こる猫ブームの火付け役となった。

展示は2週間で入れ替わるが、どれも猫好きにはたまらない内容のものばかり。その愛らしさで人々を癒やすこともあれば、いたずら好きで人々を悩ませることもある、気まぐれな猫たちの魅力にぜひ触れてみてほしい。

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柴崎まどか
ショッピング

ニットは東欧モノにする。

谷中

東欧民芸クリコ

三崎坂を目指してキッテ通りを進んでいくと、住宅街をカラフルに彩る雑貨店へたどり着く。

旅好きなオーナーが「旅の思い出をおすそ分けしたい」と2010年にオープンしたクリコには、ハンガリーやチェコ、ルーマニア、スロバキアなどの東欧諸国を中心に、さまざまな国で掘り出した民芸雑貨や古着が並ぶ。

一歩足を踏み入れれば、刺繍のブラウスやチロルワンピース、レトロな木彫りの人形など、まるで絵本の世界から出てきたようなかわいいモノたちに心奪われること間違いなしだ。

「民芸服も雑貨も、誰でも楽しめるので気負わず取り入れてほしい」とオーナーは語る。毎年冬の始まりには、ドイツやポーランドなどの寒い国から買い付けたニットが並び始めるそう。きたる休日に向けて、異国情緒あふれる装いを準備してはどうだろう。

柴崎まどか

オアフ島の技で解きほぐす。

ポノ

ハワイに古くから伝わる癒やしの技術、ロミロミ。指の力だけを利用する指圧とは違い、手のひらや腕などを使い、施術者の体重を預けながら行うオイルマッサージだ。キッテ通りのとある場所に店を構えるポノ(PONO)では、身体だけでなく、心まで解放されるような優しいロミロミを体験することができる。

施術を行うのは、オアフ島に暮らす師から本場のロミロミを学んだオーナー。風や波打つ海面、ヘリコニアなどの植物の形からインスピレーションを受けたロミロミの動きで、ゆっくりと全身を解きほぐしてくれる。いわく、「施術者がパイプ役となり、お客さまに自然の持つエネルギーを流していく施術でもある」のだそう。

店名のPONOは、ハワイ語で「元の状態」「ありのままの状態」という意味の言葉。忙しい日々の中で変わってしまった重い身体を、ありのままの姿へ導いてくれるはずだ。

なお、住所は公開されておらず、サイトからの予約者のみに詳細情報が届くシステムになっている。

注目エリアを探検する……

ナイトライフ

渋谷百軒店、夜の散歩ガイド

猥雑さと昭和の香りが残る渋谷百軒店は、大人が集う繁華街というイメージをもつ人も多いかもしれない。道玄坂側の入り口にはストリップ劇場や無料案内所が立ち並び、少々近寄りがたい雰囲気を放っている。しかし近年、世代交代した店が増え、新しいカルチャーと昔ながらの老舗が残るユニークなエリアへと進化を遂げつつあるのだ。 そもそも渋谷百軒店は、関東大震災直後に「百貨店」をコンセプトに形成された商店街。その後、1945年の東京大空襲により、街は全焼する。昭和になるとジャズ喫茶やレストラン、テアトルの映画館などが立ち並ぶ飲食街としてにぎわいを取り戻した。ここでは、その名残が感じられる1931(昭和6)年に創業した老舗や、スナックを引き継ぎDJバーとしても営業する店など、アフター5から早朝まで楽しめる百軒店の居酒屋やバー、レストランを紹介する。 関連記事:『夜の門前仲町ガイド』『立石飲み歩き14選』

Things to do

蒲田で過ごす24時間

「虹の都光の港 キネマの天地」の歌い出しで始まる蒲田行進曲。JR蒲田駅ホームでは、このテーマ曲を電車の発車メロディーに使用し、かつては松竹撮影所があった映画の町の歴史を物語っている。戦後は中小の町工場が数多く並ぶ町として知られ、近年では朝ドラ『梅ちゃん先生』の舞台や、映画『シン・ゴジラ』の上陸地として名前を見聞きした人も多いのではないだろうか。 現在は名物の黒湯温泉のほか、餃子やラーメンの激戦区、のんべえにはたまらないセンベロ酒場が並ぶバーボンロードなど、安くて満足のいくグルメスポットとしても人気だ。東京駅から蒲田駅までは快速で20分、羽田空港から京急蒲田駅は15分程度と、交通の便が意外に良いことにも利点がある。 この記事では、朝から深夜まで楽しめるさまざまなヴェニューを紹介する。訪れる際は、蒲田ならではのレトロでドープな文化を存分に楽しんでほしい。

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レストラン

浅草観音裏、ローカルが案内する12軒

浅草駅から浅草寺を抜けた先にある閑静な界隈を、「観音裏」と呼ぶ。かつて花街として栄えたこのエリアには、今は数えるほどになった料亭や、当時の面影を残す建物、当時からの味を代々引き継いできた店などが点在。最近では新たにビストロやカフェがオープンし、下町情緒を感じさせる街に新しい魅力を加えている。今回、飲食店を中心に行くべき12のヴェニューを厳選し案内してくれたのは、観音裏に18年暮らすデザイナーの村手景子だ。「艶がある街」と村手が称する観音裏へと誘おう。

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