劇作家・演出家の岡田利規のディレクションによる舞台芸術祭「秋の隕石2025東京」が開幕。そのラインアップの一つとして、世界の演劇史にその名を刻む故ロバート・ウィルソン演出、フランスの俳優イザベル・ユペール主演の一人芝居『Mary Said What She Said』が上演される。
主人公は、イギリスの王位を巡って従妹であるエリザベス一世との争いに敗れ、処刑されたスコットランド女王メアリー・スチュアート。処刑前夜に彼女が思い巡らすこれまでの人生と、王としての、そして女性としての孤独、苦悩、心の拠り所などが語られていく。
筆者は2019年、ウィーンで上演された本作を観たが、凄絶なほど美しい舞台空間と、その中に屹立(きつりつ)し、高い強度でよどみなく台詞をまくし立てるユペールの迫力に80分間、圧倒され通しだった。
2025年8月に惜しまれつつこの世を去ったロバート・ウィルソン。色彩、光、影、フォルムに徹底的にこだわったその世界は、誰もが一目で彼の作品だとわかる斬新で独創的なもの。不世出の演出家と俳優のタッグによる舞台は必見だ。
※開演は10日19時、11日14時と18時、12日14時から/チケットは5,000円から(席によって異なる)
テキスト:高橋彩子
