カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ 《夕日の前に立つ女性》 1818年頃 油彩・カンヴァス フォルクヴァング美術館 © Museum Folkwang, Essen
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ 《夕日の前に立つ女性》 1818年頃 油彩・カンヴァス フォルクヴァング美術館 © Museum Folkwang, Essen

世界遺産の国立西洋美術館リニューアル、記念展示を開催

4月9日から、ル・コルビュジエやリヒターなどの作品公開

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Time Out Tokyo Editors
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館内整備工事のため2020年10月19日から休館していた国立西洋美術館が、2022年4月9日(土)にリニューアルオープンする。1959年に建てられた同館の建物はル・コルビュジエが設計、2016年には世界遺産に指定されており、リニューアル後はデザイン上も大きな意味を持つ前庭の目地、西門の位置や囲障など、創建当時に近づけた姿になるという。

国立西洋美術館
休館前の国立西洋美術館(Photo: National Museum of Western Art, Tokyo)

4月9日からは常設展が再開されるほか、新収蔵版画展やル・コルビュジエ晩年の絵画と素描を紹介する『調和にむかって:ル・コルビュジエ芸術の第二次マシン・エイジ ― 大成建設コレクションより』が開催される。国立西洋美術館はル・コルビュジェの晩年に当たる作品でもあり、まさに同館のリニューアルを飾るにふさわしい展示といえよう。

さらに、6月4日(土)〜9月11日(日)にもリニューアルを記念してドイツ、ノルトライン=ヴェストファーレン州のフォルクヴァング美術館と協力した展覧会『自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで』が開催される。両館のコレクションが一堂に会し、自然と人の対話から生まれた近代の芸術の展開をたどる試みになる。

フォルクヴァング美術館は、国立西洋美術館のコレクションの基礎を築いた松方幸次郎と同時代の人物であるカール・エルンスト・オストハウスの個人コレクションをもとに設立されている。

見どころは、19世紀にドイツで活動したロマン派の画家、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒの有名な作品『夕日の前に立つ女性』。フリードリヒの妻がモデルという見解もあり、風景表現を初め、その意味がさまざまに読み解かれてきた作品でもある。

カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ 《夕日の前に立つ女性》 1818年頃 油彩・カンヴァス フォルクヴァング美術館 © Museum Folkwang, Essen
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ 《夕日の前に立つ女性》 1818年頃 油彩・カンヴァス フォルクヴァング美術館 © Museum Folkwang, Essen

ほかにも、写真を元にしたゲルハルト・リヒターの『雲』、フェルディナント・ホドラー『モンタナ湖から眺めたヴァイスホルン』、アクセリ・ガッレン=カッレラ『ケイテレ湖』といった作品もあり、同じモチーフや同じ構図など自分でポイントを見つけながら比べてみると面白いだろう。

ゲルハルト・リヒター《雲》 1970年 油彩・カンヴァス フォルクヴァング美術館 © Gerhard Richter 2022 (13012022) © Museum Folkwang, Essen
ゲルハルト・リヒター《雲》 1970年 油彩・カンヴァス フォルクヴァング美術館 © Gerhard Richter 2022 (13012022) © Museum Folkwang, Essen
フェルディナント・ホドラー《モンタナ湖から眺めたヴァイスホルン》 1915年 油彩・カンヴァス フォルクヴァング美術館 © Museum Folkwang, Essen
フェルディナント・ホドラー《モンタナ湖から眺めたヴァイスホルン》 1915年 油彩・カンヴァス フォルクヴァング美術館 © Museum Folkwang, Essen
アクセリ・ガッレン=カッレラ《ケイテレ湖》 1906年 油彩・カンヴァス 国立西洋美術館
アクセリ・ガッレン=カッレラ《ケイテレ湖》 1906年 油彩・カンヴァス 国立西洋美術館

特に、フィンランドを代表する画家でありながら、日本ではあまり知られてこなかったアクセリ・ガッレン=カッレラの作品は、日本人には新鮮に感じられるかもしれない。水面に映る景色が船の航跡によってさえぎられているように見えるだけだが、実はガッレン=カッレラが傾倒していた同国の叙事詩「カレワラ」、さらにはロシアに対抗する当時の民族主義的な意識が反映されている解釈する向きもある。

2022年は、往時の姿を取り戻した世界遺産の空間で、ヨーロッパの立派な作品を楽しんでみては。

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