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バイオリンの名器「ストラディバリウス」に魅せられた写真家の追悼展が開催中

神奈川県民ホールギャラリーで6月16日まで

テキスト:
Sato Ryuichiro
We Love Stradivari
写真提供:「We Love Stradivari 追悼 横山進一写真展」
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バイオリンの名器「ストラディヴァリウス(Stradivarius)」に魅せられた写真家、横山進一の追悼展「We Love Stradivari 追悼 横山進一写真展」が「神奈川県民ホールギャラリー」で開催されている。会期は2024年6月16日(日)まで。

横山進一(1947〜2023年)は、ストラディヴァリウスの撮影でつとに知られるが、ストラディヴァリウス自体の研究や楽器製作も手がけたユニークな人物だ。当初は日本とアメリカを中心に、楽器に限らず幅広い被写体を対象に商業写真家として活動を始めるが、1970年代からストラディヴァリウスを撮影するようになったという。

ヤッシャ・ハイフェッツ(Yasha Ruvimovich Heifetz)やニコロ・パガニーニ(Niccolò Paganini)らが演奏に使ったストラディヴァリウスは、17世紀イタリアの楽器製作者、アントニオ・ストラディヴァリ(Antonio Stradivari)が中心となって手がけたバイオリンを指し、現在およそ600挺(ちょう)が確認される。横山は世界中を巡り、そのうち100挺以上を実見、撮影したという。

さらには、アメリカの「スミソニアン博物館」やイングランドの「アシュモリアン博物館」などとともに、装飾楽器についての研究を発表したという点も横山の見逃せない功績だ。「The classic bowed stringed instruments from the Smithsonian Institution」(学研、1986年)、「ストラディヴァリウス」(アスキー新書、2008年)などを上梓(じょうし)している。

その写真作品は、これまでにも東京や大阪、ワシントンD.C.などで展示されており、今回の展示では、その中から厳選した作品を中心に取り上げ、写真家としての横山のキャリアを振り返る。また、横山は楽器撮影だけでなく自らも楽器の製作を手がけており、その楽器を愛用する演奏家も少なくない。ストラディヴァリウス、ひいては広く楽器を愛した写真家の足跡をたどってみてほしい。

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