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世界で評価された焙煎技術と北欧のFika文化を9月18日から展開

スウェーデン・ストックホルム発のスペシャルティコーヒーブランド「Drop Coffee Roasters」が2026年9月18日、中野マルイ2階に日本1号店をオープンした。世界レベルの焙煎技術だけでなく、コーヒーと菓子を囲んで人と過ごすスウェーデンの「Fika(フィーカ)」文化まで持ち込んだ一軒だ。
Drop Coffeeは2009年にストックホルムで創業。生産者から継続的に豆を買い付け、それぞれの土地や品種の個性を引き出す焙煎(ばいせん)を続けてきた。その中心人物が共同オーナーのジョアンナ・アルム・レイトン(Joanna Alm Leighton)。世界コーヒー焙煎選手権で2位、3位、4位に入賞し、スウェーデンの焙煎競技会では3度優勝している。現在も農園主と関係を築きながら豆作りに関わり、PCで管理したローストプロファイルを用いて品質を安定させているという。
中野店で使う豆もストックホルムで焙煎したもの。常時約12種類のシングルオリジンを用意し、860円(税込み)で提供するほか、「本日のコーヒー」は630円。豆の名前や産地だけを見て選ぶのではなく、「心地よい」「好奇心」「冒険心」という、その日の気分から選べる仕組みも面白い。
「心地よい」は酸味を抑えた穏やかな味、「好奇心」は明るい酸味と甘み、「冒険心」は温度の変化によって味わいが大きく変わるような個性的な豆を提案する。中には「ゲイシャ」のようなコーヒー豆も入っているが、一律料金なのは、農園主からの信頼と安定した供給網の成せる技だ。抽出はウェーブフィルターを使い、一杯ずつ行う。
ラテに使うのは、ニカラグアの「リモンシージョ」。ローストヘーゼルナッツやレッドアップル、チョコレート、バニラを思わせる風味が特徴だ。店を運営するインダストリークリエイション代表の日高慶紀は、もともとブラックコーヒーが得意ではなかったという。「ストックホルムの本店で紅茶のような味わいのコーヒーを飲み、コーヒーのおいしさに目覚めた」と自身の感動を振り返る。
フードも単なる「北欧風」では終わらない。シナモンロールやカルダモンロール、サンドイッチのパンは岩手のベーカリー「MAISON DE L’AMITIÉ」が担当。本国では主にイースター前に食べる菓子「セムラ」も年間を通して提供する。ココア、オートミール、コーヒーなどを使う「ショクラードボッラル」は、本国のレシピを踏襲した数少ないメニューの一つだ。それ以外は、スウェーデンの食文化をリスペクトしながら日本店独自に開発した。
大きなガラス張りの店内からは、ストックホルムの庭を思わせるパブリックスペースが広がっていて、抜け感がある。晴れた日にはテラス席でのんびり一息つくのも良さそうだ。日高夫妻と親交のある画家・田中健太郎による描き下ろし作品も飾られている。
さらに日本進出に合わせ、コーヒー豆のパッケージも約4年をかけて再設計したという。ストックホルム郊外のジョアンナの生家にある棚の柄など、スウェーデンではよく見られるテキスタイルをモチーフに使ったという。
「Fika」とは、ただコーヒーを飲む休憩ではなく、甘いものを囲み、家族や友人、同僚と会話するための時間でもある。スペシャルティコーヒーを難しい知識からではなく、「今日はどんな気分か」から選び、菓子と一緒にゆっくり過ごす。Drop Coffeeが中野で広めようとしているのは、豆そのもの以上に、そんなコーヒーとの付き合い方なのかもしれない。
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