チリのアタカマ砂漠が国立公園化へ

「開発から守るため」と大統領が発表

Ed Cunningham
テキスト:
Ed Cunningham
翻訳:
Time Out Tokyo Editors
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2022年10月初め、チリの大統領であるガブリエル・ボリックは、アタカマ砂漠の広大な土地を国立公園にすることを発表した。今後は、この地域を開発から守り、生態系の研究に資金を提供する予定だという。

アタカマ砂漠は、世界で最も魅力的な場所の一つといえる。地球上で最も日照時間が長く、最も乾燥した無極砂漠であるこの場所は壮大な溶岩地帯、塩田、廃坑、そして、その荒涼とした環境から天文台や星空観測の名所としても知られている。しかし、もう一つ見逃せない、この場所ならではの自然の光景があるのだ。

それは、基本的には「不毛の地」であるにもかかわらず、3~5年に一度見られる見事な花々だ。冬の間に特に激しい雨が降ると、200種以上の植物が砂漠に花を咲かせ、鮮やかな色のカーペットを作り上げる。

しかし残念ながら、自然の驚異に触れられるこの砂漠では昨今、環境活動家とリチウムを採掘する企業との間でいざこざが起きている。電気自動車などの電池に使用されるリチウムの需要が急増しているためだ。

保護される区画の正確な境界線はまだ確定していない。ただ、チリの太平洋岸からアンデス山脈までの間に広がる4万1000平方マイル(約10万6190キロメートル)以上の砂漠全体を保護区とすることはなさそうだ。

アタカマ砂漠は、チリで44番目の国立公園となる。今後の正式な日程は未定だが、アタカマに咲く「奇跡の花」が、タゴニア北部の氷河や中部のブドウ畑などのチリのほかの景観と同じように、後世のために保護される対象になるのはいいことだろう。

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