台湾出身のリウェイ(李維軒)による、4店舗目となるカフェ&バー「LIWEI TOKYO(リウェイ トーキョー)」が新富町にオープンした。リウェイは、ラテアートの技術を競うバリスタの選手権大会で数々の受賞歴を持ち、2022年に大阪で開催された「フリーポアー・ラテアート・グランプリ2022」で優勝を果たした後、一気にその名を馳せた人物だ。
2020年に1店舗目となるカフェ「LIWEI COFFEE STAND(リウェイ コーヒー スタンド)」を高田馬場にオープンさせ、これまで新宿御苑「アジュラ」、日本橋「Goldenhood(ゴールデンフード)」と次々と拠点を増やしていった。
彼の手がける店では、ブラックラテやプリン、バスクチーズケーキなど独創性のあるメニューが人気。しかしLIWEI TOKYOでは、コーヒーのほかにも、朝からカクテルが楽しめたり、系列店とは少し違った仕様の台湾風プリンが味わえたりできる。
足し算で生まれる味わい
コーヒー豆の卸販売も行っているリウェイは、シングルオリジンよりもブレンドにこだわる。「量がアンバランスなコーヒー豆をうまく掛け合わせて作ることで、豆自体の品質にかかわらず、結果的においしいコーヒーを引き出せるんです。そうやって足し算していく方が面白いし、バランスの取れたおいしさを長く届けられます」と語る。彼のセンスと日々の研究から作られる華やかで香りのいいコーヒーは、実際にその場で味わえる。
「東京ブレンドの浅煎りラテ」(800円、以下全て税込み)は、ミルクのまろやかさの中にフローラルで繊細な豆の香り高さが感じられ、後味はとてもスッキリとしている。これまでは、苦味や酸味などの割合がちょうどよく調和された中深いりを基本としていたが、好みが二分する傾向にあった客の需要に伴い、浅いりと深いりから選択できるようにしたという。
多くのカフェでは、浅いりと深いりで金額に多少差があるが、ここでは50円しか変わらない。好みや気分に合わせて気軽にチョイスできるのもうれしいポイントだ。
同店では、カクテルも提供する。グアバジュースをベースに、ウイスキー、梅酒、レモン汁を混ぜたカクテル「レッド グアバ ポイズン」(1,200円)は、グラスの口に台湾から取り寄せたウメの粉糖をまぶした一杯。台湾ではフルーツなどに付けて食べる習慣があるといい、万能調味料としても愛されているウメの粉糖が良いアクセントとなっている。
また、看板メニューにもなっている「台湾風プリン」(750円)だが、同店ではウーロン茶ではなく、冬瓜(とうがん)茶を使ったシロップを合わせたユニークなプリンが堪能できる。
黒糖のようなコクと、水分の多いトウガンの淡泊でさっぱりとした風味が上品で、何度でも食べたくなる味わいだ。ほかにはない一味違うプリンを、ぜひ試してほしい。
カクテルへの挑戦が生んだ「理想の店」
リウェイは2店舗目をオープン以来、店頭から少し離れていたというが、カクテルという新しい挑戦も兼ねて再び店に戻り、今後は直接提供も行っていくという。
「これまでずっとコーヒーに関わってきたので、何か新しいことに挑戦したいと思っていました。そんな中で、コーヒーとも一番関連があり、いろいろな変化を楽しめて、お客さんともより近くで接することができるカクテルにたどり着いたんです。
バーカウンターを設置したことで内装もよりスタイリッシュに仕上げ、コーヒーマシンは初めての大会で使用した思い入れのあるものを使っています。僕の集大成ともいえる、理想とする店がやっとできました」。今回の新店舗には特に思い入れが詰まっている様子が、うれしげに語る彼の表情から見てとれた。
都会の騒音から少し離れたこの町で、新たに加わった数種類のドリンクやカクテルと、ラテアートチャンピオンの本格派コーヒーを再び目の前で堪能できる最新スポットに注目だ。
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