香港海洋公園が運営方針を転換、リゾート型観光地へ

リニューアル後は入園料が無料に、園内のウェルネスゾーンの強化も

Tatum Ancheta
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2021年1月中旬に行われた記者会見で、香港海洋公園の事務局長であるラウ・ミンワイは、同公園の運営方針を変更することを発表した。同園は2、3年後、現在のテーマパーク型観光地から、リゾート型観光地として生まれ変わる予定だ。リニューアル後は入園料を無料とし、園内をショッピング、飲食店、エンターテインメントといったカテゴリーでゾーン化。各種アトラクション、ケーブルカー、催し物は有料とするという。

飲食店、エンターテインメントゾーンは、同園が長期間にわたって財政的に持続可能となるよう、外部のサービス業者に運営委託される。事業計画には、周辺の観光施設や開発プロジェクトを巻き込んで、同園が位置する香港市南区地域の自然保全や教育のための活動を行っていくことも含まれている。

具体的に実施が予定されているのは、園内外の在来種や絶滅危惧種の保全、各種プログラムの園内施設での実施、市民の意識を高めたり自然保護活動への参加を促すための活動など。また、すでに2020年にローンチしたウェルネスゾーン(園内や周辺環境を生かしたグランピング、トレッキング、メディテーション、ヨガ施設がある)の強化も実施される。

パンデミックによる一時的な閉鎖のため、香港海洋公園の事業は2020年から苦境に立たされている。この改革を進めて事業が沈没しないようにするため、香港政府はオーシャンパークに16億7,000万香港ドル(約223億4,740万円)の運転資本提供を実施。加えて、リゾード内で行われる自然保全活動と教育プログラムのための資金となる11億2,000万香港ドル(約149億8,700万円)を補助する。

さらにこの夏、園内に新しく、香港初の全天候対応型ウォーターパークがオープンする予定。園内の山腹周辺には南シナ海に面して、階段状にテラスや波打つプールなどが建設される。

ラウは、「市民と政府からの計り知れないサポートに感謝しています。新しい運営モデルにより、今後数年で、園の改善、改革、活性化をすることが可能となりました。新たな方針では環境の保全や保護を促進するという強力な使命とともに、海洋公園を香港の主導的な教育プラットフォームへと前進させていくというビジョンが具体化されています。絶好のロケーションやウォーターワールドのオープンによって、オーシャンパークは(南区の開発プロジェクトである)『躍動港島南』計画の中心的な役割を担うことになると確信しています。事業の持続可能性を実現し、香港に貢献するという約束を守り続けていきます」と述べている。

原文はこちら

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