オリヒメ

東京をひらくヒト・モノ・コト

多様性豊かな街づくりに向けた最新の取り組み

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in collaboration with 日経マガジンFUTURECITY

1300万人を超える人々が暮らすメガシティ、東京。そこでは日々、街をより良くするためのサービスやプロダクトが生まれ、さまざまな取り組みが続けられている。東京の未来をインスパイアする、重要なファクターの宝庫である。ここでは東京のオープン化を理解するために知っておきたいヒト・モノ・コトを、独自にピックアップして紹介する。

バイオテクノロジーを市民にひらく「BioClub」が東京に生まれた理由

遺伝子改変やクローン技術などに代表されるバイオテクノロジー。実は近年、実験機材の進歩や低価格化により、個人でもバイオテクノロジーに手軽にアクセスできる環境が整いつつある。

「バイオを使って私たちは何ができるのか。バイオを正しく扱うにはどんなルールが必要なのか。そして、バイオがもたらす未来とは何なのか。海外では、そういった事柄を多様な属性の人々がオープンに議論し、新しい視点を模索するコミュニティが既に数多く存在しています。だからこそ、東京にもそのような場所が必要だと考えました」。

そう話すのは、アーティストで東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターの研究員も務めるゲオアグ・トレメル(写真右から2人目)だ。「ITの進歩で世界が一変したように、バイオも世界を変革する可能性を秘めている」と考える彼は、同じ思いを持つクリエイティブ・エージェンシーのロフトワーク代表取締役の林千晶、バイオアーティストの福原志保らとともに「BioClub(バイオクラブ)」を設立した。

20162月には、遺伝子組み換えや微生物を扱う実験が可能なバイオラボも完成。現在は、定期的なワークショップやイベントを通じてバイオに関する知見を共有するほか、ラボでは個々のメンバーが細胞培養から発酵食品作りまでマイペースに実験を続ける。国内外のバイオコミュニティとの交流も盛んだ。

BioClubは技術や知識を学ぶだけの場ではありません。メンバーそれぞれが『生命とは何か』を問い直し、安全かつ次世代に配慮したバイオのあり方を考えることも重要なテーマの一つです。誰もがバイオを学び、安全に楽しむ、そんな場を目指していきたいですね」(トレメル)

BioClub

アートユニットBCLのゲオアグ・トレメル、福原志保、ロフトワーク代表取締役 林千晶らによって設立された東京発のオープン・バイオ・コミュニティ。バイオテクノロジーを体感し、多様な視点から議論する場を目指している。毎週火曜日1900分から、FabCafe MTRLにてオープンミーティングを開催中。http://www.bioclub.org/

医療現場の「言葉の壁」を解消する翻訳デバイスが登場

近年、急増している訪日外国人。医療現場においても外国人患者の受診機会は増え続けており、多言語によるコミュニケーションの支援は大きな課題となっている。そんな中、富士通研究所が20179月、世界初となるウェアラブル型ハンズフリー多言語音声翻訳端末を開発し、大きな注目を集めている。今回開発されたネームプレート型の端末は、端末のマイクを意識することなく自然に会話し、話し手の位置を認識することで言語を識別。日本語からほかの言語、またほかの言語から日本語へ自動翻訳してくれる画期的なツールだ。また、ウェアラブル化を実現したことで、看護など両手がふさがりやすい医療の現場でも負担なく扱え、院内のあらゆる場所で利用できる。端末は、国立研究開発法人情報通信研究機構が開発した翻訳システムを活用。医療専門用語も網羅し、英語、中国語に対応する。今後は全国の医療現場での臨床実験を経て、2018年度中の実用化を目指すという。医療現場の「言葉の壁」解消に期待したい。

分身ロボットが広げる、障がい者就労の可能性

ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの神経難病患者や身体障がい者らにとって、困難の一つが移動だ。学校や職場に行きたくても行けない。部屋の移動に時間がかかってしまう。そんな難題を解決しようと、三鷹市のベンチャー企業オリィ研究所が開発したのが、分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」。2010年の初代機「OriHime-zero-」の発表以来、10機以上を開発してきた。カメラとマイク、スピーカーが搭載されており、行きたい場所に置いておけば、インターネットを通じて映像や音などが伝わり、オリヒメの近くの人と交流できる。精神的理由で学校に行けない子供も、オリヒメを通じて同級生と共に授業を受けられるし、入院中の人も、離れた家族と会話できる。文章を読み上げさせることも可能で、声を出せない人のコミュニケーションの幅も広がる。現在、障がい者の就労支援に取り組む日本財団との協働プロジェクトが進行中。より大型のオリヒメを使い、自宅や病院にいながら、遠隔操作で接客業に携われるサービスモデルの構築に取り組んでいる。

パラスポーツの振興担う最新デジタル技術

障がい者スポーツへの理解を深めてもらおうと、ITベンチャーの110(ワントゥーテン)が、パラリンピック競技「ボッチャ」を体験できるデジタルゲーム「CYBER BOCCIA(サイバーボッチャ)」を開発した。イベントやゲームセンター、飲食店などに設置し、収益の1割を日本ボッチャ協会に寄付、選手強化につなげる狙いだ。ボッチャは2チームに分かれ、赤と青の持ち球を6球ずつ投げ、白い目標球にいかに近づけられるかを争う競技。2016年のリオデジャネイロ大会では、日本が銀メダルを獲得した。サイバーボッチャでは、実際の半分の3メートル×5メートルのコートを使う。センサーで距離や得点を自動計測したり、1球ごとに音楽が変わるなど、テクノロジーを駆使した演出が特徴だ。同社社長の澤邊芳明は「まだパラスポーツの観戦者が増えているとは言えない。エンターテインメントコンテンツの力を使い、市民や企業を巻き込む形で盛り上げたい」と力を込める。老若男女が楽しめ、ボッチャの認知度向上と競技普及への貢献が期待されている。

「みんなのダイバーシティ!」アイディアセッション開催~知り、考え、語り合う!

電通の2020プロデュースセンターと電通ダイバーシティ・ラボが実施した「みんなのダイバーシティ調査」の結果が、『超福祉展2017』11713日)の会場で発表された。この調査は、ダイバーシティを身近に感じるきっかけを提供することを目的に、日常生活における「LGBT」や「障がい者」「高齢者」「外国人」などに関する、生活者の意識と行動を明らかにしたもの。

「外国人の友だちがいますか?欲しいですか?」や「身近な人から、LGBTであるとカミングアウトされたら、受け入れられますか?」「障害のある方を手助けしたとき、相手の満足度は100点満点で何点だったと思いますか?」などの質問に対する、15歳~70代までの978人の解答がまとめられ、来場者が足を止めて結果を見入っていた。詳細は電通プレスリリース「『みんなのダイバーシティ調査』を実施

日経マガジンFUTURECITY第2号から転載

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