1. マイア マイア トーキョー
    Photo: Kisa Toyoshima
  2. 小鹿田焼ソノモノ
    Photo: Kisa Toyoshima
  3. カドタ
    Photo: Kisa Toyoshima

東長崎でしかできない5のこと

ローカルコミュニティーに溶け込むような散策をする

テキスト:
Shiori Kotaki
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タイムアウト東京  Things To Do > 東長崎でしかできない5のこと

池袋駅から西武池袋線でたったの5分。現在進行形で街がつくられている東長崎は、これからさらに面白くなること間違いなしのスポットだ。

街をつくるといっても、いわゆる高層ビルを建てまくるようなことをしているのではない。「小さくていい店」がぽつりぽつりと増え、新しいカルチャーを育み、この地に根付く「小さくていい店」と交わり合う。そういう文化的な街づくりだ。

ここでは、東長崎カルチャーのハブ的コーヒーショップや本場のオレッキエッテが味わえる話題のイタリアンレストラン、都内唯一の小鹿田焼専門店などを紹介する。ローカルコミュニティーに溶け込みながら、この地でしかできない体験を存分に楽しんでほしい。

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カドタ

2023年3月にオープンした話題のイタリアンレストラン。東長崎駅北口に降り立つと、道行く人に「こんにちは〜」と声をかけながら「何か」を作っている人を見かけるかもしれない。店のテラス席に腰をかけ、オレッキエッテという耳形のパスタを作っているその人物こそ、「カドタ」の店主・新井直之である。

彼のパスタ作りは、料理の修行をした南イタリアの港町・バーリ流。バーリでは、おばあちゃんたちが家の外にテーブルを出し、そこでパスタを作っている通りがあるのだそうで、パスタ作りがコミュニケーションのツールになることを体感した新井は、自身も営業前にこうやってテラス席で作業をしているのだ。

日本でいう「すいとん」のようにもちもちとしたオレッキエッテは、「Ome Farm」から仕入れた新鮮な野菜とともに旬の一皿となって提供される。イタリア産の素朴な自然派ワインと相性抜群なので、ワインが飲める人はぜひマリアージュで楽しもう。平日でも予約で満席なので、Instagramのダイレクトメッセージのみで受け付けている事前予約は忘れずに。

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小鹿田焼ソノモノ

東京で唯一の「小鹿田焼(おんたやき)」専門店。小鹿田焼とは、日本の原風景が残る大分県日田市の最北部、源栄町皿山で作られている焼き物で、民藝運動をけん引した思想家・柳宗悦に「世界一の民陶」とも絶賛された。同店では現存する9つ全ての窯元の陶器を扱っている。

現在も江戸時代から変わらぬ技法で作られており、一子相伝という形で受け継がれてきたその技術は国の重要無形文化財にも指定。原土の採取や乾燥など、土を作るところから手作業で行われており、その工程一つ一つにも独自のアイデアがあるのだそうだ。

自然の鉱物から作られた釉薬(ゆうやく)ならではの柔らかな色合いや、飛びカンナや刷毛目(はけめ)といった技法で入れる模様など、その特徴はいろいろとあるが、やはり最大の小鹿田焼らしさは「民衆の器」であること。どれも驚くほど手に取りやすい価格であることに加え、素朴なデザインの器はどんな料理も引き立ててくれる。まさに私たちの暮らしにそっと寄り添ってくれる器といえるだろう。

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キッチン長崎

1963年創業の洋食店。幅広くも気取らないメニュー展開やアットホームな雰囲気から、どこかほっとする街の食堂のような居心地の良さがある。

「ポークソティ」に「ハンバーグステーキ」「ミックスフライ」「スパゲッティ」など、壁には魅力的な文字がずらりと並ぶが、どれにしようかと迷ってしまったら「オムライス」をぜひ。同店では2種類のオムライスを提供しているので、昔ながらの固めの卵派もトロトロの卵派も両者仲良く満足できる、まさに愛にあふれた一品なのだ。

強火で手早く炒められたケチャップライスはほんのり香ばしく、どちらをチョイスしても食べ進めるスプーンは止まらない。付け合わせのキュウリの漬物やセットで付いてくる味噌汁にもなんだか心が温かくなる。

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円蔵

駅前のにぎわいから少し離れたところにひっそりとたたずむ、「煮込み 円蔵」と書かれた赤ちょうちんが目印の居酒屋。とろけるような味わいの刺し身をはじめ、一手間加えられた丁寧な料理をリーズナブルに楽しめる、本当は秘密にしておきたい隠れ家的な一軒だ。

例えば、中トロやタコの吸盤など8種類の切り身が2人前盛られた写真の「おまかせ 刺し身盛り合わせ」は2,000円程度(刺し身の価格は時価)。もともとは寿司店を営んでいたという店主と仕入れ先とのつながりがあるからこそ提供できる、フレンドリー過ぎる価格である。

また、店の名物である「もつ煮込み」も忘れずに。白味噌ベースのさらっととした味わいなので、食事の後半でもさっぱりと食べられる一品だ。プラス50円で自家製の辛味噌を付けることも可能。ピリッと刺激がほしい人はぜひ追加してみよう。

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マイア マイア トーキョー

レコードプレーヤーから流れる音楽にわいわいとした話し声……。一見、顔馴染み同士でにぎわっているような雰囲気に尻込みしてしまう人もいるかもしれないが、安心してほしい。意外にもそこにいる全員が初対面同士だったりする。それが「マイア マイア」という場所だ。

国内外のコーヒーシーンに精通した店主のヴォーンとアリソン理恵夫婦が作り上げたこのコーヒーショップは、おいしいコーヒーが飲めるだけでなく、自然とローカルコミュニティーに溶け込めてしまうスポット。誰に対してもフラットな目線で声をかけ、居合わせた人同士を驚くほどスマートにつないでしまうヴォーンの手にかかれば、いつの間にかあなたも「マイア マイア」の住人になっていることだろう。

ここを目指してやってきた人、たまたま迷い込んだ人、店の近所に住む人など、あらゆる人々が交わるこの空間はまさに面白い出会いであふれている。パソコン作業や読書を目的にカフェを利用する人も多いかもしれないが、ここではいったんそれらを閉じて、人との会話を楽しんでみるといい。きっと店を出る頃には不思議とパワーチャージされているはずだ。

ちょっと足を延ばして...

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