物議を醸したロンドンのバス広告、掲出停止へ

乗客を矢印で指し「裸でいるのが好きな人」などとラベリング

Chiara Wilkinson
テキスト:
Chiara Wilkinson
広告

最近ロンドンでは、少し違和感を感じる広告を付けたバスをよく見かけることがあった。その広告とは、チャンネル4のテレビ番組『Naked Attraction』をPRするもの。同番組は、出場者が首から下の裸だけを見て相手を決めるというルールが話題になっている恋愛バラエティーだ。

バスの側面に貼られた広告は、英語のフレーズと矢印で乗客を「ラベリング」するようにデザインされている。例えば最前列の座席に座ると、街行く人からは「裸でいるのが好きな人」に見えてしまう。毎日通勤している人は、当然こんなことをされるつもりでバスには乗っていないだろう。

本人の同意なしに乗客をラベリングし、また性的な表現を含んでいるこの広告について、多くの人が倫理に反すると批判。さらに座席には子どもが乗る可能性があり、そのことがほかの問題を引き起こすという指摘もある。

この広告の存在は、作家のトレイシー・キングがバスの写真を添えて次のようにツイートしたことで広まった。

「この不気味なバス広告は一体なんだ? 承諾していない乗客に、このようなレッテルを貼ることはできるはずがない。チャンネル4は、バスの中でどれだけ多くの性的暴行が行われているか知らないのだろうか?」。続いてキングは「そんなに難しいことではないのだが、広告代理店はもしかしたら『このコンセプトはバス利用者に基本的な尊厳、プライバシー、自主性を担保しているのか?』という問いから始めなければならないのだろうか」と付け加えている。

BBCが2021年8月31日に伝えたレポートによると、広告基準協議会に26件の苦情が寄せられたため、ロンドン交通局がこの広告を見直し、「できるだけ早く」バスから撤去することを決定したという。

チャンネル4の広報担当者はBBCに対し、「この広告はチャンネル4の番組を基にしたものです。不快感を与えることは意図しておらず、そうなってしまった場合はおわびします」と述べている。

原文はこちら

関連記事

英国で人気の食料品店、メルローズアンドモーガンが吉祥寺にオープン

ロンドン、バッキンガム宮殿の衛兵交代式が復活

全裸の自転車イベント、ロンドンで2年ぶりに開催

ロンドンの古いトラムトンネルが一般公開

ロンドンの王立植物園で日本をテーマにしたフェスティバルが開催

東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら

最新ニュース

    広告