スペインのマドリードで「泣き部屋」をテーマにした展覧会が開催

メンタルヘルス月間の一環、専門家の支援を提供

Sophie Dickinson
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Sophie Dickinson
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ここ数年、世界各地で没入型展覧会が数多く開催されている。あるものはずっと前に亡くなった芸術家の超カラフルな回顧展であり、またあるものは現代アーティストによる1回限りのインスタレーションであったりする。しかし、興味深いことにスペインのマドリードでは、より「真剣な目的」を持った展覧会『La Lloreria』が開催された。

2021年10月中旬、メンタルヘルス月間に合わせて開催されたこの展覧会は、ピンクの光に包まれ、SNS用の小道具が全てそろっているように見えるかもしれない。しかし、単なるギミックだけをきかせたイベントではない。 

グラフィックサイン、カラフルな床、写真映えする照明の中に見えるのは、心理学者を含むメンタルヘルスの専門家に相談できる電話番号。「泣き部屋」を意味する名が付けられたこここは、メンタルヘルス(とそれについて話すこと)についてのタブーに立ち向かうための場所なのだ。

展覧会名はスペイン語の慣用句である、a llorar a la lloreria(「泣きたければ、泣き部屋に行け」の意)に由来している。これは本来、泣いている人に対する素っ気ない言葉だが、この展示においてはその反対。つまり「泣くことは恥ずかしいことではない」というようなニュスアンスで使われている。

この展示では誰でも立ち寄れ、自分の気持ちを話したり、助けを求めたりできる。派手で豪華な装飾の間には、「I have anxiety too(「私も不安を抱えています」の意)というようなメッセージも見られた。La Lloreriaのような企画が、人々が自分の問題について話すのに必要であるならば、我々も喜んでそれを支持する。

原文はこちら

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