アンビエント京都
Photo: Traffic Inc.

アンビエント・ミュージックの創始者、ブライアン・イーノ日本初の大規模展覧会が開催

開幕は6月3日、この夏は京都で参加型の空間芸術に没入する

テキスト:
Shiori Kotaki
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アンビエント・ミュージックの創始者であり、ヴィジュアル・アートに革命をもたらしたことでも知られる英国出身アーティスト、ブライアン・イーノの大規模展覧会『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』が、2022年6月3日(金)から8月21日(日)まで開催される。舞台は京都。複数の作品が展示される個展は日本初となる。

アンビエント京都
Photo: Traffic Inc.

「ありきたりな日常を手放し、別の世界に身を委ねることで、自分の想像力を自由に発揮することができるのです(ブライアン・イーノ)」

イーノが提唱したアンビエント・ミュージック(環境音楽)とは、音を興味深く聞くことも、ただ聞き流すことも、無視することもできる、リスナーのあらゆる聴き方を受け入れる音楽だ。

本展覧会で作り上げられるのも、まさにアンビエント・ミュージックのように観客の自由な楽しみ方を受容する空間。例えば、『77 Million Paintings』という音と光がシンクロする展示では、複数人で同じ空間を共有していたとしても、入室したタイミングや、部屋のどこにいるかというちょっとした違いで、ほかの誰とも違う体験ができるのだそう。つまり、来場した一人一人が「主体」ということである。

アンビエント京都
2006年、ラフォーレ原宿で世界初展示された『77 Million Paintings』。アップデートを繰り返しながら世界各地を巡回した同作品が、この春、16年ぶりに日本に帰ってくる(Photo: Traffic Inc.)

会場は、築90年の歴史を持つ京都中央信用金庫 旧厚生センター。『77 Million Paintings』のほか、『The Ship』をはじめとした代表的なオーディオインスタレーション作品の展示も予定されている。

アンビエント京都
会場となる京都中央信用金庫 旧厚生センター(Photo: Traffic Inc.)

収益の一部は慈善団体「EarthPercent」に寄付

冒頭で紹介した肩書に加えて、「ポップミュージックにアートを融合させた第一人者」「大衆音楽における音楽の在り方と聴き方の革命を起こした作家」「デヴィット・ボウイやU2、コールドプレイらのヒット作品を手がけた大プロデューサー」といった呼び名を持ち、多才なことでも知られるイーノ。彼は、環境問題をはじめとする社会活動にもいち早く取り組んできた。

アクティビストとしての最近の活動だと、2021年4月に気候変動問題の解決を目的とした慈善団体「EarthPercent」を設立。本イベントで得た収益の一部も同団体に寄付されるとのことだ。

前売りチケット料金は、平日1,800円(学生1,300円、中・高校生800円)、土、日曜、祝日2,000円(学生1,500円、中・高校生1,000円)。当日券はそれぞれ200円増しで、小学生以下は無料となっている。

自分の中に眠っていた何かに出合えそうなこの機会。時代のパイオニアともいえるイーノは、京都という地でどんなメッセージを発するのか。その奥深く、研ぎ澄まされた世界は、ぜひ自分の心と体で体感したい。

『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』の詳しい情報はこちら

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