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若者の「本離れ」や書籍のデジタル化により、新しく公共図書館が建設されることがほとんどなくなってしまった。しかし本好きにとって、独自の雰囲気が漂う図書館は特別な場所だ。
2021年秋のオープンを予定している早稲田大学国際文学館は、国際文学や翻訳文学、そして村上春樹文学の研究に取り組めるよう建設中の新しい図書館。早大出身の作家、村上春樹が自身のレコードコレクションや『ノルウェイの森』などの代表作から貴重な資料を寄贈するため、村上春樹ライブラリーとも呼ばれている。
また、50言語以上に訳された村上の翻訳本も所蔵される予定だ。

設計を担当するのは隈研吾。1階は村上の書斎をイメージしたスペースで、2階は学生が研究に使うライブラリーとなる。さらには、村上ワールドにどっぷりと浸れそうなカフェやオーディオスペースも併設。隈は「単に本を展示するだけの場所ではなく、コーヒーを飲みながら村上作品や文学の未来について語り合えるような『生きたライブラリー』にしたい」と、コメントしている。
演劇を専攻していた村上が、学生時代によく通ったというのが、キャンパス内にある坪内博士記念演劇博物館だ。思い入れの場所ということもあり、新図書館は博物館横にある4号館の一部にリノベーション建設される。
ライブラリーの正確なオープン日程についてはまだ発表されていないが、早稲田大学の公式ウェブサイトによると2021年秋に完成予定とのこと。それまでの間は、村上春樹の本に登場する曲全てが収録された238時間のプレイリストを聴いて待とう。
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