Spoon
Photo: Kisa Toyoshima

「スプーン1杯の幸せ」を運ぶスパイスカフェが清澄白河にオープン

東京都現代美術館から徒歩5分、木材倉庫跡地に誕生したスプーン

テキスト:
Aya Hasegawa
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2022年2⽉27⽇(⽇)、清澄⽩河にスパイスカフェのスプーン(Spoon)が開店。「スプーン1杯の幸せ」をテーマに、丹念に作り上げたカレーで笑顔と幸せを届ける。

同店を手がけるDimple、は銀座で紹介制ウイスキーボトルバーのえくぼ(EKUBO)と、創作和⾷を提供する別亭 えくぼを経営している。別亭えくぼでは「洋⾵おでん」をメインとする店ながらカレーが絶大な人気を博していて、カレーを軸とした新たなビジネス展開中だ。スプーンのオープンもその一環となる。

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Photo: Kisa Toyoshima

ところで、⻑年⽇本で親しまれてきたルーを使⽤する欧⾵カレーと、昨今ブームとなっている⼩⻨粉を使⽤しないスパイスのみで作られたカレーのどちらが好みだろうか。即答できる人もいれば、どちらも同じくらい好きという人も少なくないはずだ。スプーンでは、1年以上かけて25種類以上のスパイスを使い独⾃のルーを開発。これら2つのカレーを融合した「第3のカレー(Curry3.0)」を作り上げた。

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Photo: Kisa Toyoshima

店頭には常時5つのカレーが並ぶという。レギュラーメニューは、『えくぼカレー』(1,100円)、『幻のフルーツカレー』(1,200円)、『スパイスカレー』(1,300円)の3種。『えくぼカレー』は、洋⾵おでんのだしを使ったひき⾁のキーマカレーで、代表取締役の⾦井佳美は、「ひときわ思い入れの深いカレーです」と笑顔を見せる。野菜からにじみ出ただしと⾁のうま味が凝縮された⾄極の逸品だ。

Spoon
Photo: Kisa Toyoshima

『幻のフルーツカレー』は「これまでの人生で味わったことがない」、それでいて「カレーというカテゴリーにあることは間違いない」エッジのきいたカレーだった。

リンゴ、バナナ、パイナップル、マンゴーなどさまざまなフルーツは丁寧に裏ごしし、余分な繊維などを全て取り除いた後、スパイスと合わせている。フルーツの優しい甘みと、スパイスがこれほど好相性とは驚きだ。

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Photo: Kisa Toyoshima

「スパイスカレー」は、フルーツカレーをベースにさらにスパイスを調合したもの。使用するスパイスは28種類に及び、すべてをペースト状にすることで、うま味を全体になじませた。口に含んだ瞬間は甘いが、後から心地よい辛さが押し寄せてくる。このツンデレ感の繰り返しが癖になりそうだ。

そのほかの2種は定期的に入れ替わるが、オープン時はトロトロになった⽜すじがカレールーに深みとコクを与える『⽜すじカレー』(1,200円)と、⼤⼭鶏と国産野菜がゴロっと⼊った⾷べ応え抜群の『グリーンカレー』(1,200円)がラインアップしている。

店舗は、かつて⽊材倉庫として使われていた場所を改造。天井が⾼く開放感抜群だ。長い間使われていた旧式エレベーターの手動ドアを利用した、個室風の客席もある。なお、テラス席はペット同伴でも利用できる。

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Photo: Kisa Toyoshima

イートインの際に、スプーンを選ばせてくれるのもうれしい。カレーの提供時にデザイン性の優れた複数のスプーンが運ばれてきて、その中から好きなものを選択するという、「スプーン1杯の幸せ」を味わってほしいという同店のコンセプトを体現するような儀式に、カレーへの期待は一気に高まる。

それぞれのカレーに合う、オリジナルカクテルを用意しているのも楽しい。例えば『えくぼカレー』には、スパイスを漬け込んだウオッカをベースに辛口のジンジャエールでアップし、最後にはビールの泡を飾った『ペッパーモスコミュール』(1,180円)がおすすめだという。レモングラスのフレッシュな香りが心地いい、『レモングラスジントニック』(1,180円)も好相性だ。

なるほど、スパイスを使ったカクテルとスパイスを使ったカレー……。相性が悪いわけはない。

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Photo: Kisa Toyoshima

なお、添加物、保存料などを使用しない出来たてのカレーは持ち帰りが可能。ショーケースに並ぶ信楽焼きの容器にはその⽇仕込んだばかりのフレッシュなカレーが入っていて、注文が入ると重量を測り真空パックにして提供する。レトルトではなく「生のカレー」を量り売りで購入できる。

東京都現代美術館から徒歩5分、⽊場公園から徒歩3分。22時まで営業しているのでバー利⽤も可能だ。進化の止まらない清澄白河を象徴するような店が、また一つ誕生した。

スプーンの詳細はこちら

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