奥池袋でしかできない10のこと

くさや料理専門店やこだわりの名曲喫茶、週一営業のカフェなど

テキスト:
Kunihiro Miki
Shiho Ito
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タイムアウト東京 > THINGS TO DO> 奥池袋でしかできない10のこと

「奥○○」という呼称があちこちで使われはじめているが、その特徴は、繁華街から少し外れたエリアにあって良質な店が集まる一角、と言えるだろう。東京ならではの視点だ。

今回取り上げる「奥池袋」は、南池袋から鬼子母神前駅周辺までのエリアを対象にしている。雑居ビルの一室にあるユニークなくさや料理専門のバーや、こだわりの名曲喫茶、使い勝手の良いレストランやビアバーなど、隠れた名店が点在しているのだ。

デートコースに盛り込めば、通に見られること間違いなし。駅前開発が盛りがる池袋を、さらにディープに知る一助にしてほしい。

くさやはショットで飲む。
  • レストラン
  • 池袋

くさやバー

八丈島にある藍ケ江水産が経営する、くさや料理専門のバー。くさやの魅力をもっと多くの人に楽しんでもらいたいという思いから、メニューはほぼ全てくさや料理を提供している。お通しももちろん、くさやチーズをはじめとしたくさや料理だ。初心者は、アンチョビの代わりにくさやが入った『くさやアヒージョ』(1,298円)から食べてみよう。もっとくさやを楽しみたい人は、『青むろ鰺 くさや 一夜干し仕上げ』(1,034円)を注文すれば、VIPルームで自分で焼いて食べることができる。 ドリンクは、40種類もの島の焼酎やIPA COEDOビールなど、くさやと合うものばかり。その中でも何よりインパクトがあるのは『くさやテキーラ』(770円)だろう。最初はその相性を疑ってしまうのも分かるが、試してみるとくさやのうま味とウイスキーの苦味がよく合う。いつもとは違うバーに行ってみたい人に、ぜひおすすめしたい。  

  • レストラン
  • 雑司が谷

ビブリオ. クラシック 珈琲と紅茶

雑司が谷から池袋方面に向かう明治通り沿いにある、膨大なクラシック音楽のアナログレコードコレクションとすばらしいサウンドシステムを備えたカフェ。 内装は、店主自ら手作りしたという味わい深いアンティーク調の家具が並び、窓際にはこれまた店主が自作した巨大なスピーカーが鎮座している。壁一面に並んだ約12000枚レコードを見るに、クラシック音楽マニア向けの店のようだが、気軽に楽しむためのレコードリスト、例えば『のだめカンタービレ』の曲リストが用意されていたり、「今なりたい気分の曲」をテーマにおすすめ曲を選んでくれるなど、初心者でも大いに楽しめる。店主も優しく手解きしてくれるので、遠慮なくリクエストしてみよう。 コーヒーはスペシャルティコーヒーをハンドドリップで、紅茶は専属のティーコーディネータが厳選した茶葉が用意されている。 綿密に構築されているサウンドシステムからは、まるで目の前で楽団が演奏しているような、繊細かつダイナミックな音を楽しむことができる。 カフェ営業時間外は声楽教室を行なっている。また、カフェスペースを貸し切ることも可能で、1936年製ヴィンテージのベヒシュタイン・グランド・ピアノを使って演奏することができる。

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こだわりカレーうどんをすする。
  • レストラン
  • 池袋

うどん処 硯家 南池袋店

こだわりのうどんだけでなく、つまみのメニューが豊富であることでも評判なうどん店。うどんにはモチモチでのどごしがいい無添加の讃岐の麺を使用しており、つゆもうどんに合わせて使い分けている。ランチの人気メニューの一つである『スパイシーカレーうどん』(670円)は、うどんに12種類のスパイスを調合した本格的なカレーがよく絡む。 『きつねコロッケ』(490円)や『だしまき玉子』(440円)などのつまみメニューにも、うどんと同じだしを使っていてうどんとよく合う。日本酒の種類も豊富で、純米と吟醸にこだわった店長厳選の日本酒を飲みに訪れる人もいるそう。うどんを締めに昼から飲める貴重な店だ。

リングはフルオーダーで作る。
  • ショッピング
  • 雑司が谷

アトリエ ジムル

アトリエ ジムル(atelier Geaml)は、鬼子母神へ向かう道中にあるジュエリー工房。2017年から店頭での販売も開始し、シンプルで洗練されたデザインのリングやピアス、ブレスレット、ネックレスが並べられている。1、2ヶ月ほど時間がかかるが、フルオーダー、セミオーダーも可能だ。

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名店で一息つく。
  • レストラン
  • コーヒーショップ・喫茶店
  • 雑司が谷
  • 価格 1/4

キアズマ珈琲

雑司ヶ谷の鬼子母神堂へ向かう石畳の参道沿いにあるコーヒー店。昭和初期に建てられた築80年の長屋「並木ハウス別館」を改装し、2009年にオープンした。すぐ裏手には、手塚治虫が住んでいたという「並木ハウス」がある。同店の魅力は、美味しい自家焙煎のハンドドリップコーヒーやケーキを、居心地のよい空間で味わえること。窓の外には、参道の緑や日の光、静かな足音が感じられ、ここだけ時間の流れ方が違うかのようだ。常連客がゆったりと語らうカウンター席を中心とした1階と、テーブルが並ぶ2階は、吹き抜けでつながり、互いの気配が心地よい。耳に残る店名は「染色体が交叉する結び目の部分」を意味する。時と人が交差する同店にはぴったりの名前だ。 

  • レストラン
  • 雑司が谷

雑司ケ谷かねまる

雑司が谷の落ち着いた路地にある、毎週日曜だけ営業しているカフェ。大正時代からこの地域にあった八百屋の屋号を継ぎ、近所の人がゆっくりした時間を過ごせるようにとオープンした。 ハンドドリップにこだわった『コーヒー』(500円)は、インドネシアのトラジャコーヒーや、ブラジルのシティオ・ダ・トーレーなど、毎月2種類ほどの豆を用意。リンゴ、ミカン、レモン、ショウガなどが入った『コールドプレスジュース』(500円)は、元八百屋らしく、フレッシュでおすすめだ(果物は季節によって変わる)。ガトーショコラやくるみクッキーなど店主おすすめの菓子も置いている。 店主いわく、トーストや果物のハーブティーなども少しずつ準備を進めていくそう。家具や食器にもこだわっているため、気になる人はぜひ話を聞いてみてほしい。古民家を改装した味のある空間で、心休まる時間を過ごしてみては。

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  • アトラクション
  • 宗教的な建物&場所
  • 雑司が谷

鬼子母神堂

雑司ヶ谷霊園近く、今も江戸独特の情緒が残る。江戸初期から、子授け、安産祈願の神社として多くの参詣人を集めた。境内のオオイチョウは樹齢700年といわれる神木だ。都電荒川線『雑司が谷』駅まで続く参道は商店街になっており、週末に『みちくさ市』や『手創り市』が開かれている。

グラポンの正体を知る。
  • レストラン
  • 雑司が谷

ビストロカフェ グラポン

雑司が谷駅から徒歩3分、明治通りに面したビストロカフェ。外観や店内のアートの壁を見ても分かる通り、ポップでキャッチーなお店で誰でも入りやすい。 看板メニューは、店の名前にもなっている『グラポン』(770円)。白グラポンと赤グラポンの2種類あり、カンパーニュの中に、白には牡蠣とキノコのクリーム煮、赤には牛すじ肉の赤ワイン煮込みを詰めてグラタン風に焼き上げている。店主いわく、不思議とどちらも同じくらい人気なのだそう。こだわりのワインとも、もちろんよく合う。『豪州産ハラミステーキ』(1,650円)、『骨付き鴨モモ肉のコンフィ』(1,595円)など肉料理も人気だ。 グラポンを一つずつ頼んで、食べ比べてみるのもいいだろう。さまざまなシチュエーションで訪れることができそうだ。 

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  • バー
  • 池袋

パンプ クラフト ビア バー

目白通りに位置する、スタイリッシュなビールバー。日本、アメリカを中心に、スペイン、イングランドなど世界中のクラフトビールを約10種類提供している。ビールのラインアップは定期的に変わり、新規開栓はFacebookでお知らせされるため、定期的にチェックしたい。 つまみ類もおいしく、平日18時までにビールのパイントサイズを注文すると『フライドオクラ』『ミックスナッツ』『ポテサラ』のどれか一つお通しをサービスしている。また、19時まではビール4種類飲み比べもできるため、早い時間からゆっくり楽しむのがおすすめだ。

ディナーはフレンチにする。
  • レストラン
  • 雑司が谷

レストラン オーボンコワン

雑司が谷駅のすぐ近くでありながら、ゆったりとした雰囲気を持つフランス料理レストラン。コンセプトである「普段着のレストラン」の通り、気取らずとも日常とは少し違う時間を過ごせるようにとオープンした。 店のこだわりは、自家製であること。ソーセージやベーコン、ブイヨンやパスタまで全て手作りにこだわっており、特にバケットが評判だ。羊のソーセージ『メルゲーズ』も、日本ではなかなか手に入らないそうなのでぜひ試してほしい。『下仁田ネギのテリーヌ』は、甘みのあるネギに酸味のあるビーツのビネグレットソースが合い、クルミが良いアクセントになっている。 ディナーはコースのみ提供。『Menu A』(4,600円)では、前菜、主菜、デザートを自分で選ぶことができる。フランス産にこだわった豊富なワインメニューと一緒に楽しんでほしい。

街の奥を歩く……

谷中キッテ通りですべき8のこと
  • Things to do

新旧さまざまな店が軒を連ねる谷根千エリア。東京の下町を感じられるその風情から、近年では外国人観光客からの人気も高いエリアだ。三崎坂と三浦坂という2つの坂に挟まれた通りが「谷中キッテ通り」と新たに命名されたのは、2017年のこと。 それまでは名もない通りだったものの、さまざまなジャンルの魅力的な店が並んでいることから、店主たちが結束し、人々に親しまれる愛称名を考えることになったという。キッテ通りという名の由来は、通りのシンボルである谷中郵便局にちなみ、人と人を結びつける切手と、多くの人々に遊びに「来て」ほしいという思いを掛け合わせたもの。 「好きこそものの上手なれ」という言葉があるが、キッテ通りに並ぶのは、オーナーのこだわりと「好き」が反映された店ばかり。さまざまなジャンルに特化したプロフェッショナルが、ディープな世界へとあなたを案内してくれる。

  • ナイトライフ

猥雑さと昭和の香りが残る渋谷百軒店は、大人が集う繁華街というイメージをもつ人も多いかもしれない。道玄坂側の入り口にはストリップ劇場や無料案内所が立ち並び、少々近寄りがたい雰囲気を放っている。しかし近年、世代交代した店が増え、新しいカルチャーと昔ながらの老舗が残るユニークなエリアへと進化を遂げつつあるのだ。 そもそも渋谷百軒店は、関東大震災直後に「百貨店」をコンセプトに形成された商店街。その後、1945年の東京大空襲により、街は全焼する。昭和になるとジャズ喫茶やレストラン、テアトルの映画館などが立ち並ぶ飲食街としてにぎわいを取り戻した。ここでは、その名残が感じられる1931(昭和6)年に創業した老舗や、スナックを引き継ぎDJバーとしても営業する店など、アフター5から早朝まで楽しめる百軒店の居酒屋やバー、レストランを紹介する。 関連記事:『夜の門前仲町ガイド』『立石飲み歩き14選』

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浅草観音裏、ローカルが案内する12軒
  • レストラン

浅草駅から浅草寺を抜けた先にある閑静な界隈を、「観音裏」と呼ぶ。かつて花街として栄えたこのエリアには、今は数えるほどになった料亭や、当時の面影を残す建物、当時からの味を代々引き継いできた店などが点在。最近では新たにビストロやカフェがオープンし、下町情緒を感じさせる街に新しい魅力を加えている。今回、飲食店を中心に行くべき12のヴェニューを厳選し案内してくれたのは、観音裏に18年暮らすデザイナーの村手景子だ。「艶がある街」と村手が称する観音裏へと誘おう。

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