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成人式を迎えた会場が非日常のプロレスエンタメ空間に、マリーゴールド・後藤智香が荒川で凱旋興行

ゴチカの実家「うまいっ処 後とう」が全面バックアップ、区長も出演

テキスト
Ryogo Hashiba
Writer
MARIGOLD SPRING VICTORY SERIES2026
Photo: morookamanabu
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1994年10月26日、後藤智香(以下、ゴチカ)は東京都荒川区で誕生した。3800グラム、今の173センチメートル・85キログラムというプロレスラーとして恵まれた体格になることが約束されていたかのような、大きな赤ちゃんだった。

そのゴチカは、女子プロレス団体「マリーゴールド」が旗揚げした2024年5月から参加し、今や誰もが認める団体の「元気印」となった。最近は「下町の太陽」と呼ばれることもあり、名物コールの「あっちか、こっちか、ゴチカ~!」はどの会場でも観客を温めている。

MARIGOLD SPRING VICTORY SERIES2026
Photo: morookamanabu『Time Out Tokyo vol.3』を持って歓声に応えるゴチカ

そのゴチカの、2度目の荒川区凱旋(がいせん)興行となったのが2026年3月15日に行われた「MARIGOLD SPRING VICTORY SERIES2026」。会場となった「サンパール荒川(荒川区民会館)」の大ホールはシアター形式の会場で、普段はコンサートや演劇が行われている場所だ。

付近には区役所、郵便局、警察署、消防署、そして地域密着の飲食店やクリーニング店など、いわゆる日常生活に必要な施設が並ぶ。そんなゴチカが成人式を迎えた場所に、というか荒川区自体に「プロレスという非日常のエンターテインメント」を運んできたのは、ゴチカが初めてだった。

MARIGOLD SPRING VICTORY SERIES2026
Photo: morookamanabu「うまいっ処 後とう」を営んでいるゴチカの両親が来場者一人一人にノベルティを

ゴチカの実家は、荒川区西尾久にある「うまいっ処 後とう」。こぢんまりとしたたたずまいながら、そのボリュームと味で愛されている唐揚げが名物の居酒屋だ。興行当日は、入り口に「後とう」の暖簾もかけられ、ゴチカの両親が出迎えた。家族・親戚総出でバックアップするというのも、凱旋興行ならではの醍醐味(だいごみ)といえる。

客席には、直筆サインのプレゼントがある「ゴチカシート」も用意。そして、興行の2日前に刊行した、ゴチカと青野未来が表紙を飾った『Time Out Tokyo vol.3』もロビーで配布され、多くの観客が手に取った。

MARIGOLD SPRING VICTORY SERIES2026
Photo: morookamanabu

「学生時代に何度も来たこの会場が一番好き」

この日は全6試合がラインアップされ、ゴチカはメインイベントに登場した。カードは「後藤智香&林下詩美 vs 岩谷麻優&ビクトリア弓月」。「逸材」と呼ばれる林下は旗揚げから2年弱一緒にいる頼れる先輩で、女子プロレス界のアイコン・岩谷と新世代のエース・弓月はゴチカがなかなか勝てない選手である。ゴチカは、どうしても勝ちたい2人を対戦相手に選んだ。

メインまでの試合でも、各選手が得意技を繰り出し、その度に観客からは「すごい!」「痛そう!」という声が上がる。場外乱闘では逃げ惑うシーンもあったが、試合が決まると惜しみない拍手が送られる。

そして迎えたメインイベント。まずは荒川区長の滝口岳が、アントニオ猪木の入場曲「イノキ・ボンバイエ」に乗って入場した。

「皆さん、元気ですか~? 元気があれば何でもできる。ゴチカ選手の凱旋試合第2弾、ご参加いただきありがとうございます。私は毎週金曜日、『後とう』さんのお弁当を市長室で食べております。今日はゴチカ選手が勝ってくれると思いますので、応援しましょう!」とあいさつ。さらには、9月13日(日)に再び同会場で第3弾凱旋興行を行うことを約束した。

主役のゴチカが登場すると、さらに大きな声援が上がる。パートナーの林下も、ガウンの下にゴチカTシャツを着こんでくる用意周到ぶりだ。毎試合に必ず持参する赤いバラは、観客ではなくゴチカに贈られた。そして、対戦相手の岩谷と弓月もTシャツを潜ませて歓迎。「あっちか、こっちか、ゴチカ~!」の大合唱から大量の紙テープが舞ったが、歓迎ムードはここまでだった。

MARIGOLD SPRING VICTORY SERIES2026
Photo: morookamanabu

先発は、もちろんゴチカ。岩谷を指名して序盤こそ優勢に進めるも、岩谷と弓月に捕まった挙げ句、林下にもなぜか攻撃されてしまう。岩谷の強烈なサッカーボールキックを3発も食らい、無防備になった顔面を弓月のドロップキックが襲う。10分近く捕まっていたゴチカだが、得意のヒップアタックを発射し林下にタッチ。ここから林下が奮闘し、ゴチカは体力を回復した。

MARIGOLD SPRING VICTORY SERIES2026
Photo: morookamanabu

ド迫力のドロップキックで弓月をふっ飛ばし、得意のジャイアントスイングは10回転。林下のリクエストで岩谷も10回転させたゴチカは、フラフラになりながらも、その後は一進一退の攻防が繰り広げられる。しかし、弓月のクロスアーム・スープレックス・ホールドでゴチカが3カウントを奪われ、初回に続き今回も凱旋試合を勝利で飾れず(22分41秒)。

MARIGOLD SPRING VICTORY SERIES2026
Photo: morookamanabu

試合後のゴチカは​、下記のように語った。

「(サンパール荒川は)学生時代には芸術鑑賞会を見に来たり、合唱コンクールをやったりした場所でもあり、大げさかもしれないですけどここで育ったようなもの。実はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の鈴木誠也とも、一緒に成人式をした場所なんです。なので、一番好きな会場ですね。私、引退興行もここかなと思っていますし(笑)。家族全員が協力してくれてうれしかったです。マリーゴールドで、もっともっと頑張ります! ありがとうございました」

MARIGOLD SPRING VICTORY SERIES2026
Photo: morookamanabu

やはり、思い出がたくさんある故郷での試合は格別なのだろう。それはゴチカ以外の選手たちが、異口同音に「凱旋興行っていいですね」とコメントしたことからも分かるだろう。

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Photo: morookamanabu

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