Brooklyn Grange at Javits Center
Photograph: courtesy the Javits Center

ニューヨークの国際展示場に巨大な屋上農園が誕生

目指すのは「ルーフ・トゥ・テーブル」

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テキスト:
Shaye Weaver
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ニューヨークの有名な巨大コンベンションセンター、ジャビッツ・センター(Javits Center)の屋上には土が敷き詰められている。センターの外観からは想像できないかもしれないが、ここに1年を通じてたくさんの野菜や果物を栽培する広大な屋上農園なのだ。

ザ・ファーム(The Farm at the Javits Center)という名が付けられたこの農園は、1エーカー(約4000平方メートル)の畑、一年中使える温室、たくさんの果樹が植えられた1万平方フィート(約930平方メートル)の果樹園、雨水を回収して再利用するための大規模な地下貯水槽などで構成。畑に敷かれた農業用土壌の厚さは18インチ(約45センチ)で、32本のリンゴと6本のナシの木は約4フィート(約1.2メートル)もある土壌で育っている。また、地元の植物や花粉症にやさしい植物も見られる。

この農園では、年間で最大4万ポンド(約18トン)の野菜や果物の生産することを目標に設定。収穫した農作物は、ジャビッツ・センター内のケータリング部門、CULTIVATEDで利用するという。

Brooklyn Grange at Javits Center
Photograph: courtesy the Javits Center

ザ・ファームの運営を担当しているのは、ニューヨークを拠点に屋上農園の設計や施工、管理、イベント事業を手がけているブルックリン・グランジ(Brooklyn Grange)。ジャビッツ・センターでは元々、6.75エーカー(約2万7000平方メートル)にわたるパッシブ冷却のための屋上緑化が実現されていたが、ブルックリン・グランジの参画で、それを「アクティブ」な農園に転換。今後、センターの利用者やスタッフのために「ルーフ・トゥ・テーブル」を実現していく。

ニューヨーク・コンベンション・センター・オペレーティング・コーポレーションの社長兼最高経営責任者(CEO)であるアラン・スティールは、「私たちは文字通り、持続可能性を次のレベルに上げていきます。ブルックリン・グランジと協力して、ニューヨークの中心にあるこの新しい農園で、ユニークな『ルーフ・トゥ・テーブル』体験を提供できるのは喜ばしいことです。この革新的な農園があることで、私たちのスタッフは持続可能性の限界に挑戦し、近隣のあらゆる人々の生活の質を向上していくことができるでしょう」と述べている。

Brooklyn Grange at Javits Center
Photograph: courtesy the Javits Center

ジャビッツ・センターの担当者によると、ザ・ファームは単なる農園ではなく、屋上緑地と34万4000ガロン(約130万2000リットル)の地下雨水貯留槽により、ニューヨーク市の下水道へ、年間数百万ガロン(約数百万〜数千万リットル)の雨水が流入するのを防ぐのにも一役買うそうだ。確保された雨水が作物や樹木のためのかんがいに使用されることで、農園が使う上水道の使用量は約50%に抑えられるという。

また、深い土壌があることで屋根の上と下の気温が下がり、急速に温暖化している都市のヒートアイランド現象の対策になる上、生物多様性の促進、在来生物や花粉媒介者の生息地化にもつながる。ザ・ファームがもたらす影響は大きく、センターへの年間数百万人の来場者が食や農業、さらには都市についてこれまでとは違った考えを持つようになるだろう。

ブルックリン・グランジの共同設立者であり、チーフ・クリエーティブ・オフィサーであるグウェン・シャンツは、「『今日』の都市が、『明日』の気候課題に適切に対応できるように設計されていないことは、周知の事実でしょう。私たちは、持続可能性について積極的に話し合うために、緑地をデザインしているのです。そして、この農園を訪れる全ての人に、未来の都市がどのようなものになるのかを考えてもらうことを目指しています」と述べている。

ザ・ファームでは、2022年からプログラムやイベントの開催を通して、一般の人が実際に農園を訪れる機会を増やしていく予定。また、屋上にあるガラス張りのイベントスペースや屋外テラスからは、いつでもブルックリン・グランジが整備している在来種の野花を楽しむことができるという。見本市などでジャビッツ・センターを訪れた際、屋上に上がってみるといいだろう。

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