映画「ブレードランナー2049」の制作の裏側を覗く

監督デニス・ヴィルヌーヴと撮影監督ロジャー・ディーキンスにインタビュー

Villeneuve directing Ford and Gosling in Blade Runner 2049

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インタビュー:Joshua Rothkopf

1980年代に公開された偉大な作品のひとつである、リドリー・スコットの映画『ブレードランナー』。恐ろしい未来を描いた本作は、完璧な芸術映画だ。続編が制作される必要性について、多くの賛否を呼んだが、映画『プリズナーズ』や『ボーダーライン』、『メッセージ』を手がけた監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ(Denis Villeneuve)と、撮影監督ロジャー・ディーキンス(Roger Deakins)によって制作された本作で、2度目の奇跡が起きた。本作を手がけた2人に、制作の動機やプレッシャーについて聞いてみた。

ー本作の制作に至った背景を教えてください。オリジナルの『ブレードランナー』は、あなたにとってどのような作品なのでしょうか。

ヴィルヌーヴ:僕が『ブレードランナー』を観たのは、映画監督を夢見るようになったときでした。その強烈な芸術性にショックを受けました。当時は、SFを真剣に扱ったスタンリー・キューブリックやスティーヴン・スピルバーグのような作品はそこまで多くはなくて。B級やパロディー映画ではない、SF作品に飢えていました。そんなとき、リドリー・スコットが描いた未来像は、現実に起こりうる未来を見せられているような衝撃を覚えました。 

ー有名な撮影監督の多くが、本作をきっかけに映画の世界を目指しています。続編を制作するにあたり怖いと思う部分はありましたか。

ディーキンス:もちろん、怖いと思いました。ドゥニが最初に話を持ちかけてきたとき、続編は、まったく別の映画になりそうでした。ストーリーや映画の世界観は原作と繋がりがありますが、僕はオリジナルの撮影監督のジョーダン・クローネンウェス(Jordan Cronenweth)ではないし、彼のような照明は不可能です。同じような方法で撮影しようとは少しも考えませんでした。

ー本作を制作する決心がついたのはいつですか。

ヴィルヌーヴ:時期的には2つありました。「イエス」と言う前と、「イエス」と言った後です(笑)。まず最初に脚本を手渡されたとき、とても信頼してもらっていることに驚きました。名誉であり、同時に重荷でもありましたが、心を動かされました。彼らが映画の計画に取り掛かっていることを知っていましたが、続編の制作は素晴らしいアイデアである一方、悪いアイデアでもありました。映画界から、自分が愚かなやつと思われたくはありませんでした。なので、「誰かがその重荷を背負ってほしい」と言いました。賭けに出る価値があると思ったときにはすでに、決心をつけなければいけませんでした。

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ー続編の印象的な映像のひとつは赤い砂で覆われたラスベガスの街でした。このカットはどのように制作されたのですか。


ディーキンス:ラスべガスのシーンについては、何度も話し合いました。そのなかで、ドゥニは赤いラスべガスのアイデアを気に入りました。その後、数年前にオーストラリアで起きた砂嵐の映像を手に入れました。赤い砂で被われたオペラハウスの写真などです。数年前に、エジプトで「ハブーブ」と呼ばれる赤い砂嵐を実際に経験したこともあったので、このイメージが膨らんでいきました。

 ーヴァンゲリス(Vangelis)は、オリジナル版の『ブレードランナー』には欠かせない作曲家ですよね。本作に彼を起用しようと考えましたか。


ヴィルヌーヴ:映像の大部分は自分の思う通りにやらせてもらいました。音楽のアイデアは最初からひとつで、ヴァンゲリスと決めていました。ヴァンゲリスに会いに行きましたが、距離的に離れ過ぎていたことや、時間的な制約もあり、交渉が上手く行きませんでした。


ーハリソンフォードの起用はいかがでしたか。


ヴィルヌーブ:私は彼に認めてもらう必要がありました。なので、最初に会ったときのことは一生忘れられない瞬間でした。彼が、「ドゥニ、入りたまえ」と言ったとき、ワーって感じで。もうただのオタクではいられないと思いました。

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映画『ブレードランナー 2049』は、2017年10月27日(金)全国公開。

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