オランダを楽しめる各地のイベント10選

ミッフィー70周年記念展覧会やゴッホの展覧会、インクルーシブなパフォーマンスイベントなど
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画像提供:オランダ王国大使館 | イントロダンス
Written by Time Out. In partnership with Embassy of the Kingdom of the Netherlands in Japan
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タイムアウト東京 > Things To Do >オランダパビリオン関連イベント10選

ついに開幕した「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」。6カ月間の会期中、オランダパビリオン併設のイベントスペースでは、アーティストやミュージシャン、コンテンポラリーダンサーたちによるイベントやトークショーなど、持続可能な未来を実現するためのヒントとなる多彩なプログラムが企画されている。

夢洲にある万博会場の外でも、各地でオランダに関連するイベントが計画されているので、ぜひ本記事を参考にして興味のあるイベントを見つけてほしい。

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  • Things to do

日蘭交流425年を記念し、両国が長年にわたって築き上げてきた絆を学べる展覧会が「大阪城天守閣」の展示室で開催される。

実は、大阪城が日蘭交流の歴史において重要な舞台であったことはあまり知られていない。1600年、現在の大分県に漂着したオランダの商船リーフデ号は、徳川家康の命によって大阪へと移送されていたのだ。

乗員であったヤン・ヨーステンとウィリアム・アダムスは、家康の外交顧問として迎え入れられ、この出来事は、日蘭関係の始まりとなる大きな転機となり、やがて長崎・出島に「オランダ商館」が建設されることとなった。その後の「鎖国」と呼ばれる時代においてオランダは西洋世界への窓口として重要な役割を果たしたのだ。

同展は、オランダと日本の交流の歴史をもとに制作されたマンガや映像を通じて、子どもや歴史に詳しくない人でも楽しめる内容となっている。さらに、当時の大阪城の地図や書簡、リーフデ号に搭載されていたオリジナルのエラスムス像、輸入品、蘭学の教本や辞書、リーフデ号のレプリカや航海図など、各所から集められた貴重な資料も展示される。歴史愛好家にとっても見応えのある構成だ。

過去から現在へと受け継がれてきた日蘭交流の歴史を、次の世代へとつなげる同展。ぜひ足を運んでみては。

※9~18時(入館は閉館の30分前まで)/料金は1,200円、大学・高校生600円、中学生以下無料

ミッフィー誕生70周年を祝した展覧会が開催。「もっと、もっと、ミッフィー」をテーマに、ミッフィーシリーズの絵本全32作品の原画やスケッチが一堂に会する。

会場では、初来日となる『うさこちゃんおとまりにいく』(1988年)、『うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん』(1996年)の2作品に、『うさこちゃんとたれみみくん』(2006年)を加えた3作品から、特に多くの原画や資料を紹介する。

加えて、作者のディック・ブルーナ(Dick Bruna)がオランダ語で『うさこちゃんとうみ』(1964年)を朗読する映像が20年ぶりに公開。また、アーティストを夢見ていたブルーナの若年期の絵画作品や、彼の父が経営していた出版社のためにデザインしたペーパーバックの装丁やポスターも展示される。デザインの仕事での挑戦が、ミッフィー絵本に与えた影響にも注目だ。

同展は、神戸・大阪・横浜・名古屋へと巡回する。ぜひこの機会に足を運び、ミッフィーとブルーナの70年の歩みを祝おう。

Illustrations Dick Bruna ©️ copyright Mercis bv,1953-2025  www.miffy.com

  • アート

廃校となった小学校を活用した芸術文化施設「京都芸術センター」で、アムステルダム在住のピアニスト兼アーティスト・向井山朋子によるプロジェクト「WE ARE THE HOUSE」が開催される。同プロジェクトは、父権的な家庭環境で暮らす女性たちの見過ごされがちな日常に光を当て、ジェンダー格差や女性の体の在り方について問いかけるものだ。

映像・ワークショップ・音楽・食といった多彩な表現を通して、アーティストと来場者が対話を重ねる中で、個人が自らに課した、あるいは他者から押しつけられた境界線を見つめ直し、自己表現の新たな可能性を探る。なお、本プロジェクトは2024年5月31日(土)から6月7日(土)まで、「京都芸術センター」のほか、「アニュアルギャラリー(ANEWAL Gallery)」「玉龍院」の三会場で展開される。

「神戸文化ホール」と「ロームシアター京都」で、高齢化社会をテーマにしたインクルーシブなパフォーマンス作品が上演される。

作品は、オランダ・アーネムを拠点に障がい者や高齢者と共にダンスを創作するダンスカンパニー・Introdansと、東京を拠点に活動するダンスプロジェクト・LAND FES、そして神戸の貞松・浜田バレエ団による日蘭共同制作によるもの。世代や身体の違いを超えて、年齢や身体的特性の異なる多様なパフォーマーたちが舞台上で共演し、ダンスを通じて社会課題に光を当てる。

作品タイトルの一つ『Unum(ウヌム)』とは、ラテン語で「ひとつ」「団結」を意味する言葉。年齢や障害の有無といった境界を超えた、新たな表現の可能性を目撃してほしい。

  • アート
  • 絵画
  • 上野

フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)が生み出した膨大な数の作品がどのように保管・継承され、現代まで伝えられてきたのか。ゴッホの家族によって受け継がれてきたコレクションに焦点を当てた展覧会が開催される。

会場では、初期から晩年までの代表作を含む30点以上の絵画に加え、日本初公開となる貴重な手紙4通も展示される。これらの作品は、画商として兄フィンセントの活動を支えた弟、テオドルス・ファン・ゴッホ(Theodorus van Gogh)によって管理されていたものだ。

テオの死後、作品の管理を引き継いだのは妻のヨハンナ・ファン・ゴッホ=ボンゲル(Johanna van Gogh-Bonger)。彼女は回顧展の開催や、テオとの往復書簡の出版などを通して、義兄フィンセントの芸術的価値を世に広めることに尽力した。

ヨハンナの死後は、テオとヨハンナの息子であるフィンセント・ウィレム・ファン・ゴッホ(Vincent Willem van Gogh)がコレクションを受け継ぎ、フィンセント・ファン・ゴッホ財団を設立。作品の散逸を防ぎ、その保存と公開に力を注いだ。

ゴッホの芸術は、家族の献身的な努力によって守られ、100年以上を経た今もなお、多くの人々の心を打ち続けている。本展は、作品の魅力だけでなく、それを支えた家族の思いにも触れられる貴重な機会となるだろう。

アムステルダム出身の2人のアーティスト、クリスティアン・バスティアンス(Christiaan Bastiaans)と、ローズマライン・パラント(Roosmarijn Pallandt)によるアートプロジェクトが「瀬戸内国際芸術祭2025」で公開される。

クリスティアン・バスティアンスは、日本の高齢化社会やハンセン病の歴史的体験といった、見過ごされがちな社会問題に取り組むことで知られており、彼は作品を通して、人間の脆さと回復力を深く探求している。

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2003」で発表された『真実のリア王』では、地域の年配者と協働し、「瀬戸内国際芸術祭2019」で公演された『大切な貨物』では、元ハンセン病患者とコラボレーションを行った。

一方、ローズマライン・パラントは、環境の揺らぎがいかにして身体の内的システムに反応し、刻まれていくのかを探求しているアーティストだ。彼女は、世界中の遠隔地に暮らす地域コミュニティと深く関わりながら作品を発展させてきた。

失われたシステムを再構築するのではなく、彼女の実践は、身体そのものを地球の多層的な振動に共鳴する「聴く装置」として再び目覚めさせようとするものである。

今回発表される作品「磁場」は、それらに続く3部作の最終作品となる。「移民」をテーマに、母国を追われて日本に移住してきた人たちへのインタビューをもとに、ローズマライン・パラントとともにインスタレーション作品の制作やパフォーマンスを行う。

  • アート

神戸市立博物館では、阪神・淡路大震災から30年という節目の年に、数々の困難を乗り越え、後世の人々の心を揺さぶる絵画を遺した画家、フィンセント・ファン・ゴッホの展覧会を開催する。会期は2025年9月20日(土)から2026年2月1日(日)まで。

ゴッホは、生前は長らく正当に評価されず、過酷な人生を送ったことで知られている。「生涯で売れた絵はたった1枚」といった逸話もあるが、近年の研究により、実際にはそれほど単純ではなかったことが分かっている。

同展では、ゴッホの才能をいち早く見出した初期の重要なコレクター、ドイツの富豪ヘレーネ・クレラー=ミュラー(Helene Kröller-Müller)に焦点を当てる。彼女は、美術史家の娘の教師の助言を受けながら、ゴッホの作品を体系的に収集した。

ヘレーネが生涯をかけて築いたコレクションを所蔵するオランダの「クレラー=ミュラー美術館」から、『夜のカフェテラス』をはじめとする選りすぐりの作品が来日する。ゴッホの作品と、それを支えた知られざる女性の情熱に触れられるまたとない機会。ぜひ会場に足を運んでみては。

2025年6月21日(土)、オランダ生まれのキャラクター・ミッフィーの誕生日に、ミッフィーをテーマにしたエリアが長崎県の「ハウステンボス」に誕生。コンセプトは、「ミッフィーとなかまたちの憧れの休日」だ。

エリア内には、2つのアトラクションが登場。飛行機やヨットに摸したライドに乗って、ミッフィーと一緒に冒険しよう。また、ヨーロッパの街角にあるアートギャラリーをイメージした「グリーティングギャラリー」では、ミッフィーと出会える特別な体験ができる。

また、カフェやショップでもミッフィーの世界観が堪能できるフードやグッズでミッフィー一色に。カフェでは、キャラクターがあしらわれたオムライスや、パステルカラーのホールケーキも提供するので、特別な1日に訪れるのもいいだろう。

さらに、園内で身につけられる限定グッズも豊富に用意。ディック・ブルーナが描いた絵本の世界観に飛び込んで、思い切り楽しもう。

illustrations Dick Bruna ©︎ copyright Mercis bv, 1953-2025  www.miffy.com

'Miffy and friends' ©︎ copyright Mercis bv, all rights reserved.

ヨーロッパで最も重要なオーケストラの一つとしての地位を確立しているロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の公演が行われる。首席指揮者を務めるのは、楽団史上最年少でロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任したラハフ・シャニ(Lahav Shani)だ。

今回の公演にあたりシャニが選んだのは、ヨハネス・ブラームスの『交響曲第4番』に加え、アントニン・ドヴォルザークの交響曲第9番『新世界より』など。彼の馴染みの作品で客席を喜ばせてくれるだろう。

また、2021年にショパン国際ピアノ・コンクールを優勝したブルース・リウ(Bruce Liu)が奏でるプロコフィエフや、14歳でルツェルン祝祭管弦楽団との共演でヨーロッパデビューを果たした庄司紗矢香のベートーヴェンも見逃せない。

10. Coming soon

もっとオランダについて知りたいなら……

  • Things to do

九州に流れ着いたオランダ船「リーフデ号」の航海士ヤン・ヨーステンが徳川家康と謁見(えっけん)した1600年を原点とし、日蘭交流は425周年を迎えた。

鎖国時代には、出島のオランダ商館での貿易が国内唯一の世界の経済、文化とつなぐ窓口となり、8代将軍徳川吉宗の治める江戶中期には、医学、生物学、天文学などを学ぶ蘭学塾が各所で開かれ、オランダを通じて⻄洋の知識や技術を得るようになった。

今でも各地に残る日蘭交流の軌跡をたずね、歴史をひも解こう。

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ニシンやムール貝、牡蠣などの新鮮なシーフードに加え、酪農が生み出すチーズなど、豊かな食材に恵まれたオランダ。コロッケやワッフルなど、日本でもすっかりおなじみの料理も多い。

17世紀に海運業が発展し、国際的な商業都市として栄えたアムステルダムでは、さまざまな食文化が交わり、独自の調和を生み出した。その柔軟性は日本でも発揮され、伝統を守りながらも、日本の素材や発想を取り入れ進化を遂げている。

今回は、そんなオランダの食文化が感じられるスポットを紹介する。

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  • Things to do

テキスト:Noriko Maniwa

オランダと聞いて思いつくのは、チーズ、風車にチューリップ。そんな風景が目に浮かぶが、現代のオランダはモダンにアップデートされている。

クラブカルチャーやデジタルアートの施設も人気。多様性を尊重し、さまざまな人々や環境に配慮したサービスが充実しているのも特徴だ。国際都市オランダは今もすべての人々に開かれているのだ。

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