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ひな人形のセカンドライフ展、「福よせ雛プロジェクト」が新橋で開催中

各家庭で役目を終えた人形が思い思いの姿へ変身

編集:
Genya Aoki
寄稿::
Kunihiro Miki
「福よせ雛プロジェクト」
Photo: Keisuke Tanigawa
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3月3日はひな祭り、家庭ではひな人形が飾られる季節だ。子どもの成長を見守り、いずれは引退するひな人形たち。そんなひな人形にセカンドライフを与えるユニークな活動が全国に広がっている。名古屋の主婦、吉野孝子とその仲間の主婦たちが2009年に考案した『福よせ雛プロジェクト』だ。

同プロジェクトに自治体として初めて賛同した鳥取県日野郡日野町が、新橋にあるアンテナショップのとっとり・おかやま新橋館で、『福よせ雛 はじめての上京 in とっとり・おかやま新橋館』と題して展示を行っている。 

「福よせ雛プロジェクト」
Photo: Keisuke Tanigawa

『福よせ雛プロジェクト』は各家庭で役目を終えたひな人形を集め、新たな命を吹き込む活動。人形たちがマージャンや「ヲタ芸」、飲み会などにいそしむコミカルな姿を発信し、SNS上でも注目を集めてきた。

「福よせ雛プロジェクト」
Photo: Keisuke Tanigawa

そんな話題を聞きつけて、町おこしイベントにできないかと手を挙げたのが日野町である。日本で最も人口の少ない県である鳥取県だが、1950年代には日野町に約1万人が住んでいた。今では約3000人にまでその数を減らしている。

日野町から打診を受けた吉野は、協力に際して「おひなさんたちに特別住民票を出してほしい」と町に相談。無理だろうと思いつつ、プロジェクトをありきたりな行事にせず「おひなさんたちとの共栄共存」を目指してもらうために条件として提示してみたのだという。

町側の反応は、吉野の予想に反して「OK」だった。日野町の担当者である安達幸博は「いっそ(移住者は)人じゃなくて人形でもいいじゃないか、と」と冗談まじりに振り返る。「このプロジェクトに真剣に取り組むことで、日野町の名前を知ってくれる人が少しでもいれば、町としては一歩前進。現在では町の人口の超える3500体以上の人形が集まっていて、いずれひな人形に町が乗っ取られて『ひな町』なっちゃうんじゃないかな」と笑顔で話す。

「福よせ雛プロジェクト」
住民票発行の受付に並ぶひな人形たち(Photo: Keisuke Tanigawa)
「福よせ雛プロジェクト」
Photo: Keisuke Tanigawa

実際に発行される「お雛様特別住民票」は、人形の元の持ち主に送られる。人形を「処分した」のではなく送り出したのだ、という意識を持ってもらうためだという。

毎年、3月3日を過ぎると人形を引き取ってほしいという問い合わせが増え、年間200体ほどが集まってくるのだそう。現在は倉庫整理のために一時的に引き取りをストップしているというが、年内には再開する予定。日野町がプロジェクトに参加して4年がたち、住民たちもひな人形との共存生活に慣れてきたという。コロナ禍が落ち着けば、国内外の観光客に向けてもアピールしていくつもりだ。

とっとり・おかやま新橋館での展示は2022年3月3日(木)まで。店頭と階段、2階の飲食スペースで飾りを見ることができる。

「福よせ雛プロジェクト」
ひな祭り限定スイーツ(Photo: Keisuke Tanigawa)

このほか、2階のビストロカフェでは、希少な鳥取県オリジナルいちご『とっておき』を使ったひな祭りスイーツ(980円、前日までに要予約)も楽しめる。自分たちの成長を見守ってくれたひな人形たちの新たな生活をのぞいてみては。

『福よせ雛 はじめての上京 in とっとり・おかやま新橋館』の詳細情報はこちら

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