Runa Akahoshi
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YOSHIROTTENの新シリーズ「SUN」、国立競技場での大型展覧会をレポート

コロナ禍に作成された365点の幻想的な銀色の太陽

Mari Hiratsuka
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Runa Akahoshi
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グラフィックアーティストのYOSHIROTTENが2023年4月1〜2日の2日間限定で、コロナ禍が始まった2020年初頭に制作を開始した「SUN」の展覧会を開催。国立競技場の大型車駐車場で2000平方メートルの広大な空間を用い、大型のインスタレーションが展開された。独特な魅力を放つ同展の全貌をレポートする。

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「SUN」とは、NFTやアルミニウムプリント、バイナルレコード、書籍など多岐にわたる手法とメディアで構成されるアートプロジェクトだ。YOSHIROTTENは、コロナ禍に突きつけられた行動制限を創造性に転換するかのように、1日1枚のイメージを1年間描き続けた。365個の銀色の太陽で構成されたそのシリーズは、後に「SUN」と名付けられた。

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展示会の入り口を抜けると、巨大なLEDスクリーンが出迎える。「SUN」シリーズは、自動生成ではなくデジタルツールを使い、手作業で着色されているため、一つ一つ異なる印象を持っている。会場では、スタッフがジョウロやバケツに水をくみ、床にまいていた。初めはなぜだろうと疑問に感じたが、地面に写る作品を見て納得した。水面に映し出された鮮やかな太陽がゆっくりと色を変えていき、息をのむほど美しい。刻々と変わる姿に目を奪われる。

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同フロアには、モノリス型の「SUN」数十体がインスタレーション形式で展示されている。周囲の色彩を反射するため、昼間や夜など時間帯によっても違った魅力を見せる。作品タイトルには、1月1日〜12月31日の日付が冠されている。

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先に進むと、「SUN」を体験するための宿泊型アート施設がコンセプトモデルとなったアートスペース「SUN HOUSE」のイメージムービーが放映。チェックインは24時。深夜から日の出、そして日没まで1日の変化を感じながら滞在を楽しめ、現実世界とメタバースでの建設が構想されている。

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出口手前では、「SUN」のオリジナルグッズの展示と販売がされていた。オリジナルアルミニウムプリントのほか、YOSHIROTTENとともに音楽ユニット「YATT」で活動するTakayuki Isayamaが制作したバイナルレコードなど、幅広い作品を展開する。

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「SUN ACRYLIC MINI MONOLITH」は、アートとカルチャーの世界を築き発信するプラットフォーム「POST-FAKE」とコラボレーションし作成されたアクリル製のミニモノリス。理想の色彩やサイズ感に近づけるため、何度もテストを重ねて制作され、光の入り方で変わる作品の表情が楽しめる。カラーは全部で10種類あるが、少ロットでの生産なので、必ず手に入れたい人は早めにチェックしてほしい。

ファインアートと商業美術、デジタルと身体性、都市のユースカルチャーと自然世界など、複数の領域を往来するアーティストのYOSHIROTTEN。アートの枠にとらわれず作品を生み出し続ける彼の、今後の活躍に目が離せない。

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