1. 手児奈せんべい
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  2. グリル ビクトリヤ
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  3. 根岸たい焼き あんず
    根岸たい焼き あんず
  4. 信濃路 鴬谷店
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鶯谷、ご近所ガイド

日本有数の歓楽街をディープに歩く

Mari Hiratsuka
テキスト:
Mari Hiratsuka
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タイムアウト東京 > ご近所ガイド > 鶯谷、ご近所ガイド

テキスト:長谷川あや

「山手線で最も乗降人数が少ない駅」として知られ、地味なイメージがつきまとう鶯谷駅。しかし、江戸時代から明治にかけては「呉竹の根岸の里」と呼ばれ、多くの文人や画人がこぞって住む別荘地だった。また、その風流な名前は、かつてこの地が鶯(うぐいす)の名所だったことに由来する。山手線内側に目を向ければ、徳川将軍家の菩提寺(ぼだいじ)や寛永寺。この地を愛した俳人の正岡子規ゆかりの子規庵も住宅街の中に溶け込む、文化の香り漂う街なのだ。同時に、日本有数の歓楽街「吉原」の玄関口であり、駅周辺にはレジャーホテルが乱立。ここでは、独自の風景と出合える鴬谷に点在する、魅力的なスポットを紹する。

  • レストラン
  • 鴬谷

根岸たい焼き あんず

元百貨店勤務の主人が定年後(2015年)に開業した、たい焼き屋。主人がアンズ好きのため開発した、たい焼き「あんず」(170円)は、控えめな甘さのつぶあんに、アンズの甘みとほどよい酸味が絶妙に調和する。そのほか、「つぶあん」「カスタード」といった定番や、その2つをあわせた「ミックス」もある(各150円)。たい焼きの腹にアイスクリームが入った、「アイスクリームたい焼き(バニラ・抹茶・アイスチョコ)」(150円)もテンションのあがるメニューだ。販売はしていないが、主人が会社員時代に集めたという酒のミニボトルがぎっしり並ぶショーケースも圧巻。

  • Things to do
  • 入谷

小野照崎神社

852年に上野照埼の地に創建。江戸時代、寛永寺の建立とともに現在の地へと移った。ご祭神は、平安初期に実在した政治家であり「学問、芸能、仕事の神様」である小野篁(おのの・たかむら)。渥美清が無名だった頃、「煙草を断つので役を下さい」と願掛けをしたところ、その直後に映画「男はつらいよ」シリーズの主役に抜擢されたという逸話もあり、芸能人の間でも人気が高い。

境内には富士山から運んだ溶岩で築き上げた「下谷坂本富士」があり、大祓と富士山の開山に合わせた6月30日と7月1日の例祭には一般に開放されている。

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  • 鴬谷

グリル ビクトリヤ

テレビで取り上げられることも多い、1965年創業の洋食店。看板メニューは、ほかではなかなか見かけない「ヒレのしょうが焼き」(1,100円)。おろし金ですりおろした生姜をたっぷりと使用しているのが特徴で、2代目の主人が、先代から受け継いだ味だ。また、厳選された肉を、毎日ひいて作る「手ごねハンバーグ」(950円)もぜひ賞味したい逸品。ふんわりやわらかく、肉の絶妙な甘さが印象的なハンバーグに、1ヶ月以上かけて完成させるという漆黒のデミグラスソースが絶妙に絡み合う。生地から手作りしている「自家製ピザ」(2,100円~)もおすすめ。ジャズが流れる店内で、極上の洋食に舌鼓を。ワインと合わせて、洋食で1杯やるのも悪くない。

  • ナイトライフ
  • 鴬谷

鍵屋

1856(安政3)年に酒屋として創業した、東京を代表する、老舗居酒屋。1949(昭和24)年に酒場としてオープンしてから70年の歴史を持つ。言問通りから一本入った住宅街にたたずむ、木造2階建ての家屋は外観からして風情たっぷり。今なお女性だけの入店は許されていない(男性と同伴なら可)。

日本酒は、「大関」「櫻正宗」「菊正宗」の3種。ぬる燗や熱燗は、銅壺(どうこ)の燗付け器でつけてくれる。 つまみの数は多くはないが、つきだしの煮豆から、その実力の高さを実感すること間違いなし。「とりもつやき」(610円)や「たたみいわし」(740円)、「味噌おでん」(610円)など、派手さはないが、酒好きをときめかせるメニューが揃っているのだ。

名物の「うなぎくりからやき」(570円)は売り切れることもあるので、早目のオーダーが賢明。ちなみに瓶ビールは、ファン垂涎の「赤星」(820円)だ。

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  • 鴬谷

陸奥宗光の別邸

鶯谷にある、都内最古の住宅用洋館のひとつ、陸奥宗光の別邸。白い外観とガラス窓が印象的な洋館は、少し離れた場所からも目を引く。日清戦争の講和条約締結や欧米列強との条約改正など、「カミソリ大臣」とも呼ばれた明治期の外務大臣陸奥宗光(むつ・むねみつ)が、1883(明治16)年に入手し(三井家から献上されたという説もある)、一時期、住まいとしていた。 現在も住居として利用されているので、建物内への立ち入りはできないが、外観だけでも見ごたえあり。2階には外国人外交官を招いてパーティを開いた、20畳以上の大広間があるとか。かつて、鴬谷の鹿鳴館(ろくめいかん)だったこの場所は、子どもたちに、「ホワイトハウス」と言われ親しまれている。

  • ショッピング
  • 鴬谷

手児奈せんべい

鴬谷の住宅地に佇む、創業60年をこえる、手焼き煎餅の店。築100年をこえる建物やガラスケースに入った煎餅が郷愁を誘う。店名は千葉県市川に創業した1号店(現在は閉店)の近くにあった安産の神、手児奈霊堂(てこなれいじんどう)に由来。現在は3代目と、先代の妻の親子が店を切り盛りする。黒ごまがたっぷり入った「ごま煎餅」、甘辛さが後をひく「みそ煎餅」、亀の甲羅をかたどったしょうゆ味の「亀の子」など、多彩なバリエーションに目移り必至。選ぶのが難しければ、まずは詰め合わせから攻めてみては。

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  • クラブ
  • 鴬谷

東京キネマ倶楽部

2000年にイベントホールとして再オープンした、元グランドキャバレー。「大正時代のオペラハウス」をテーマに改装され、開放感のある吹き抜けのステージフロアは、アーティストがライブ会場として利用することも。過去には、サム・スミスやももいろクローバーZが公演を行った。演劇やダンスの公演のほか、さまざまな個性的なイベント、パーティーも開催されている。レトロな雰囲気が漂う空間で、一期一会のエンターテイメントを楽しんで。

  • Things to do
  • 入谷

真源寺

1659年に創建した、雑司ヶ谷の「法明寺」、千葉県市川市の「法華経寺」とともに、江戸三大鬼子母神のひとつに数えられ、安産や子育ての神様として有名だ。「恐れ入る」と地名の「入谷」をかけた、太田屬山人(おおた・しょくさんじん)の狂歌「恐れ入りやの鬼子母神」でもよく知られている。毎年7月6日から3日間、門前と境内で開かれる「入谷朝顔まつり」は東京の夏の風物詩。歌川広重(2代)、歌川豊国(3代)もその様子を浮世絵に描き、正岡子規は「入谷から出る朝顔の車かな」と唄った。また、「下谷七福神」のひとつ福禄寿(ふくろくじゅ)を祀っている。

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  • 鴬谷
  • 価格 1/4

信濃路 鴬谷店

鶯谷駅北口を降りてすぐの場所に店を構える、鶯谷の名物店。24時間、飲めることに加え、メニューの多さも特筆もの。短冊状のメニューがびっしり貼られていて、全制覇はもとより、すべて目を通すだけでも至難の業だ。さくさくの「ハムカツ」(450円)や、蕎麦、ラーメン、スパゲティ、オムライス、煮物、揚げ物などが、勢ぞろい。

「カレーライス」(400円)はルーのみのオーダーも可能だ。どんな時間帯、どんな腹具合のときに行っても、満足させてくれる多彩なラインナップとなっている。一品料理は250円の追加で定食にすることもでき、食堂としての利用もウェルカムだ。

  • ヘルス&ビューティー
  • 鴬谷

萩の湯

約2年間の休業を経て、2017年5月、老朽化したビルを建て替えてリニューアルオープン。都内最大級ともいえる広々としたスペースが自慢だ。3階に男湯、4階に女湯と、フロアごとに男女の浴室が分かれている。さら湯のほか、しゅわしゅわした湯が心地良い炭酸泉や露天の岩風呂、サウナ(別料金)などを設けている。

女湯には、軟水風呂があるほか、塩サウナも用意。男湯には、高温の湯船と大きな水風呂を配した。これだけの施設が、東京地区の銭湯一律料金(大人500円)で楽しめるというのがすごい。

2階の食事処こもれびも銭湯併設の飲食スペースとしては都内屈指の規模だ。皮から手作りというジャンボ焼売など、酒のつまみから麺類や定食、さらには多種多彩なサイダーまで幅広いメニューがラインナップしている。また、エントランスや女湯には、女性ペンキ絵師の田中みずきの手による富士山の絵が描かれている。

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  • コーヒーショップ・喫茶店
  • 鴬谷
  • 価格 2/4

ウエスタン北山珈琲店 ※2022年7月現在は無期限休業中。

まっすぐにコーヒーに向き合いたい人だけが入店を許されるウエスタン北山珈琲店。店の入口には、「事務処理、読書、商談、待ち合せなど、珈琲を飲む為以外でのご利用は固くおことわり」「ご来店後30分程度でお開きにさせて頂いております」と書かれた張り紙が貼られていて、一瞬たじろぐが、勇気を出して入店すれば、裏腹に物腰やわらかなマスターが出迎えてくれる。

1杯3,000円の厳選ブレンドやウエスタンコーヒーのほか、ショットグラスに入った冷たいコーヒーに生クリームを浮かべた「雫」、15年以上の熟成豆をブレンドした珈琲「雅」と「雫」のハーフサイズがセットになった「Bセット」など、気になるメニューがずらり。店では「雫」を半分飲んだあと、ミルクと砂糖をたっぷり入れる飲み方を推奨している。

鴬谷のレジェンドと出会う……

ローカルレジェンド#19 スナックよーかんちゃんオーナー 宮田羊かん
  • ナイトライフ
  • ナイトライフ

「僕がいなくなったら終わる、跡継ぎがいないからね。この店は永遠にあるわけじゃないんだ。クールな話だろ」と、鴬谷のラブホテル街にある会員制のスナックを営むよーかんちゃんこと、宮田羊かんは話し出した。 今年79歳になったよーかんちゃんは、1953年にバックバンドをつけた「音漫才」で知られる宮田洋容(みやたようよう)に弟子入り。その後、松鶴家千とせとコンビを組み、漫才師として活動していた。40歳になった時、表舞台からは遠ざかり、鴬谷に現在のスナックを開いた。「漫才師を辞めたのは、ある意味逃げたんだね。もっと自由にお客さんを楽しませたくなってね」と当時を振り返る。 

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