東京で人気のドラァグクイーン
Photo: Courtesy of Durian Lollobrigida

東京で人気のドラァグクイーンに会おう

危険でファビュラスで愛すべきドラァグクイーンたちを紹介する。

Emma Steen
テキスト:
Time Out Tokyo Editors
Emma Steen
広告

タイムアウト東京ナイトライフ> 東京で人気のドラァグクイーンに会おう

誰かコツを教えてくれる人がいないと、東京のドラァグクイーンシーンに潜入するのは難しいかもしれない。しかし、ひとたびこの世界のトップのクイーンたちを紹介してもらって、どこでパフォーマンスするかという情報さえ手に入れば、この街はもう自分のものだ。

このリップシンクのプロたちが新宿のステージを圧倒するのを観れば、いつもの日課のシャワーなどどうでも良くなるだろう。一般に信じられているのとは反対で、ドラァグクイーンのショーは、LGBTコミュニティーのためだけのものではない。多彩なクイーンとそのアルターエゴたちが織りなすステージに、誰もが夢中になる資格があるのだ。

関連記事紳士淑女の秘密の夜会、デパHに潜入

そう!クイーンだ!

Shigata Ichikuchi
Photo: Taro Irei

Shigata Ichikuchi

Shigata Ichikuchiの9インチのヒールには多少ひるんでしまうかもしれないが、この歌姫は心温かで、ありえないほどカリスマ的なホストであり、またパフォーマーでもある。GOMA DANGOとともにハウスオヴ外食を立ち上げ、コレクティブの発展に寄与するため、大阪から東京に移ってきた。

Shigataは、以前住んでいたパリで大規模なプライドイベントに熱心に参加しており、国際的なLGBTコミュニティーの結成に心血を注いでいる。頭から爪先まで女王様のレザーコスチュームに身を包んでいようが、豪華絢爛な着物を着ていようが、彼女のステージには彼女を崇拝する取り巻きたちが付きもの。取り巻きたちは彼女に合わせた衣装を着て、扇を振るのだ。

Durian Lollobrigida
Photo: Courtesy of Durian Lollobrigida

Durian Lollobrigida

Durian Lollobrigidaは、彼女のお気に入りのイタリア人女優ジーナ・ロロブリジーダの名字と、想像される通り、果物の王様であるドリアンを合わせた名前。「臭いけどおいしいの」と彼女は冗談めかして言う。このベテランのパフォーマーがドラァグの装いを始めたのは2006年からではあるものの、活動のペースが衰えることはすぐにはないだろう。Durianは、人生への無限の渇望こそが自分の独自性だと考えており、「全部やりたいの!」と言う。「歌いたいし踊りたい、リップシンクもしたいし、ファッションモデルにもなりたい、それに恋だってしたいのよ」

広告
Vera Strondh
Photo: Courtesy of Vera Strondh

Vera Strondh

小さいけれども力強く、そして色っぽいVeraは、あらゆるパーティーにとって花形だ。アリアナ・グランデ風のポニーテールの彼女は、花の髪飾りや真っ赤なサルサドレスのように、ラテンのスタイルを衣装やパフォーマンスに取り入れることで自分のルーツを表現するのが好む。

新宿二丁目の有名なゲイバー、イーグル東京の同僚から励ましを受けて、Veraはドラァグを始めた。ドラァグのペルソナのおかげでより強くたくましくなれたと信じる彼女は、ドラァグによって心の底から自分を受け入れることを学んだ。好きな音楽ジャンルはジャズとヒップホップだが、11年間のダンサー経験を生かして、この危険なショーガールはほとんどどんな音楽にもびっくりするほど素晴らしい振り付けができる。まさにダイナマイトなのだ。

Kosmic Sans
Photo: Courtesy of Kosmic Sans

Kosmic Sans

元グラフィックデザイナーであるKosmic Sansは、ステージネームにタイポグラフィを取り入れたくて、おちゃめなフォントのコミック・サンズにひねりを加えることを選んだ。Kosmicは内向的であることを自覚していたが、東京レインボープライドで1年間皆のためにしたパフォーマンスをどれほど自分自身が楽しんでいたのかに気づいて内気さを克服できた。

ドラァグを競争だと考える人もいるかもしれないが、このクイーンは楽しむためにやっている。イーグル東京やアイソトープラウンジなどの東京の場で定期的にパフォーマンスを行っているが、海外公演のために飛び回っていることでも知られている。台北に1週間、その次はパリだ!

広告
穴野をしる子
Photo: Courtesy of Woshiruko Anano

穴野をしる子

穴野をしる子が、初めて自分のドラァグとしてのペルソナを発見したのは2014年3月のこと。その経験は彼女の人生にとって非常に重要な瞬間であり、その日付を腕のいかりのタトゥーに刻みさえした。彼女もまた、大きな舞台には慣れている。できるだけ多くの観客を楽しませながらもクィアの知名度の向上に取り組むパフォーマンスグループ、GAYSHA GALsのメンバーでもある。

彼女は自分の多様性に誇りを持っている。そのペルソナはかわいさとセクシーさの完璧な融合であり、イベントの趣旨と雰囲気に合わせたパフォーマンスの調整を簡単にやってのけてくれる。

ブラジル生まれ日本育ちの「性教育パフォーマー」を名乗るドラァグクイーン。豊満な尻、青々と生い茂った胸毛。それを笑う者でさえも、いつしか彼女の魅力に吸い込まれていく。

軽快なトークときらびやかな踊りを披露する独特なパフォーマンスで、性教育を表現し、「それを見た人たちに考えるきっかけを与えたい」と日々活動している。SNSでも性教育に関する情報を発信しているので併せてチェックしてほしい。

テキスト:Honoka Yamazaki
関連記事ドラァグクイーンとして体毛を生やす理由「男・女」らしさで遊んで

関連記事

  • LGBT

僧侶、メイクアップアーティスト、またLGBTQ+の当事者であり、自身の体験を踏まえた視点をグローバルに発信する西村宏堂。その波瀾万丈なキャリアは、ミスユニバース大会の舞台裏や、日本で撮影されたNetflixの番組『クィア・アイ in Japan!』スペシャルシリーズでのファブ5とのコラボレーションまで、多岐にわたる。

広告
  • LGBT

クラブイベントには珍しく、参加者の多くが女性というパーティーが渋谷の青山蜂で開催され、話題を集めている。2019年9月13日(金)に4回目の開催を迎える『Wife/WAIFU(ワイフ)』は、「ジェンダー、セクシュアリティ、人種、年齢などにかかわらず、オープンで他者と寄り添う気持ちのあるさまざまな人が安心して楽しめるセーファースペースを、参加者とともに作り上げていくこと」をテーマに据え、トランスジェンダー女性を含めた女性を軽視するような行為、および人種差別的な行動には即刻退場を求めるポリシーを掲げている。

おすすめ
    関連情報
    関連情報
    広告