オランダ王室が古城でウクライナ難民を受け入れ

15世紀の城を8家族の滞在先として提供

Ed Cunningham
テキスト:
Ed Cunningham
翻訳:
Time Out Tokyo Editors
広告

2022年2月24日にロシアの侵攻が始まって以来、360万人以上(国連発表)のウクライナ難民が国外に逃れている。今我々にできることの一つは、彼らに安全で快適な滞在場所を提供することだろう。ヨーロッパではすでに多くの人々が、難民を収容するために自分の家を提供している。そのことは本当に称賛に値するが、いくつもの不動産を持つ人など、さらなる支援ができるであろう人は、まだいるといえる。

そうした人たちの先頭に立つのが、オランダ王室だ。オランダ国王であるウィレム=アレクサンダーと王妃の​​マクシマ・ソレギエタは王室の城の一つを、紛争から逃れてきたウクライナ人の8家族に開放すると発表した。受け入れ可能人数は、最大で30人と見込まれる。

難民が滞在するのは、敷地内にある「ヘット・ウーデ・ロー(Het Oude Loo)」と呼ばれる小さな城。15世紀に建てられたもので、アムステルダムから東へ電車で1時間ほど行ったアペルドールンという街にあるヘットロー宮殿の敷地内に立つ。ヘットロー宮殿はオランダの「ベルサイユ」と呼ばれるほど壮大で、普段オランダ王室がカントリーハウスや迎賓館のような形で使用している。

この城は周辺にある城と比べ、そう大きくはないが、それでもかなり特別なものだ。国家遺産に指定されていて、高さもあり豪華。素晴らしい堀に囲まれ、美しい庭園もあり、彫像や池、生け垣の迷路まである。 

Dutch Newsによると、オランダに到着したオランダ人はすでに1万2000人にも及ぶ。国王と王妃だけでなく、約1700ものオランダ家庭がボランティアで難民を受け入れているという。また、国営鉄道会社であるオランダ鉄道(NS)は、紛争から逃れてきたウクライナ人に無料のチケットを提供している。

城に滞在する難民がどのように選ばれるのか、どれくらいの期間滞在できるのかは不明だが、難民を受け入れるということは、誰であろうと寛大で、とてもすてきなことである。オランダ王室の行動は、少なくとも大きな家や資産を持つものが、紛争に巻き込まれた人たちをどのように支援できるのかを示す、良い見本となっている。さてイギリス王室は、どう出るだろうか。

原文はこちら

関連記事

イタリアが「元マフィアの家」をウクライナ難民支援の仮住まいに転用

ウクライナ侵攻のフェイクニュースを確認できるウェブサイトが登場

今すぐウクライナの人々を支援する方法

アルバニアが通り名の変更でウクライナとの連帯を表明

Airbnbがウクライナ人難民に仮住まいを無償提供

東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら

最新ニュース

    広告