コジコジ万博
©︎さくらももこ(Photo: Kisa Toyoshima)

コジコジ万博でしかできない5のこと

メルヘンの国を遊び尽くす日本初の展覧会

テキスト:
Kagari Sakamoto
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かわいらしいキャラクターと哲学的な言葉で名高い、さくらももこによる人気漫画『コジコジ』。同作の世界を遊び尽くす史上初の展覧会が、2022年4月23日からPLAY! MUSEUMでスタートした。

コジコジ万博
©︎さくらももこ(Photo: Kisa Toyoshima)

国民的漫画家が描いたナンセンスギャグコミックでは、宇宙生命体である主人公のコジコジが、メルヘンの国でのファンタジーな日常を繰り広げていく。1994年から1997年に『きみとぼく』で連載後、2010年から2013年の間は『りぼん』で不定期に掲載された。1997年にはテレビアニメが放送されるなど、メディアミックスの展開も盛んな作品だ。

コジコジ万博
©︎さくらももこ(Photo: Kisa Toyoshima)

『コジコジ万博』と銘打つ同展は、多様なテーマのパビリオンを展示する「万博」の名にふさわしい意欲的な展覧会。それぞれのコンセプトに基づいた全10エリアによって構成されており、そのほとんどは原作には登場しない同展オリジナルの空間だ。展示デザインを手がけたCEKAIや、同展のキュレーターが独自の解釈を加えて創作したコーナーが並ぶ。

ここでは、独創性あふれる同展の見どころを5つピックアップ。新しい『コジコジ』の魅力を発見しよう。

1. ギャグ満載のパビリオンを巡る。

メルヘンの国へ旅立つ前に、エントランスに飾られたさくらももこの原稿は必ずチェックしたい。落書きから生まれたというコジコジの誕生秘話などがつづられており、作者のコジコジに対する慈愛に満ちた思いを感じ取ることができる。

コジコジ万博
©︎さくらももこ(Photo: Kisa Toyoshima)

まず来場者を迎えてくれるのが「ギャグ50連発」という展示空間。空間内で目を引く大きなコジコジの顔には、名言や往年のギャグが映し出されていく。「コジコジだよ コジコジは生まれた時からずーっと 将来もコジコジはコジコジだよ」といった有名なセリフや、『ちびまる子ちゃん』に登場する山田笑太の顔をまねした表情などが愛らしい。

物知りじいさんが勢いよく飛び出す湖や、テレビアニメのポップなエンディング映像に出演できるエリアといったインスタレーションがあちこちに点在。そのどれもが、にぎやかで楽しい同作の雰囲気をよく伝えてくれる。各パビリオンに足を踏み入れれば、まるでメルヘンの国にトリップしたかのような感覚を得られるだろう。

コジコジ万博
©︎さくらももこ(Photo: Kisa Toyoshima)

2. 動くコジコジと次郎に出会う。

新作のコマ撮りアニメーション『コジコジと次郎の不毛な会話』では、実際に動くコジコジと次郎に出会える。制作を担当したのは、NHKのマスコットキャラクターのどーもくんや、Netflixで配信中の『リラックマとカオルさん』で有名なアニメーション制作スタジオのドワーフだ。

コジコジ万博
©︎さくらももこ(Photo: Kisa Toyoshima)

同展でのみ上映されるアニメーション映像では、コジコジと次郎のかみ合わない会話を表現。「ガーン」とショックを受けた時や、オナラをする時、空を飛ぶ時のコジコジのしぐさに加え、次郎の淡々とした表情など、両者のリアルな動きが映像内に詰め込まれている。原作をよく知る人だけが気付けるような隠し要素を探すのも楽しい。撮影のために制作された人形も必見だ。

3. 登場キャラクターたちの内面に触れる。

メルヘンの国に住むキャラクターは、愉快なだけの日々を送っているわけではない。友人との関係に思いをはせたり、自分の存在意義について考えたり、人間と同じような悩みを抱えて生きている。

コジコジ万博
©︎さくらももこ(Photo: Kisa Toyoshima)

「モヤモヤトンネル」と「エモーショナルフレンズヒーリングゾーン」という2つの展示は、それぞれの繊細な内面に焦点を当てたものだ。これまでのインスタレーションとは打って変わって、しんみりとした空気が漂う。

会場施設の「うず巻き状の廊下」を利用した「モヤモヤトンネル」は、ハレハレ君とジョニーの葛藤や、やかん君が持つコンプレックスなど、煮え切らない思いで満たされている。映像と音声を駆使することで、その思いがよりダイレクトに伝わってくるだろう。揺れ動く心や複雑な感情に触れることで、メルヘンの国の住民をより深く理解できるはずだ。

4. コジコジの活躍は原画で堪能する。

会場を彩るのは、作者が大事に育んできた130点にも上る原画だ。メルヘンの国の全景を描いたもの、カラーとモノクロ原画、扉絵などがそろう。

コジコジ万博
©︎さくらももこ(Photo: Kisa Toyoshima)
コジコジ万博
©︎さくらももこ(Photo: Kisa Toyoshima)

漫画原稿を絵巻物のように紹介する「原画で読む名場面8」のエリアでは、「ファッションショーをやろうの巻」「きょうはクリスマスの巻」「まほうの練習の巻」といったストーリー内の名場面が展示されている。緻密なパターンが光るカラーの扉絵も美しい。良質な原画と一緒に、自分の好きなシーンを振り返ってみては。太陽の城の王様であるゲランが集めたサインを飾る壁も面白い。

コジコジと『ちびまる子ちゃん』のまる子が共演した原画も別コーナーに登場。夢のようなコラボレーションを見逃さないように。

5. メルヘン通り商店街を散策する。

さまざまなインスタレーションを楽しんだ後は、ミュージアムショップへ足を運ぼう。同展限定のTシャツ、ビーチサンダル、バッグといったアパレル商品や、ジッパーケース、アクリルキーホルダーといった多彩なアイテムを取り扱う。

コジコジ万博
©︎さくらももこ(Photo: Kisa Toyoshima)

注目したいのは、やかん君に関連するアイテム。興奮すると沸騰して茶を沸かすという特技を生かしたユニークな商品が並ぶ。『小ぶりの湯のみ』(1,320円)は30種類にも及び、やかん君のいれた茶を愛するカメ吉や、やかん君のまねをするコジコジといった絵柄がそろう。本物そっくりの『やかん君フィギュア』(9,900円)や、オリジナルの茶缶『コジコジ × カネ十農園 ティーバッグ缶』(1,760円)も手にとってほしい。

コジコジ万博
©︎さくらももこ(Photo: Kisa Toyoshima)

ショッピングを終えたら、「カメ吉茶屋」で一息つくのがおすすめだ。数量限定の『カメ吉茶屋 日本茶セット 豆皿付き』(1,760円)のデザートをはじめ、オムライスの『コジコジかおプレート』(1,800円)、ボリューム満点の『ゲランの王様ランチ』(1,800円)で腹を満たすのもいい。

『コジコジ万博』は、7月10日(日)まで開催。PLAY! PARKでは、『コジコジ』の物語をもとにしたワークショップ(別料金)も実施中だ。

『コジコジ万博』の詳細はこちら

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