東京は世界最高峰の美食家の街、でも料理は苦手

テキスト:
Hiroyuki Sumi
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東京の人にとって、食は人生を豊かにする最も重要な要素のひとつのようだ。タイムアウトが世界32ヶ国1万5000人(東京は486人)を対象に行なった都市調査(シティインデックス)で、東京の人々の美食を追求する貪欲な姿勢が明らかになった。

食にはうるさいが、料理はしない

まず特徴的だったのが、東京の人は「外食はするが、自炊はしない」ということ。1週間以内に外食をしたと答えた人の割合は、全体の92%。全世界平均の75%を大きく上回った。一方で、1週間以内に自炊をした人は全体の69%で、世界平均の83%を大きく下回った。悲しいことに、直近1ヶ月で誰かのために食事を作ってあげた人も58%しかおらず、他都市の平均(79%)と差がついた。料理を作る代わりに、一緒に外食に出かけていたのだと信じたい。

東京人は行列も気にしない

時間をかけてでも美食を追求する人が多いのも、東京の特徴。「レストランや居酒屋でどれくらいの時間、行列に並んだことがあるか」という問いに対しては、東京の人々の20%が「1時間以上並んだことがある」と答えた(世界平均は14%)。「そもそも並んだことがない」と答えた東京人はたった6%で、他都市の平均(14%)と比べ、違いが際立っていた。

人気のないピザ

興味深かったのが、インターネットで出前をとる人の少なさ。「一度もネットで出前をとったことがない」と答えた人は全体の24%。世界平均が12%、アジアの平均が13%なので、異常な多さだ。日本では、自炊か外食かの二者択一の文化が主流となっているため、利用者が少ないのかもしれない。また代表的なデリバリーフードのピザの人気が低いのも結果に影響したと思われる。「残りの人生でずっと1つのものを食べ続けなければいけないとしたら何を食べるか」という質問で、「ピザ」を選んだ人はわずか1%(世界平均は14%)だった。最も多くの人に選ばれたのは「寿司」で27%(同15%)、2番目はカレーで12%(同7%)だった。

東京人はビール大好き

シティインデックスでは、飲酒習慣についても調査した。東京の人々はビール党が他都市に比べて多く、32%が「ビール」を好きなお酒に選んだ。世界平均は29%、アジア平均は28%だった。一方であまり人気がなかったのがワイン。好きなお酒に選んだ人は26%だけで、世界平均の38%と差がついた。

食には厳しい東京人

さて結局のところ、東京人は自分たちの街のフードシーンをどう見ているのか。意外なことに、「質・量ともに文句のつけようがない」と答えた人は、世界平均58%を大きく下回り、43%だけだった。だが「簡単においしい店を見つけられる」と、ある程度満足している人は53%(世界平均38%)で、際立って多い。つまり東京は、「充実はしているが、まだまだ成長の余地はある」というような、高い要求を突きつけられていると言えるのではないだろうか。

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