池袋のナイトライフを考える懇談会開催、Mロバートソンら意見交換

テキスト:
Hiroyuki Sumi
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豊島区が有識者や著名人らを招き、将来の夜の街づくりを考える『アフター・ザ・シアター(観劇後)懇談会』の第2回会合が2月2日、池袋の自由学園明日館で開催された。篠原ともえやモーリー・ロバートソンらが、ワークショップやディスカッションで街の理想像や課題などを話し合った。

懇談会は、街のナイトライフを盛り上げようと、区が主催。区長の高野之夫やジャーナリストでラジオパーソナリティのモーリー・ロバートソン、タレントの篠原ともえら約15人が出席した。昨年12月に開催された第1回会合では、「どんな人に街に来てもらい、どう楽しんでもらうか」と「環境づくりのために何が必要か」をテーマにアイディアを出し合ったが、今回はさらに具体的なビジョンを話し合った。

最初に高野が「懇談会の取り組みが、国際都市 東京のファーストランナーとして国内外に大きく発信できると考えている。夜の観劇後の余韻を、多くの女性や高齢者も楽しめるような街にしたい」とあいさつ。続いて約5人ずつ3グループに分かれてのワークショップに入った。

「女性や高齢者も楽しめるようにしたい」と語る豊島区長の高野之夫

ワークショップでは、一人一人が夜の豊島区がターゲットとすべき層を提案。「SNSをよく見る外国人」「サブカル女性」「ファミリー層」など意見を出し合い、続いて「そのターゲットにどんな体験をしてもらうか」「そのために必要なコンテンツは何か」などを議題に、アイディアを具体化した。

豊島区のターゲット層などについて出席者が意見を出し合ったワークショップ

ロバートソンは、「日本人にとってはどうでもいいものでも、海外の人が驚くものもある」とし、「例えば、日本人が肉じゃがを作り、それを一緒に食べる体験などがあってもいいのでは」と、民泊を活用した文化体験を提言。池袋が目指すべきコンセプトの1つに「暮らすように体験できる街」を挙げた。また別のグループは、「働く人」をターゲットに、「もう一人の自分になれる街を目指しては」と提案。篠原らが「昼間働いている人たちが仕事後に遊べるよう、区の施設の夜間開放が必要」「女性がおめかしできるロッカーもいるのでは」などと知恵を絞った。

理想の豊島区像について話し合う篠原ともえら

ワークショップ後は、グループごとに街のコンセプト案を発表。「『豊島ブクローランド』をコンセプトに、東京ディズニーランドのように、いろいろなエリアごとにブランディングしてみては」など、ユニークなプレゼンテーションが続いた。

全体討議では、さらに議論を深め、「池袋は公園がたくさんあるので、ナイトバザールとかがあってもいい。モノを作って売る場があると、ちょっとした仕事も生まれる」「そのためにはちゃんと電源を用意しないと」など、将来の街の姿を想像しながら思いをぶつけ合った。

積極的に発言するモーリー・ロバートソン

懇談会は、4月までに提言を取りまとめる予定。懇談会終了後、高野は、「楽しい街を作ろうと、前向きな議論ができた。各界のトップリーダーの方たちの話に、力をもらった。これに答えるのが行政の役割。できないじゃなくて、どうやったらできるかを考えたい」と意気込んでいた。

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