モンアン マルノウチ
Photo: Midori Yamaoka

福岡で人気の民族料理店「モンアン」が新丸ビルに東京初出店

東京駅舎を望みながら「南インドオムライス」など異国感あふれるメニューを堪能

編集:
Genya Aoki
寄稿:
Midori Yamaoka
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2023年7月26日、「新丸の内ビルディング」の5階にあらゆる民族料理を自由な発想で提供する「モンアン丸の内(Mon an Marunouchi)」がオープンした。福岡で人気を博する「清喜」「餃子おそ松」などを展開する「ライスバード」のエスニック料理店「モンアン(Mon an)」の東京第1号店だ。

モンアン マルノウチ
Photo: Midori Yamaoka

新店舗のコンセプトは「No border Ethnic food」。「エスニック」をアジア料理でなく「民族料理」と捉え、ヨーロッパ、南米、メキシコなど国境を超えたさまざまな土地に根差した料理をランチとディナーで提供する。

ランチのシグネチャーメニューは「南インドオムライス」

同店からスタートしたというランチは、特に注目してほしい。中でも「南インドオムライス」がおすすめだ。なんとビリヤニが包まれているのである。エスニック好きのみならず幅広い客層に楽しんでもらえるように、スパイスを全面的に主張するのではなく、ヨーグルトとクミンを加えた卵で包んでオムライスとして提供。味も見た目も親しみやすく、一つのメニューとして調和している。

モンアン マルノウチ
Photo: Midori Yamaoka「南インドオムライス(プレーン)」とセットの鶏だしのスープ

プレーン(1,250円、以下全て税込み)、ラムキーマ(1,550円)、海老カレー(1,650円)、ビーフステーキ(2,500円)の4種類のソースを用意。提供スピードも早いので、忙しいビジネスパーソンにはぴったりのメニューだ。

モンアン マルノウチ
画像提供:ライスバード

そのほか、フォー(1,100円から)、プレートランチ(1,450円から)なども提供する。土・日曜日と祝日なら、7種類から選べるランチセット(2,100円から)や、エスニックタパスなどもあるので、「昼飲み」するのもいいだろう。

ディナーは必ず「ミャンカム」から始まる

まずは同店のシグネチャー「ミャンカム」(350円)を堪能してほしい。元はタイの宮廷料理だが、そこにモンアン式のアレンジを加えている。大きなエゴマの葉にマンゴーのチャツネ、季節のフルーツ、ナッツ、コリアンダーシード、ココナツファインがきれいにトッピング。添えられた青唐辛子を好みで加え、くるくると巻いて食べるのだ。

モンアン マルノウチ
Photo: Midori Yamaoka「ミャンカム」

ディナーのスターターとして必ず提供されるこのミャンカムは、一口であらゆる食感と風味を感じられ、「これからエスニック料理を食べるぞ」という気持ちにさせてくれる。

等級の枠を超える「木下牛のステーキ」

「木下牛」とは、日本三大和牛の一つ近江牛をルーツに持つ和牛であり、ライスバードが誇りを持って使用している食材だ。この和牛ブランドを作り上げた木下牧場では、牛の一頭一頭の気持ちになり、食べるものや過ごす場所まで徹底的にこだわって育てている。自慢の肉を使った「木下牛ステーキ」(100グラム 3,900円から)に向かってディナーを組み立てていくのが、モンアンのディナーのベストな楽しみ方である。

モンアン マルノウチ
Photo: Midori Yamaoka「木下牛のステーキ」

ステーキは日によって提供される部位が異なるが、取材時は肩ロースだった。サシが程よく入っている部位で、自然ととろける脂身はさっぱりとしており、軽く味わえる。

アルゼンチン発祥の「チミチョリソース」のほか、粒マスタードや薫製塩が添えられている。チミチョリソースは、ビネガーの酸味とパセリの風味が肉のおいしさを一層引き立ててくれる。圧倒的な木下牛のうまみを満喫できる一皿だ。

モンアン マルノウチ
Photo: Midori Yamaoka「海老と春雨のヤムヤムサラダ」

タイ料理で言うヤムウンセンを指す「海老と春雨のヤムヤムサラダ」(1,680円)は、​冷たい前菜から温かい前菜に移行していく際におすすめ。ここでは温かいサラダとして提供している。

ヤムウンセンでは馴染みの赤タマネギやキュウリなど定番野菜に加え、エビ、鶏ひき肉やキクラゲなど数種類の具材を合わせており、食べ応えがある。ミントの風味も心地よいアクセントになっている。

モンアン マルノウチ
画像提供:ライスバード「蟹チャングーロ」

また、ほぐしたカニの身をソースで煮込み香ばしく焼き上げているバスク地方の郷土料理「蟹チャングーロ」(1,650円)も、福岡店では熱烈なファンがいる人気メニューなので、忘れずに。

ドリンクは民族感を意識し、南アフリカ産のピノ・ノワール(グラス1,000円)など、幅広い産地のナチュールワインを取り揃える。

モンアン マルノウチ
Photo: Midori Yamaoka

店内のインテリアもノーボーダーを体現

内観は、アジアやアフリカを感じさせるウッディーで落ち着いたインテリアやエアープランツなど、細部にまでこだわりを感じさせる。壁にはフォトグラファーの山元彩香の作品が配置され、空間に奥深さを演出。一面ガラス張りの店内から東京駅舎を一望できる好ロケーションも最高だ。

モンアン マルノウチ
Photo: Midori Yamaoka店長の樋口結香

カウンター席もあり、一人での利用も楽しめる。「仕事帰りなど気軽にお立ち寄りください」と店長の樋口結香は来客を促す。彼女の心地よい接客を楽しみながらエスニックタパスを楽しむのもいいだろう。なんとも使い勝手の良い店が誕生したものだ。今後の展開にも注目したい。

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