
東京で人気のドラァグクイーンに会おう
危険でファビュラスで愛すべきドラァグクイーンたちを紹介する。
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誰かコツを教えてくれる人がいないと、東京のドラァグクイーンシーンに潜入するのは難しいかもしれない。しかし、ひとたびこの世界のトップのクイーンたちを紹介してもらって、どこでパフォーマンスするかという情報さえ手に入れば、この街はもう自分のものだ。
このリップシンクのプロたちが新宿のステージを圧倒するのを観れば、いつもの日課のシャワーなどどうでも良くなるだろう。一般に信じられているのとは反対で、ドラァグクイーンのショーは、LGBTコミュニティーのためだけのものではない。多彩なクイーンとそのアルターエゴたちが織りなすステージに、誰もが夢中になる資格があるのだ。
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そう!クイーンだ!


Shigata Ichikuchi
Shigata Ichikuchiの9インチのヒールには多少ひるんでしまうかもしれないが、この歌姫は心温かで、ありえないほどカリスマ的なホストであり、またパフォーマーでもある。GOMA DANGOとともにハウスオヴ外食を立ち上げ、コレクティブの発展に寄与するため、大阪から東京に移ってきた。
Shigataは、以前住んでいたパリで大規模なプライドイベントに熱心に参加しており、国際的なLGBTコミュニティーの結成に心血を注いでいる。頭から爪先まで女王様のレザーコスチュームに身を包んでいようが、豪華絢爛な着物を着ていようが、彼女のステージには彼女を崇拝する取り巻きたちが付きもの。取り巻きたちは彼女に合わせた衣装を着て、扇を振るのだ。


Durian Lollobrigida
Durian Lollobrigidaは、彼女のお気に入りのイタリア人女優ジーナ・ロロブリジーダの名字と、想像される通り、果物の王様であるドリアンを合わせた名前。「臭いけどおいしいの」と彼女は冗談めかして言う。このベテランのパフォーマーがドラァグの装いを始めたのは2006年からではあるものの、活動のペースが衰えることはすぐにはないだろう。Durianは、人生への無限の渇望こそが自分の独自性だと考えており、「全部やりたいの!」と言う。「歌いたいし踊りたい、リップシンクもしたいし、ファッションモデルにもなりたい、それに恋だってしたいのよ」


GOMA DANGO
彼女が好きなデザート(甘いゴマの団子)にちなんで名付けられたGOMA DANGOは何でも屋だ。この巻き毛がイカすMCが一晩に3回以上も衣装を変えるのはほとんど毎回のこと。それぞれの衣装は、彼女のオリジナルのメッセージのネックレスとペアになっている。
GOMA DANGOは、日本語と英語で即興劇を行うグループ、パイレーツ・オブ・東京湾とともにステージでのパフォーマンスを始めた。その後、彼女のコメディーの技術とドラァグクイーンの演技を組み合わせ、新たなタレントたちにパフォーマンスの機会を与える方法として、クィアのコレクティブであるハウスオヴ外食を共同設立。私たちは、ちょっぴりイカれた、愉快で奇妙な彼女を愛さずにはいられない。


Vera Strondh
小さいけれども力強く、そして色っぽいVeraは、あらゆるパーティーにとって花形だ。アリアナ・グランデ風のポニーテールの彼女は、花の髪飾りや真っ赤なサルサドレスのように、ラテンのスタイルを衣装やパフォーマンスに取り入れることで自分のルーツを表現するのが好む。
新宿二丁目の有名なゲイバー、イーグル東京の同僚から励ましを受けて、Veraはドラァグを始めた。ドラァグのペルソナのおかげでより強くたくましくなれたと信じる彼女は、ドラァグによって心の底から自分を受け入れることを学んだ。好きな音楽ジャンルはジャズとヒップホップだが、11年間のダンサー経験を生かして、この危険なショーガールはほとんどどんな音楽にもびっくりするほど素晴らしい振り付けができる。まさにダイナマイトなのだ。


Kosmic Sans
元グラフィックデザイナーであるKosmic Sansは、ステージネームにタイポグラフィを取り入れたくて、おちゃめなフォントのコミック・サンズにひねりを加えることを選んだ。Kosmicは内向的であることを自覚していたが、東京レインボープライドで1年間皆のためにしたパフォーマンスをどれほど自分自身が楽しんでいたのかに気づいて内気さを克服できた。
ドラァグを競争だと考える人もいるかもしれないが、このクイーンは楽しむためにやっている。イーグル東京やアイソトープラウンジなどの東京の場で定期的にパフォーマンスを行っているが、海外公演のために飛び回っていることでも知られている。台北に1週間、その次はパリだ!


穴野をしる子
穴野をしる子が、初めて自分のドラァグとしてのペルソナを発見したのは2014年3月のこと。その経験は彼女の人生にとって非常に重要な瞬間であり、その日付を腕のいかりのタトゥーに刻みさえした。彼女もまた、大きな舞台には慣れている。できるだけ多くの観客を楽しませながらもクィアの知名度の向上に取り組むパフォーマンスグループ、GAYSHA GALsのメンバーでもある。
彼女は自分の多様性に誇りを持っている。そのペルソナはかわいさとセクシーさの完璧な融合であり、イベントの趣旨と雰囲気に合わせたパフォーマンスの調整を簡単にやってのけてくれる。
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