Photo: Screenshot from 'Belle' trailer, ©2021 Studio Chizu
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細田守の新作、カンヌで10分超えのスタンディングオベーション

14分間の拍手喝采、ウェスアンダーソンの新作を超える長さ

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Emma Steen
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2020年は新型コロナウイルスの影響により見送られていた『カンヌ国際映画祭』。2021年7月6日に約2年ぶりに開催され、7月17日に無事閉幕した。カンヌ映画祭では通常、平均的な作品であれば最低でも5分間ほどのオベーションを受けるのが習慣となっている。今年、特に大きな称賛を得たのが、日本のアニメーター細田守の新作『竜とそばかすの姫』だ。ワールドプレミアでは、なんと14分間という記録的長さのスタンディングオベーションが巻き起こった。

この記録は、同じくプレミア上映されたウェス・アンダーソンの新作『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』の9分間の拍手を上回るもの。カンヌ史上最長オベーションは約22分間で、作品は2006年の『パンズ・ラビリンス』だった。 

『竜とそばかすの姫』は、おとぎ話『美女と野獣』を現代風にアレンジしたストーリー。「インターネット」と「現実」の2つの世界を舞台にした作品だ。

主人公の17歳の高校生、すずは内気でシャイな性格。しかし「U」と呼ばれる仮想世界では、数百万人のファンを持つ秘密のオンライン人格「ベル」でもある。すずは現実の世界では母親の死により心に大きな傷を抱えており、もう一人の自分「ベル」とはかけ離れた存在だ。ある日仮想世界の秩序を乱す「竜」によりベルのコンサートが妨害されてしまう。スズは竜の存在が気になりだし、正体を突き止めようと奮闘するのだった。

この世界的な映画祭で、日本人監督の作品がヘッドラインを飾るのは珍しいことではない。2018年には是枝裕和の『万引き家族』がパルムドールを受賞。また、村上春樹の短編を映画化した濱口竜介の『ドライブ・マイ・カー』が、2021年度の脚本賞の受賞を果たしている。しかし、アニメ作品に特化した部門がない映画祭で、細田の作品がこれほどまでに評価されるのは特筆すべきことだ。

キャラクターデザインには元ディズニーのアニメーターであるジン・キムを起用。ビジュアル面でも大変優れた作品となっている。さらに本作では、現代社会を正確に反映し、若者に力を与えるアニメを作るという監督の決意が強く感じられる。細田作品は新世代のアニメ映画界に新たな希望を与え続けているのだ。

竜とそばかすの姫』は現在、全国の映画館で公開中。 

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