1. 旧日立航空機立川工場変電所
    画像提供:東大和市立郷土博物館
  2. 東京都庭園美術館
    Photo: Tokyo Metropolitan Teien Art Museum - PR Shot
  3. 港区立郷土歴史館
    提供:港区立郷土歴史館
  4. 画像提供:早稲田大学演劇博物館
    画像提供:早稲田大学演劇博物館

東京、レトロ建築のミュージアム10選

明治、昭和の名建築から戦災建造物、庶民家屋まで

テキスト:
Time Out Tokyo Editors
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純喫茶や近代建築、インベーダーゲームの筐体(きょうたい)や駄菓子、昭和に流行したキッチュなアパレルやおもちゃなど「レトロ」なものが今人気だ。そこには、古き良きものを埋もれさせまいとする歴史への敬意のようなものが感じられる。ここでは、そんな長い時の洗礼を受けたからこそ、人々を引きつける歴史的な価値を持ったミュージアムを紹介する。

明治や昭和初期に建てられた名建築から、昭和の人々の暮らしに思いをはせることができる庶民的な民家や、弾痕が残る戦災建造物まで「レトロ好き」なら心ときめくこと間違いなしだ。

なお新型コロナウイルス感染症対策のため、営業時間など変更している場合がある。訪れる前に公式ウェブサイトの確認をしよう

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  • 早稲田

1928(昭和3)年に設立された、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館、通称「エンパク」。100万点以上もの古今東西の貴重な資料を収蔵し、アジアで唯一の演劇専門総合博物館だ。

同館は坪内逍遙の発案で、16世紀イギリスの劇場、フォーチュン座を模して今井兼次らにより設計された。正面舞台にある張り出しは舞台で、入り口はその左右に位置する。図書閲覧室は楽屋、舞台を囲むようにある両翼は桟敷席で、建物前の広場は一般席だ。舞台正面には、「Totus Mundus Agit Histrionem(全世界は劇場なり)」というラテン語が掲げられている。

演劇関連の資料は、戯曲、台本、書籍、雑誌などの図書資料から、原稿、書簡、日記、浮世絵、チラシ、ポスターなどの紙資料、衣装、靴、かつら、装置、小道具など舞台で実際に使用された品々、記録映像、宣伝映像、音源などに至るまで多種多様にそろえる。

  • ミュージアム
  • 上野

日本最古にして最大の博物館で11万件以上を所蔵。華麗な門をくぐると、広い中庭と池を3つの建物が取り囲んでいる。1938(昭和13)年に開館した本館と、1909(明治42)年に開館したヨーロッパスタイルの表慶館はいずれも重要文化財に指定された名建築だ。

建物自体も見どころの一つだが、中には、日本美術と骨董(こっとう)品、アジア諸国の芸術作品、古代美術のコレクションなど一日では見て回れないほどの重要な美術品が数多く展示されている。また、敷地内にはレストランが2カ所、ミュージアムショップもある。

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  • ミュージアム
  • 小金井

東京都江戸東京博物館の分館として開設された、江戸東京たてもの園。現地保存が不可能な江戸時代から昭和初期までの歴史的建造物を移築し、復元、保存、展示を行う。

屋外に並ぶ複合建造物の中には、私邸や商店と同様に、彫刻が特徴的な銭湯や、将軍の妻のための霊廟(れいびょう)など、この世に一つしかないものもある。生活民俗資料なども一緒に展示されているので、当時の生活や商いの様子を想像して、タイムスリップした気分を味わおう。

事前予約は必須ではないが、新型コロナウイルス感染症対策のため、事前予約をおすすめする。

ワタリウム美術館
  • アート
  • 原宿

1990年に建築家マリオ・ボッタが、和多利一家のためにデザインした私立美術館。年に3回ほど展覧会が開かれる。

地下にはアート本が充実したショップと快適なカフェを併せたオンサンデース(on Sundays)がある。

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  • Things to do
  • 多摩地域

東京都立東大和南公園内にある、第二次世界大戦中にタイムスリップしたかのような生々しい傷跡が無数に残る戦災建造物。

1938(昭和13)年に建設された軍用機のエンジンを製造する軍需工場に高圧電線で送られてきた電気を減圧し、工場内へと送る重要な施設として稼働。そのため太平洋戦争末期になると、数多くの空襲を受けた。

東大和市は、外壁に刻まれた生々しい爆撃の傷跡などが、戦争で多くの尊い命が犠牲になったことを雄弁に物語っていると、1995年に文化財に指定。以降、戦争の悲惨さや平和の尊さを伝えるため公開されている。

  • アート
  • 丸の内

2010年4月6日、東京丸の内に三菱一号館美術館が開館した。三菱一号館は、三菱が丸の内に建設した初めての西洋風オフィスビル。1894(明治27)年、開国して間もない日本政府が招聘(しょうへい)した英国人建築家ジョサイア・コンドルによって設計された。

当時は三菱合資会社の銀行部などが入りにぎわいを見せていたが、1968(昭和43)年に老朽化のため解体。その三菱一号館が40年余りの時を経て、コンドルの原設計にのっとって同じ地によみがえり、美術館として開館したのだ。全館に19世紀後半のイギリスで流行したクイーン・アン様式が用いられ、近代的なビルが建ち並ぶ丸の内で異彩を放っている。

この三菱一号館が目指すところは、主に、都心にある美術館として街歩きの拠点となることと、100年の歴史を未来に継承することで、主に19世紀近代美術を中心とする展覧会を開催している。

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  • ミュージアム
  • 白金台

自然や歴史、文化などの側面から港区を知り、交流することができる施設。1938(昭和13)年に建設された旧公衆衛生院という歴史的建造物を活用している。

東京大学建築学科教授の内田祥三(うちだ・よしかず)が設計し、鉄骨、鉄筋コンクリート造りの構造に「内田ゴシック」と呼ばれるスクラッチタイルで覆われたゴシック調の外観が特徴的だ。建物内部の旧講堂などには細部にわたる意匠が当時のまま残されている。また、床、壁に石材を使用したユニークなデザインの2層吹き抜けの中央ホールも見逃せない。

有料の常設展と年に4回ほど特別展や企画展を開催している。そのほか、カフェ、ミュージアムショップ、図書室などが併設しており、歴史的な建物の中で優雅な時間を過ごすことができる。

  • アート
  • 白金台

1933(昭和8)年に建てられたこのアールデコ様式の邸宅は、かつては朝香宮殿下と、その后(きさき)であり明治天皇の第八皇女である允子内親王の住居だった。夫妻は、1920年代のパリでアールデコと呼ばれる装飾様式に触れ、帰国後に朝香宮邸を建てた。

大広間や大食堂など、主要な部屋の内装はアンリ・ラパンの手によるもので、玄関のガラスレリーフ扉などはルネ・ラリックのデザイン。建築そのものは宮内省内匠寮の技師である権藤要吉が担当、設計した。館内で行われる展覧会では、作品だけでなく、それらと室内空間の調和を楽しむことができる。

ミュージアムショップやカフェも併設している。

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  • アート
  • 目白台

江戸時代から戦後にかけて所在した、広大な細川家の屋敷跡の一隅にある美術館。旧細川侯爵家の家政所(事務所)として昭和初期に建設されたものだ。

旧熊本藩主細川家伝来の歴史資料や東洋の古美術を中心とし文化財を保存、研究し、一般に公開している。武器武具、能道具、茶道具、禅画、近代日本画、中国陶磁など16代当主、細川護立の収集品なども収蔵する。

なお、最新情報については公式SNSを確認してほしい。

  • ミュージアム
  • 大田区

1951(昭和26)年の東京郊外にある庶民住宅、旧小泉家住宅主屋を中の家財道具ごと保存し、丸ごと公開している博物館。この地で小泉夫妻と娘4人の6人家族が暮らしていた生活が丁寧に再現されている。

中は、子ども部屋、書斎、台所、茶の間があるほか、後から造られた新館には談話室と次女の小泉智代記念室と分かれている。建物自体は小さいが、洋風モダンな書斎、当時のおもちゃの数々が展示された子ども部屋など見どころは多い。

中庭にあるミュージアムショップでは昔ながらの玩具(がんぐ)や本、カードなどを購入できる。

レトロな東京を探索する

  • Things to do

東京や関東近郊のレトロなスポットを一挙に紹介。

昭和レトロなカフェのクリームソーダや、著名人が愛したレストランやホテル、玩具、アクセサリーなどキッチュな魅力を持った雑貨店、昭和初期の長屋文化を変わらず残す横丁や銭湯、アートとして再解釈されつつあるストリップ劇場やラブホテルなど見ればきっと訪れたくなるところばかり。さあタイムスリップに興じてみよう。

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